フォト&クラフト工房Gorou's (写真、カメラ、万年筆、腕時計、etc.)

写真、特に沖縄の・・・ カメラ、万年筆、腕時計など蒐集、修理復活などなど・・・写真と物の世界に嵌っています。

ウィットナースモールセコンド腕時計

2019-11-18 22:41:39 | 腕時計

ウィットナー(WITTNAUER)スモールセコンド

 ウィットナーのスクエアー手巻きスモールセコンドです。

 文字盤に腐蝕、汚れがあって、ベルトも古いもので剥がれがあります。ゴム糊で補修します。

 

 ベルトはオメガです。尾錠はごく普通の形です。オメガのマークはありません。古いタイプのものなのでしょう。

 ベルトは油切れで白くカサカサになっていました。野球のグローブなどに使うオイルを塗り込みます。軟らかくしっとりして、こげ茶色が濃くなってきました。何回か塗り込んで、油を浸み込ませます。

 受板はセパレートタイプで古いものです。一体型の受板だと、4番、3番、2番は入るのですが最後のガンギ車がなかなか入りません。その点輪列は、セパレートタイプの方がだんぜん組み上げやすいです。
 テンプはスムースに振れるのですが、すぐに止まってしまいます。テンプ、ガンギ車を中心に洗浄します。しっかり動き出しました。テンプのヒゲゼンマイも、大丈夫です。
 この当時(1940年代~位)の時計は、ゼンマイ切れや落下させて歯車の芯、特に折れやすいのは天真(テンプ)です。それが無ければ、ほとんど復活します。

 以前、時計の修理を始めたころテンプがグラグラして振れない時計で、受板を外して何回も入れ直したのですが上手セットできません。結局諦めて放置してしまったのですが、これは天真の先端部が折れていたのですね。この場合は天真を交換するしかありません。地板側の軸受け穴は、非常に小さくてピンポイントでセットしなければなりませんが、受板側ロート上に穴が作られている場合がありますので輪列を組む場合、まず地板側の穴にしっかり軸を入れることが必要です。

 

 文字盤、スモールセコンドの箇所の汚れが気になったのでレンズクリーニング液で落とします。塗装が腐蝕しているようで、あまりきれいになりません。でも、少しはましになったかな?

 

 ウィットナー( Wittnauer Watch Co. )は、かつて存在したアメリカの時計輸入業の企業・時計メーカーで現在はブローバのブランドのひとつになっています。
 1880年(明治13年)、スイスからドイツ系スイス人移民のアルバート・ウィットナーが義弟とともに創業しました。アガシズ(Agassiz)、アンジェラス、オーデマ・ピゲ、ロンジン、トーション(Touchon)等のスイス時計を輸入しました。アメリカが輸入時計に高い関税を課したため、後には、エボーシュ(半完成品の機械)をスイスから輸入し、アメリカ国内で組立て、自社ブランドのケースに入れて販売するようになりました。エボーシュを供給したメーカーがレビュートーメン(Revue-Thommen)だったため、「Wittnauer Revue」というブランド銘が文字盤に表記されているものがあります。(以上出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia))

 この時計の文字盤、スモールセコンドの上にも「REVUE」の文字があります。文字盤の一番下には「SWISS」と書かれていていますが、ムーブメントの受板には「Witnauer」と刻印があります。単なるアッセンブルではなく、ケース以外に部品も一部作っていたのでしょうか。
 ベルトもオメガだし、ちょっと変わった経歴の時計ですね。ワニ革でサイド(表面だけワニ革)だけではなく表はワニ、裏は牛革のそれぞれ一枚革を貼り合わせて作られています。

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今年も干し柿作りました

2019-11-08 20:23:59 | 日記

今年も「干し柿」仕込みました

今年は知り合いから、干し柿用の渋柿をいただきました。大きい!

