2006-0508-yms033
立春に氷が溶けて浅川の
底も見えみえ二人の仲も 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=それほど言うのならと、辺りが暗くなったのに、男は手紙を寄越した、と詞書。立春の風が氷を溶かして、水もよく流れたから、底も干上がりそうだ。きみとの関係も、こんなものかな。こんどは男が余裕を見せる、という筋書き。さて、女はどう出るか、楽しみ、と半ば男が遊んでいる。このあたりの二人の関係についても、論争が絶えない。平王クの検証はかなり詳しいので、一読をすすめる。東風云云は、『礼記(らいき)』由来。
¶東風=「こち」ではなく、「こちかぜ」。
¶石間=「いはま」ではなく、「いしま」。
¶解く=古語辞典の見出し語には、「溶く」がない。現代語では to solve に「解
く」、to melt に「溶ける」を当てるのがふつう。
□紫033:こちかぜに とくるばかりを そこみゆる
いしまのみずは たえばたえなむ
□悠033:りっしゅんに こおりがとけて あさかわの
そこもみえみえ ふたりのなかも
*now streaming : ラジオ深夜便* (冷泉家25代当主夫人冷泉貴美子~[和歌]800年の伝統を守り続けて(2)~冷泉家の一年)
立春に氷が溶けて浅川の
底も見えみえ二人の仲も 悠山人
○紫式部集、詠む。
○略注=それほど言うのならと、辺りが暗くなったのに、男は手紙を寄越した、と詞書。立春の風が氷を溶かして、水もよく流れたから、底も干上がりそうだ。きみとの関係も、こんなものかな。こんどは男が余裕を見せる、という筋書き。さて、女はどう出るか、楽しみ、と半ば男が遊んでいる。このあたりの二人の関係についても、論争が絶えない。平王クの検証はかなり詳しいので、一読をすすめる。東風云云は、『礼記(らいき)』由来。
¶東風=「こち」ではなく、「こちかぜ」。
¶石間=「いはま」ではなく、「いしま」。
¶解く=古語辞典の見出し語には、「溶く」がない。現代語では to solve に「解
く」、to melt に「溶ける」を当てるのがふつう。
□紫033:こちかぜに とくるばかりを そこみゆる
いしまのみずは たえばたえなむ
□悠033:りっしゅんに こおりがとけて あさかわの
そこもみえみえ ふたりのなかも
*now streaming : ラジオ深夜便* (冷泉家25代当主夫人冷泉貴美子~[和歌]800年の伝統を守り続けて(2)~冷泉家の一年)