大阪水曜ほっと集談会一世です。
今日のタイトルは発見会顧問であられる山中和己氏の書かれた「そのままのあなたですべてよし」よりいただきました。
この「そのままのあなたですべてよし」には神経質者にとって宝石のような言葉が散りばめられています。
その一端を紹介したいと思います。
神経質者は理知的であり自己内省性に長けている、言い換えれば自己観察が鋭い性格と言える。
それゆえにひとたびとらわれ始めると不安や恐怖が雪だるま式に膨れ上がり生活そのものを脅かす場合もありますね。
僭越ですが、私が森田博士の神経質学説でもっとも注目するのは、初めから病気であるという認識を排除している点です。
治すのではなく、神経質性格のプラス面を活かしさらにこれを生の欲望という生きるエネルギーに転化させた点であると思います。
以下森田博士より、
神経質のとらわれは病気・異常ではない。
主観的なもの。
もともと健康人である。
これは主としてある特殊の気質の人に起こるもので私はこれを神経質と名付けて神経衰弱という病名を否定したのであります。
現代社会に生きる私たちにとって自然な感覚であるこの発想は森田博士の生きられた当時としては画期的でありました。
戦争が暗い影をおとし、現在のコロナよりも数段致死率の高かった腸チフスや赤痢に罹患されております。
不治の病といわれた結核も蔓延し、森田博士49歳の時には関東大震災があり、その禍中においても執筆活動を続けておられたと記されています。
どこまでも神経質にこだわり神経質学説を完成し、神経質者を救いたいという気迫を感じるのです。
またこのような時代であったからこそ※精神療法におけるパラダイムシフトが起こったといえるのかもしれません。
いづれにしても神経質性格に悩むすべての人々に森田療法が届くことをひたすら念じている私です。
2023.3.21 一世
※その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。
パラダイムチェンジともいう。