悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

image387 思い切りお洒落?

2007-07-21 00:05:00 | images
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title : SchliemannsSofia?
yyyy/mm : 2007/07
memo : ソロ・ダンサーを真剣に見たり、真似をしたりする少女たち。全く別席の観客風景の写真から、偶然に似たお洒落さんたち(十代前半)を発見した。そうか、これはあのシュリーマンの女を意識した、親たちが飾らせたものかと、即座に納得。しかしそれは、トロイア「巡礼」直後の、彼此往来の過剰反応だったのかも・・・。
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【埃土雑記】4

2007-07-20 03:35:00 | 【埃土雑記】
【埃土雑記】
4 李 蘭淑(36歳 大学講師)
 夜中の十二時を過ぎました。明日は、といっても、もう今日は、になってしまいましたが、これまたオプションのギョレメが早出なので、簡単にさっきの踊りのこと、書いておきます。
 夜七時半、一台のバスへ乗り込んだのは、黄色組11人、赤色組22人でした。小高い丘の上のホテルを出て、昼間とは全く違った顔を見せる夜の町並みを十五分ほど走ると、会場です。駐車場は、照明灯がないので定かではないものの、どうやら満杯の気配。
 中は、中央広場から何条か放射状に、岩を繰り抜いた客席になっています。先ほど夕食を終えたばかりなので、テーブルの食べ物はそのままに、ワイン・グラスへ口をつけました。専属バンドが民族音楽を、絶え間なく演奏しています。欧米系、子ども連れ、日本人・・・二百人弱はいるでしょうか、狭い地下壕に喧騒が支配しています。
 一流のコンサート会場で、アナウンスが一切流れないで進行するように、ここでもとつぜん、民族衣装の男性ダンサーたちが入場して、民族舞踊が始まりました。それからは、見飽きることのない衣装と踊りのオン・パレード。観客の反応のよさに、生バンドも盛り上がります。そしていよいよ、お目当てのソロ・ベリー・ダンス。
 これはまさに芸術でした。同性の私でさえ、ほれぼれするほどの容貌・肢体・身のこなし。それまでざわめいていた客席も、彼女の一挙手一投足に完全に魅了され、空間が文字通り独壇場になりました。アレクサ(と私は名をつけた)のパフォーマンスを眺めているうちに、かつて若きアレクサンドロスも遠征の先々で、こうした側女たちにいっときの心の平安を得たのだろうか、と思い馳せたことです。かなり長い時間、タイム・トリップしていたようでしたが、気がつくとアレクサは、次々と客を手引きして円陣を作らせ、踊らせ、一体感を演出していました。幸いに最前部に座っていた私も、踊りの円に溶け込んだこと、もちろんです。
 アレクサとの逢会は、私にとって大切な旅の思い出になりそうです。
 =編集部注=李さんは、某国立大学で韓国語を教えています。今回は親友と二人での参加。
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短歌写真403 葉の形

2007-07-19 00:35:00 | 短歌写真

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葉の形花の彩りさまざまに
異国の陶の映えこそよけれ   悠山人

○短歌写真、詠む。
○埃土両国で工房をいろいろ見学したが、日本の基準からすれば、どこも殺風景で、直言すれば「きれい」ではない。そんな中で、生産現場では懸命に努力している。
□短写403 はのかたち はなのいろどり さまざまに
        いこくのたうの はえこそよけれ
【写真】トルコ中部の陶器工房で。オリジナル・デザイン室は撮影禁止、それ以外は壁や卓子に展示されている。

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image385 絨毯織姫

2007-07-19 00:30:00 | images
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title : Texturhandwerkerin
yyyy/mm : 2007/07
memo : トルコ絨毯の工房(準国営?)を見学した。素人目には、ペルシャ絨毯、エジプト絨毯、中国段通との違いは分からないけれど、ここの担当者は流暢そのものの日本語で、トルコ絨毯の卓越性を説明してくれた。シルクロード沿いには、男女を問わず、美形が多い。
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短歌写真402 経巡りて

2007-07-18 02:45:00 | 短歌写真

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経巡りて心の旅のその果ての
真赤き薔薇をたれにささげん   悠山人

