台湾ワン!(Taiwan One!)

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NHK スペシャル「アジアの一等国」を見た感想

2009年07月03日 | お役立ち情報
放送以来、出演した台湾人のほか、日台の友好団体「日本李登輝友の会」、識者などから「一方的だ」と批判の声が上がり、8000人あまりが連名してNHKに1人当たり1万円の損害賠償を求め提訴する事態に発展したNHK スペシャル第一回目、「アジアの一等国」。

リアルタイムでは視聴できなかったが、見た生徒さんが「ショックを受けた」ということで、大変興味を持ち、のち、ほかの生徒さんがYou Tubeで見つけてくれた映像をみた。「なんでそこまで抗議する必要があるの?」というのが、率直な感想。

放送後、台湾人が統治時代の日本をかばおうとする、「普通逆じゃないの?」の事態が生じた背景に、NHKが一方的かつ恣意的に編集した内容を作り上げたということが問題となっている。日本は台湾にもよいことをたくさんしており、一方的に悪いという描き方は納得できないとか、「台湾は反日国」であるかのような間違った印象を植え付けるという意見からだった。

NHKはそれに対して、「番組の趣旨、文脈がある。全要素を平等に個別の番組で伝えねばならないとなると、クリアに物事を申し上げられない」と説明している。

個人的には、NHKの説明にはたいへん納得だ。番組の目的が、日本がいかに帝国の触手を広げていったか、今後の日本はそれに対してどう反省すべきか、にあるなら、結果的に台湾にいいことをもたらした部分が影になり、統治がもたらしたキズをメィンに描くのは当たり前。

ただ、両国間の関係のついて予備知識のない人の為に、最後に「傷つけられた歴史もあったが、日本にとって世界中で一番の友好者」と今の台湾人の日本に対する複雑な感情を一言ふれておけばよかったかな。

こんなこと言って、辛い日本統治時代を生きてきた方々にはたいへん僭越かもしれないが、両者の関係をよく知っているからこそ、NHKがこのたびこんな「反省番組」を制作して「よくやった!」と言ってあげたいし、尊敬の念すら覚えるくらいだ。(そう思うのは自分だけかしら?)

金美齢氏がとあるフォーラムで「もし取材された方々が、本当に日本が嫌いなら、あんなに喜んで日本語で取材を受けたのか?」と発言した。金氏もこの番組の反論者の一人。

でも、思うに、幼少時代受けた教育が日本語教育なら、否応なくそれが母語(第一言語)になるのでは?ましてや、日本からの取材だったら、日本語で受け答えしたほうが絶対的に都合がいいでしょう。

Livedoor「NHK『アジアの一等国』は偏向していると思う?」ののアンケート調査の途中結果、76.6%の人が"yes"を選び、つまり4人に3人が偏向だと認識している。男女別で見ると、男性74.3%、女性が100%の結果。ちなみに、わたしは迷わず"no"を選んだ。

最後、思ったことはもう一つ。もし台湾が戦後に中国に返還されず、沖縄と同じように日本の領地のままでいったら、いまはどうなっているんだろう。(仮想)日本の最西南端の島「台湾県」に生まれた自分が、どんな人生を歩んだんだろう?


You Tube「アジアの一等国」。全7パート。残りの6パートはYou Tube画面の下部からクリックして視聴してください。




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コメント (7)
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