韓国版モーゼの奇跡として有名な珍島の島渡りは、日本でも海が割れるのよの歌でよく知られ
る様になった。
春と秋、年に2回程の大潮の日に海が割れる。
春には5月のはじめこの奇跡はやってくる。
大潮の日に合わせ、龍登祝祭と言う祭りが執り行われる。
村人だけではなく、国中や外国からも大勢の人々が押し寄せる。
大概は泊り込みで、朝から祭りに浮かれながら海が割れるのを待ち受ける。
やがて潮が引き始めると、人々は待ちきれない様に膝上にもなる海中に入り一斉に渡り出す。
遠くの島までは小一時間、往復で2時間の道のりである。
大概の人は途中であきらめて引き返すが、頑張り屋は島にたどり着いて休む間も無く引き返す
こともある。
潮の具合によっては、途中で潮が来てしまい、救命艇に助け上げられるハメになる。
珍島には天然記念物のめずらしい犬がいる。
珍島だけにしかいない珍島犬である。
当初は、島外持ち出し禁止の動物であったが、いつの日か、旅人がワイロをつかって、子犬を
懐に入れて持ち出したのがきっかけで、国中に広まったそうである。