悠山人の新古今

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078 夫とのまともな

2005-10-10 00:00:00 | 新古今集

 夫の大江匡衡(まさひら)の死後、長谷寺詣でした夜、親切な人から草枕をいただいて詠んだ、という一作。彼を詞書で、「頼み侍りける人」(頼りにしていた人)と記した妻。夫婦愛の深さを感じる。
【補注】○ひとり露けき=ひとり(旅しながら)涙する。「露」はさらに「草」の縁語ともなる。
    ○赤染衛門=赤染時用(ときもち)、実は平兼盛の子か。「歌で和泉式部と並び
    称せられた。」(広辞苑) 80代半ばまでの長命。
【補説】初瀬寺 奈良県桜井市初瀬にある、いまの長谷寺。同寺のウェブ・サイトには
    こう書いてある。
     当山は山号を豊山(ぶさん)と称え、寺号を長谷寺(はせでら)と申します。「こ
    もりくの泊瀬山」と万葉集にうたわれていますように、この地は昔は豊初瀬(とよ
    はつせ)、泊瀬(はつせ)などと美しい名でよばれていたので、初瀬寺、泊瀬寺、
    豊山寺とも言われていました。