○短歌写真、詠む。
○埃土とちらでも、薔薇は滅多に見られなかった。
□短写402 へめぐりて こころのたびの そのはての
        まあかきばらを たれにささげん
【写真】トルコ中部のGS(兼休憩所)で。

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【埃土雑記】3

2007-07-18 02:40:00 | 【埃土雑記】
【埃土雑記】
3 伊集院 瑠璃子(仮名、55歳 会社員)
 ピラミッドは大迫力! かなり調べてきたつもりだけれど、こうして目の前にしてみると、生半可な知識なんて、みんな忘れちゃうわね。だって、エジプトって、何でもかんでもすぐに、何千年前の・・・なんていうんですもの。たしかに日本でも、縄文とか弥生時代ってあるわよ。でもねえ、スケールが違いすぎっ! 巨大な四角い岩の集合体を見ていると、正直、目まいがしそう。
 割りに早い時間帯にギザへ着いたのに、いるわいるわ、ありのようにうごめいている・・・そう、観光客と現地の人たち。バスを降りると、群がって来るのよ、物売りのおじさまや少年たちが。彼らは片言の日本語で、「千円、千円!」「安いよ、安いよ」を連呼するの。日本人とみるとどういうわけか、決まって「ヤマモトヤマァ」って呼びかけるのよ。そう言えば、トルコでもときどきあったなぁ。この情報って、ガイドブックなんかでは、見なかったわね。いったい、だれが教え込んだのかしら?
 それと、セキュリティ・チェックの厳しさ。内部の撮影は禁止・・・は、仕方がないとして、入り口でカメラを預けさせられたり、警官や駱駝、その他、写真を撮ろうとすると、手のひらを見せてチップを求められるのは、少し抵抗があったわ。ついでに書いておくと、何年か前に、たしかテロリストによるハトシェプスト大虐殺があったせいかと思うんだけど、観光バスには100%、政府所属の警備員が同乗していました。連日の猛暑の中でも、黒っぽいスーツに身を固めて、腰の拳銃を隠していたようなの。
 ピラミッドの迫力を書くつもりが、周辺をうろうろした感じになったので、もし間に合うようなら、追伸しましょうね。 
 =編集部注=伊集院さんは、一部上場企業の役員ですが、ご覧の通り気さくな方です。
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俳句写真128 土耳古にて

2007-07-17 02:55:00 | 俳句写真

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土耳古にて
また見えたる
薔薇ひとり
   悠山人

○俳句写真、詠む。
○日本でよく見かける薔薇
。やあ、こちらへはお一人で?
□俳写128 トルコにて またまみえたる ばらひとり
【写真】BORA Restaurant(地下洞窟レストラン)の庭で。
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【埃土雑記】2

2007-07-17 02:45:00 | 【埃土雑記】

【埃土雑記】
2 乾 K.(62歳 年金生活)
 トルコ半周の旅も、そろそろ退屈になって来た。なにしろ国土は広い。B社製の観光バスは快適だが、窓外に広がるのは、変化のない草原のような景色ばかり。いや、草原ではなくて、実は見渡す限りの農場なのだが・・・。それが何時間も続く。あくびが出ても当然だろう。その退屈さを吹き飛ばしたのは、誰かがクルド人の現状について質問し、ガイドのGさんが、「私もクルド人です」と言ってからだ。
 普通の日本人である(と思っている)私でさえ、クルドの名はときどき耳にするし、イラク戦争のせいで大変らしいと、漠然と考えている。でも実のところは、ほとんど何も知らないにひとしい。淡々と観光案内をしていた彼は、急に身を乗り出して、熱っぽく語り始めた。トルコも多民族国家だけれど、とくにクルド人だからといって、偏見やいじめなどということは、「全くありません。ノー・プロブレム!」 Gさんは、きっぱりと言い切った。それからは、オスマン・トルコからアタチュルクから、この国がどう素晴らしいかを、しゃべり続けた。政府職員(通訳・観光ガイドの身分は観光省所属)であることを割り引いても、彼の話の大半は納得し理解出来た。
 それにしても、三十代半ば、日本大好きの彼を、これほどまでの愛国者にしているものは、いったい何だろうか。長い話の後半から、相変わらず変化の少ない外の景色を眺めながら、新たな疑問を心の中で反芻していた。 
 =編集部注=乾さんは、公務員を退職されて二年目。単身参加です。
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