悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

075 あなたとは北と

2005-10-06 04:00:00 | 新古今集

 作者と親友とが、別れ別れになることへの寂しさを詠う。
 巻九離別歌(りべつのうた)は、0857~0895。
【略注】○雁のつばさにことづてよ=悠 0000(00月00日条) 既出。
    ○雲のうはがき=「(雁が)雲の上を掻く(掻いて飛ぶ)こと。」「(手紙を)書くこ
    と。」を掛ける。
    ○紫式部=悠024(07月26日条)既出。
【補説】契り。詞書と『紫式部集』との間に、見過ごせない差異がある。「作者以外のふた
    りの女性の間のこと」だが、「この詞書では、作者と深い契りを結んでいたことに
    なる。」(小学版) 義兄弟ならぬ義姉妹の関係は、法的な権利・義務を伴わない、
    いわば当人同士の仲良し関係であって、歌に残るのは珍しい。紫式部のことも、
    調べれば調べるほど謎に包まれた部分が出てきて、この霧の中の道案内は、研
    究者に任せよう。
     ついでながら、作者の娘(大弐三位)の名「藤原賢子」の読みは、『日本女性人
    名辞典』では、「かたいこ」だけである。

短歌写真2005-1006 欲望の

2005-10-06 03:55:00 | 短歌写真

 汐留タワー。汐留地区の再開発が、急ピッチで進んでいる。
 「バベル」は、古代オリエントに伝わる「バベルの塔」伝説。バベル伝説とは、簡単に言えば、人間が天なる神に近付くために高層建築を建て始めたので、神が人間の言葉を乱してしまった(多言語の始まり)。それからは、互いに意思疎通が出来なくなって、高塔の建設は不可能になった(神への服従の指示。人間の傲慢さへの罰)、という話。
 近年、イラクから数万点に及ぶ粘土板が発掘されて、ユダヤ教の律法書・キリスト教の旧約聖書に伝わる話の、かなりの部分がオリエント由来であることが、分かって来た。
 恐らく日本人の99%は、この話を聖書から、つまりキリスト教の視点から得ているだろう。歴史の目から見ると、粘土板の解読はまだまだ緒についたばかり。伝説・説話の解明においても、決して管見・頑迷に陥らないように、自らを戒めたい。
 「ホモ・サピエンス」は、ここでは「知恵をもつ人(のはずなのに)」。