Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

手の届く範囲

2008-10-31 | 想い・雑感
旅でぶらっと立ち寄り
気に入った店ができることがある
次にその界隈に行く機会があれば
また立ち寄る
実に落ち着く

そのような店には
他にも気に入る人が当然出てくる
人気が出てくる

そうなったときに
それまでの雰囲気を保ってくれる店と
手をいれ大きく変わってしまう店が出てくる

後者の場合
オーナーは良かれと思い
またもっと効率よく儲けようと思い
やっているのだろうが
それが進歩なのか退廃なのかわからぬ
ただがっかりしてしまう場合が多い
嫌気がさし もう訪れることもなくなる

そういう場合は
目や手の届く範囲を超えて手を広げていることが多い

人が相手の仕事であれば
目が届かない
どうしても手が回らない
そして扱いが粗雑になる

飲食店然り
宿然り
そして医療も然り

月明かり

2008-10-29 | 想い・雑感

まだ暗い早朝に
庭で空を見上げると
月明かりに照らされていると感じることがある

昔は夜の街も暗かった
遅くまで明かりのついている場所などは
不夜城などと形容されることもあった

いまや夜でも明るいのが当たり前になった街
月の明るさを感じることもほとんどない
月の光で己が影ができるなんてこと
経験したこともない子供たちも多いだろう

真っ暗と思った夜道も
眼がなれ 眼を凝らすと
月明かりが道をぼんやり示してくれる
暗闇の中でも
しっかり見つめれば光はあるんだ

人生における暗闇でも
逃げずに眼を見開けば
きっとどこかに光が 明るさが 希望が あるはず

「月明かり行路」というタイトルのブログを見て
ふと思ったことでした

想った時に

2008-10-27 | 想い・雑感
早期胃癌の中には
局所切除で根治できるくらいのものもある
そのようなものは
癌 といっても致死的なものではなく
治る病気である

しかしやはり癌という言葉には強い力があるようだ
Gさんに見つかった癌は
99%根治(人になかなか100%とは言えない)するであろうものだが
その娘さんたちへ与えた衝撃は大きかったようで
遠方に住み仕事をしている娘さんは
100ccのバイクで帰省してきた
バイクのほうが小回りが利き
心置きなく看病ができるとの想いかららしい

私が病室を訪れたときには
いつも甲斐甲斐しく動かれている

癌を患うのはいやなことだが
改めて親子の関係を確認しあえるという意味で
ありがたいことでもあるのかもしれない

そしてこの娘さんのように
親への思いを行動で表すことが大切だと思う
それは親にとっても 子にとっても 
今後に大きなお土産を残してくれることになる

人生は想ったことで量られるというより
いかに行動したかによって形作られるもの

もし親のことを思い出し何かしてあげたいと思うことがあれば
思ったときに行動したほうが良い
電話 手紙 帰郷 などなど
あとで・・・と考えていたら 時は待ってくれない

体重

2008-10-25 | 想い・雑感
今年の4月から7月まで
雨が降らなければ自転車で通勤した
夜甘いものを食べないようにしたこととの相乗効果か
体重が8~9Kg落ちた
8月からは少し楽をして
バイク通勤に変更して現在に至るが
その後体重は変化していない

片道30~40分の自転車がそれほどカロリーを消費するわけないのに
体重減少は不思議だった

昨日若干飲酒をして
久しぶりに自転車で帰った(すみません)
そして今朝は自転車で職場へ

自転車をこいでいると
どうも体の奥底の筋肉を使っているような感覚がある
自転車こぎは腸腰筋を知らないうちに鍛えているのかもしれない
それで基礎代謝が上がり
体重が落ちたというのなら納得がいく

からだの燃費が悪くなったとも言えますが

本当の自分?

2008-10-23 | 想い・雑感
医学部の学生には解剖実習がある
死後血管内にホルマリンや石灰酸を含む保存液を注入された体は
赤味を失いほとんど弾力のない硬い物体となる

実習では
その硬い体の表面から徐々に深部へと進んでいく
皮膚を取り
神経を探り
筋肉の走行を見る

実習が終わり近くになると
頭蓋骨を開け
脳の解剖を学ぶ
実習が終了したとき
何がわかっているかというと
あくまで人体の3D構造や組織 臓器間のつながりなどであり
ご遺体はいくつもの細片となっている

