大阪水曜ほっと集談会一世です。
昨日書店で明念倫子氏の「強迫神経症の世界を生きて」という本を買いました。
副題に私がつかんだ森田療法とあります。
普通の書店にこのような書籍が並んでいることに小さな幸せを感じた次第です。
以前からどうしても読みたいと思いながらなかなか手に入れることができませんでした。
予想通り五感への信頼や反対観念など体験者にしか表現できないとても緻密でありながら本質的な問題に迫る素晴らしい本です。
精神の拮抗作用にフォーカスされたところが強迫観念の体験者としては、共感出来ると思いました。
最後のエピローグの「神経症を超えて」という項目の中でこう述べられています。
※そうなのだ人間というものは気がかりな自分を異物化することによってかろうじて自己の本質をつかむことができるという生き物なのだろう。
心の傷は癒してはならない。
若い時の心の傷は癒されていなかった。
しかし今それがエネルギーに転換しこんこんと湧いてくるではないか。
心の傷がエネルギーとなって湧いてくる。
そうだその時まで待っていればよかったのだ。※
なんという大らかで高らかなメッセージであろうか!
かつて雑念恐怖や読書恐怖で苦しんだ私が今、読書が最高の喜びであり、ふつふつとどこからともなく湧いてくる雑念がこのようなブログを書かせてくれる。
美しい真珠も異物を包み込むことで形成されると聞き及ぶ。
雑念が次から次へと湧いてくるとらわれも、私自身の大切な資質の一部であったということであろうか!
2023.3.13 一世
※明念倫子氏 白揚社
※強迫神経症の世界を生きてより抜粋