title : SchliemannsSofia?
yyyy/mm : 2007/07
memo : ソロ・ダンサーを真剣に見たり、真似をしたりする少女たち。全く別席の観客風景の写真から、偶然に似たお洒落さんたち(十代前半)を発見した。そうか、これはあのシュリーマンの女を意識した、親たちが飾らせたものかと、即座に納得。しかしそれは、トロイア「巡礼」直後の、彼此往来の過剰反応だったのかも・・・。
ET39
2007-0719-yts403
葉の形花の彩りさまざまに
異国の陶の映えこそよけれ 悠山人
○短歌写真、詠む。
○埃土両国で工房をいろいろ見学したが、日本の基準からすれば、どこも殺風景で、直言すれば「きれい」ではない。そんな中で、生産現場では懸命に努力している。
□短写403 はのかたち はなのいろどり さまざまに
いこくのたうの はえこそよけれ
【写真】トルコ中部の陶器工房で。オリジナル・デザイン室は撮影禁止、それ以外は壁や卓子に展示されている。
ET36
2007-0718-yts402
経巡りて心の旅のその果ての
真赤き薔薇をたれにささげん 悠山人
○短歌写真、詠む。
○埃土とちらでも、薔薇は滅多に見られなかった。
□短写402 へめぐりて こころのたびの そのはての
まあかきばらを たれにささげん
【写真】トルコ中部のGS(兼休憩所)で。
ET34
2007-0717-yhs128
土耳古にて
また見えたる
薔薇ひとり 悠山人
○俳句写真、詠む。
○日本でよく見かける薔薇。やあ、こちらへはお一人で?
□俳写128 トルコにて またまみえたる ばらひとり
【写真】BORA Restaurant(地下洞窟レストラン)の庭で。
ET32
【埃土雑記】
2 乾 K.(62歳 年金生活)
トルコ半周の旅も、そろそろ退屈になって来た。なにしろ国土は広い。B社製の観光バスは快適だが、窓外に広がるのは、変化のない草原のような景色ばかり。いや、草原ではなくて、実は見渡す限りの農場なのだが・・・。それが何時間も続く。あくびが出ても当然だろう。その退屈さを吹き飛ばしたのは、誰かがクルド人の現状について質問し、ガイドのGさんが、「私もクルド人です」と言ってからだ。
普通の日本人である(と思っている)私でさえ、クルドの名はときどき耳にするし、イラク戦争のせいで大変らしいと、漠然と考えている。でも実のところは、ほとんど何も知らないにひとしい。淡々と観光案内をしていた彼は、急に身を乗り出して、熱っぽく語り始めた。トルコも多民族国家だけれど、とくにクルド人だからといって、偏見やいじめなどということは、「全くありません。ノー・プロブレム!」 Gさんは、きっぱりと言い切った。それからは、オスマン・トルコからアタチュルクから、この国がどう素晴らしいかを、しゃべり続けた。政府職員(通訳・観光ガイドの身分は観光省所属)であることを割り引いても、彼の話の大半は納得し理解出来た。
それにしても、三十代半ば、日本大好きの彼を、これほどまでの愛国者にしているものは、いったい何だろうか。長い話の後半から、相変わらず変化の少ない外の景色を眺めながら、新たな疑問を心の中で反芻していた。
=編集部注=乾さんは、公務員を退職されて二年目。単身参加です。
ET30