米、対イラン圧力路線へ=対話期限迫り、緊張高まる
【ワシントン時事】オバマ米政権の対イラン交渉期限が年末に迫る中、イランがイスラエルを射程に入れた改良型ミサイルの試射を行うなど、強硬姿勢を鮮明にしている。イランが核兵器の起爆装置を開発中であることを示す極秘資料の存在も伝えられ、対話を重視してきたオバマ政権も、いよいよ圧力路線にかじを切り始めている。
イランは先に、国際原子力機関(IAEA)による低濃縮ウランの国外加工構想を拒絶し、新たなウラン濃縮施設10カ所の建設計画を発表。国際社会との対決姿勢を強めた。16日には米国の対話呼び掛けを突っぱねるかのように、ミサイル試射を強行。国際社会の反発も高まっている。
クリントン国務長官は14日、「われわれの対話呼び掛けがイランの前向きな反応をほとんど引き出さなかったことに疑いはない」と指摘。「追加的な圧力」の必要性に言及し、制裁を模索する方針を示した。米政府は対話期限が切れる年明けにも、国連安保理で追加制裁の協議を求めるとみられる。
また、米下院は15日、イランに石油精製品を輸出・輸送する企業や同国の石油精製施設の増産を支援した企業への制裁を定めた経済制裁強化法案を圧倒的多数で承認。イラン政策の転換を求める議会の圧力も強まっている。(2009/12/17-18:12)