 縦長の吊るし柿、渋柿です。大きい!見事な柿です。

 

 干し柿は、渋柿でないと甘くなりません。45度の焼酎にへたの部分だけちょっと漬けておきます。

 柿は先の部分を少し残して、皮をむきます。ただし今回いただいたカキは、ヘタの部分の枝が切り落とされて、麻縄に縛ってつるすことができません。なので実に竹串を刺して両側から縄でつるすことにしました。
 このまま2週間ほどおくと柔らかいあんぽ柿になり、食べられるようになります。さらに乾燥させると硬く黒くなってまわりには白い粉をふいてきます。甘味が増して、これを薄くスライスして赤ワインに合わせると抜群です! ウィスキーにも合いますね。出来上がりが楽しみです。

 

- 追伸 -

 また柿をもらいました。今年は柿の当たり年wです。いただいた柿は、平べったい富有柿タイプの甘柿です。

 まだ少し黄色くて熟していない物もありますが、柿色に朱くなったものは軟らかくて甘いです。
 これも甘がきだけど皮をむいて、干し柿にしてみます。甘い柿は干し柿にしないのですが、何故かそういわれています。多分、柿渋が干して水分を飛ばすことで甘くなるのでは。しかも平たい柿、普通干し柿は細長いフデガキ、ツルシガキを使いますが、で作ってみます。
 皮をむいた柿は、熱湯に5~10秒ほどくぐらせます。カビなどがつかないように。

 数日前に作ったものは乾燥が進んで、中は軟らかいアンポガキになっています。もう2~3日で食べられますね。今回のものは、白いですね。このくらいものが、硬くて美味しい干し柿になりそうです。
 甘柿の干し柿、どんな感じに仕上がるのか楽しみです。

- 追追伸 -

 何度も同じような画像アップしてすみません。でもだんだん出来上がって来て、それを見てもらいたくてw…

 こんな具合にできてきました。実の中から甘いタレの水分が下につるしてある柿にしたたり落ちて来ています。黒くなってきたものを食べてみたのですが、まだちょっと軟らか過ぎでもう少し干しておく必要があります。

 後から干した甘柿は、まだ硬くて白いままです。これもあと一週間ほどたつと、黒くなって熟してくると思います。 

- ついつい追伸 -

 出来ました・・・のですが、乾燥して硬くならず汁気が抜けません。ちょっと酸っぱくなってきてしまった。干し柿を作るには、ちょっと気温が高すぎ、暑すぎたのかもしれません。でも、十分美味しくいただけます。ちょっと酸っぱいものがありますがw…

 先の部分に水分が溜まって来て、軟らかくなってしまった。もっと干せば硬くなってくるのかも。薄くスライスするのは、難しそう。赤ワインのアテには、ならないかもw…

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カルティエの腕時計、ボルドーの修理その3

2019-11-07 18:25:35 | 腕時計

カルティエ・ボルドーの歯車軸修理

 結局0.8mmの洋白線に0.4mmの穴を開けるので、パイプの厚が0.2mmになってしまって、薄くて側面に穴が開いてしまいました。考えてみれば、そんなに細いパイプを作る必要はない訳で、0.3mmの軸をはめ込んで先端部は0.1mmに削ればイイ訳です。
 径1.0mmの洋白線があったので、改めてこれに0.3mmの穴を開けることにしました。

 しかし0.3mm径の鋼線は、0.3mm径のドリルで開けた孔には入りませんので、0.3mmの穴を0.4mmのハンドドリルで大きくして差し込みます。

 しかしここでまた問題。0.3mmの鋼線を受板の0.1mmの穴に収まるよう、細くしなければなりません。それは、手動の天芯研磨機で細く削り出すつもりだったのですが・・・

 手回し式の天芯研磨機です。天芯(鋼線)を加え込むチャック部と円盤のヤスリ部が右側に付いているハンドルを回すことで、それぞれ逆方向に回転して天芯の先端部を研磨します。この研磨機、やっと出番が来ました。初めて使います。

 しかし、加工しようとしている軸は長さが1.5mm程なので、その先端部の0.5mm程の部分だけを径0.1mmに削り出すことは、無理ムリw もっと長い軸を加工するものですね。
 U~n・・・別な方法を何か考えないと・・・ なかなか上手くいきません。

- 追伸 -

 受け板のjewelにある歯車軸の穴は0.1mm位で、0.3mmの鋼線を天芯研磨機で削りだそうとしたのですが、研磨機のチャックが1.0mm以上位の鉄線しかくわえ込むことができません。0.3mmの鋼線を加工することは、あきらめました。

 0.3mmの鋼線と受け板の穴を比べると、大きな差があります。そもそも0.1mm径の鉄線を作ること自体、非常に難しいと思います。もともとの歯車の加工精度、技術がスゴイ!です。

 歯車の軸の径は0.25mmでした。0.3mmの鋼線と比べると随分違って見えます。この0.25mm径の軸の先端に、0.1mmの突起があった訳です。凄い加工技術です。さすがスイス!

 

 

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