この御遺体の本当の姿は
細かく見ていってわかるのではなく
結局全部が一緒になった状態が本当の姿という当たり前の事実に突き当たる

人間の本質が
体をばらばらにして見て行ってもわからないのと同様
自分探しなどと言って
自分を他のすべての関係性を絶った状態で見つめたって
わからないのだろう

私たちは
住んでいるところ
飲食物
着るもの
親 親戚 知人友人 
仕事などなど
多くの関係性の中にあって始めて自分であり
どんな社会に身を置くかによって
違う人間になったりするわけである

関連を無視したエゴイスティックな主張は
結局自分に対する刃となる可能性がある

塀の中から

2008-10-22 | 想い・雑感
大学2年生の半年間
刑務所の塀横の家に間借りしていた

その刑務所は初犯で比較的軽い罪の人が入っていたようで
時に看視官に前後を挟まれ
囚人が塀横の溝掃除をしていた

塀の中の健康管理がどのように行われているかはよく知らないが
刑務所には医務室があるようで
現在の勤務先にも
時折患者さんが紹介されてくる
そんなときには
鎖に繋がれた囚人を4人くらいで警護して連れてくる

先日他県の刑務所からの紹介状を携えて患者さんがやって来た
その方は交通刑務所というから
交通事故か何かのひどいのをやってしまったのだろう
警察官と一緒に来ると思っていたら
奥さんと二人でやって来た

「半年くらいの刑期途中で体調不良を訴えた
しかし一月くらいはそのまま服務させられていた」と本人談
いよいよきついとのことで
検査を行ったところ
進行胃癌が見つかった
それも肝臓やリンパ節に転移がある進行癌
交通刑務所に移送しても
手術待ちが半年とのことで
刑期半ばに出所が認められることになったそうだ

「どうせ短い命だから好きにしろと放り出されたんだろう」
と本人は言う
まあそんなものかも知れないが詳細はわからない

直ちに抗がん剤の内服を開始し
徐々に検査をしていくことにした

おそらく収監される2年くらい前でも
内視鏡検査をすれば病変があったであろうと思われる
塀の中に居たから診断が早くついたのか遅くなったのか
どちらともいえない

捨てばちになる必要はまだないことを強調し
一緒に治療していくことを約束して
入院予約をしていただいた

さてどうなりますか

輝いている 今

2008-10-21 | 想い・雑感
人はなかなか自分の死をイメージできない
またイメージしながら生きているのも気づまり
頭ではいつか…ということは分かっているのだが
いつ どのようになんて誰にもわからない

癌末期の方は
それが比較的近いことはわかる
でも私が週単位で最後の日を考えている時でも
月単位 年単位で生きている自分を描いていることが多い
そんなものだろうと思う
私もきっとそうだろうと思う

いよいよ体が動かせず
排泄はもちろん
寝返りすらできなくなり
時に意識が遠のき
息が苦しくなる

そういう時になって
人はようやく時が来たと感じることができる

その時
思いは来し方を向いているのだろうか

そしてかつてあった
当り前の日常を懐かしく
できれば戻りたいという感情とともに
思い出すのだろうか

今を生きている私たちには
いろいろなことを感じ 考え 悩み
時には逃げ出したくなることもある

でもそんな日々がいつか
輝いて感じられる日が来るのであれば
実際 今 という瞬間は輝いているのではないだろうか

個々の世界

2008-10-20 | 想い・雑感
私たちは 
様々な感覚を通して
外の世界を認識している

個人にとっては
認識した世界が真実の世界となる

結果
一人ひとり
違う世界を真実の世界と信じていることになる

同じものを見て
全く違う感想を持つ人を見て
愕然とすることがあるが
違って当たり前ということを前提として
人と接し 対話し 歩む必要がある

のぞみ

2008-10-15 | 想い・雑感
庭に出ると
金木犀の香りが漂ってくる

夜空を見上げると
透き通った空気に
月が浮かんでいる

秋を感じ
 自然を感じる

少し体を動かせば
身近に自然を感じることができるなんて
私たちにとっては当たり前と感じること

でも命の灯火が尽きかけ
自身の体すら思うに任せぬ方にとって
ほんの少し自然を感じることすら
ささやかだが
 大きな望みに なる

憩室出血

2008-10-14 | 医療・病気・いのち
胃がんのために胃全摘を行ったSさん
ステージⅢBの進行癌であったが
無事6年が過ぎた

ある日突然の下血
それも真っ赤な血が便器いっぱいに広がること2回
2回目にはもう
「おれの人生も終わりだ」と思うと同時に
便器に広がる血を集めて飲めば助かるのではないかと思い
そうしたい気持ちにまでなったとのこと

