Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

レジメン

2011-06-22 | 想い・雑感
抗がん剤治療を行う際には
臨床試験で安全性と有効性が示された
薬の使い方というのがある

使用薬剤の種類
使用量
使用回数
使用間隔
その他
決まりごとがある

この決まり事をレジメンと呼ぶ
 (regimen … 処方計画 投薬計画)

抗がん剤治療の研究者や専門家は
このレジメンを守ってこそ効果が出る
ということを強調することがあるが
薬の効き方が人によって随分違うことはよくあること

レジメン通りをめざしても
副作用が強く出れば
そうもいかず
量を減らす 間隔をあける 他のレジメンに変更する 止めちゃう
という選択肢から選ぶことになる


何種類かのレジメンを行ってきたYさんは
腹膜播種で腸管が閉塞し食事ができない状態に
そこで
毎週1回 3週連続点滴 4週目お休み
というレジメンを開始した
ところが白血球がかなり減少するという副作用のため
1回点滴しては1~2週間お休みというくらいにしか抗がん剤を投与できない
つまりレジメン通りには施行不能なのである
それでもお腹の張りが少し減り効いている印象があるので何回か行った

そのうちなんとなく腸管が開通している気配が出てきた
透視をしてみるとなんと全く通らなかった造影剤が
見事下流の小腸まで流れていった
食事再開である

レジメンという基本を押さえつつも
患者の体調に問いかけ
微妙にさじ加減を行う
レジメン通りに行かなくても
患者と医師が協力してあきらめずにやってみる
すると道が開けることもある

ただし効いているという確証があって初めて許されることではある