生命にかかわる危機というのは
人を追い詰めるものであるとの緊迫感が
伝わる話である

ちなみにSさんの出血は
大腸の憩室出血であった

大腸の壁の一部が弱くなり
そこが外に膨らんだ状態を憩室といい
そこに炎症を起こせば憩室炎
ひどくなり破れれば憩室穿孔から腹膜炎
出血を起こせば憩室出血

憩室を持っている人は大勢いるが
どの憩室がいつどうなるかなんて
神のみぞ知る
いや神にとっても
知ったことではないかもしれない

憩室があっても多くの場合何も起こらないが
もし検査で憩室と言われたら
一応おなかのどの場所あたりにあるか聞いて記憶しておいたほうがよい
そしてそのあたりが痛みだしたら
憩室炎?と疑ってみたほうが良い

流れ

2008-10-13 | 想い・雑感
バサバサと葉が落ちる
茶色くなった葉が落ちる
垣根や広場の隅に吹き溜まる

深まりゆく秋を
幹と枝を露わにしていく桜樹が
はっきり教えてくれる

冬の間樹皮をさらしたら
春にはまた暖かな桜色を見せてくれる

一年 また一年と
ゆっくり 大きく 時を刻む

これからも繰り返されることであろう営み
あと何回見ることができるのだろう

見ることの叶わなくなったあとも
どこまでも繰り返される営みを考えると
いつか永遠の時の流れへと入りゆく

日々是新

2008-10-11 | 想い・雑感
どんなことでも
慣れることによって
効率的になり 精度が上がり ストレスが少なくなる
という面がある一方で
隙ができ 失敗をしでかし 緊張感がなくなる
という面がある

私にとって
病院は職場だし
手術は仕事の一つだ
経験を積み慣れることが必要な場だ
そして慣れすぎることを排除することも必要な場だ

慣れることが求められるとともに
その時々を
新たなる時ととらえることが求められる

これは人生において
日々を新たなるものととらえ
輝きながら 輝きを感じながら
生きていけるかどうかにもつながる

残り時間

2008-10-10 | 想い・雑感
試験をうける
ただひたすら問題を解く
そのうち
残り時間が気になり始める

生きている
様々な問題を懸命に解く
でも
ある年齢に達してから
人生の残り時間が気になりだす

今の私の基本的視点は
現在から未来に向かっているのだが
ときに死から現在をみる位置に立つようになってきた

その時がいつやってくるかは今のところわからないが
確実にやってくるその時を
意識するようになってきた

今が
今日という日が
輝きだした

香辛料

2008-10-09 | 医療・病気・いのち
「香辛料はあまり使いすぎないでくださいね」

胃の手術を受けた方が退院していくとき
食事指導を行う
主として栄養士に指導をしてもらうが
基本は消化管にあまり負担をかけないような食事をするということ

そこで香辛料の使いすぎも控えていただくことになる
ただカレー好きの私としては
控えめにという表現以上はできない
そして最後には
慣れてくれば食べられるものは何を食べてもかまいません
ただゆっくりとよくかんで召し上がってください
などとある意味栄養士の指導をないがしろにするような発言をすることになる

同じように手術をしても
術後に食べられる量や食事の種類は人により違う
ご本人が食べることができるものであれば
食べればよいのである
食べると調子が悪くなるものは
ご本人が一番よくわかる

生きていくのは
当然ながら
患者さん自身ですから
私たちが出すぎたまねをする必要はないだろう
必要とされたときに
あるいは注意が必要と思ったときに
出て行けばよいのである

あま~い

2008-10-08 | 想い・雑感
今年も我が家のぶどうを収穫し
ジュースを造った

グツグツ煮込むこと1時間
砂糖など何も加えないが
若干の水分は追加しつつ加熱する

あとはざるで一回濾した後
もう一度布巾などを使って濾し取る

冷水で冷やしたあとビンに移して冷蔵庫へ
その甘さに驚く
まさに100%葡萄ジュース

ぶどうの木は大きな葉をつける
盛夏の頃には日差しから守ってくれる
その葉がばさばさと落ち始める頃
ぶどうが熟してきている

甘いものがすきなのは人間だけではない
蜂も大好き
ぶどうが色づく頃には
あしなが蜂や熊蜂がどこからかやってくる
収穫の時にはホースで水をかけ
蜂を追い払いながらの争奪戦

どなたか蜂を寄せ付けない方法ご存じないでしょうか
房ができるころ袋をかぶせるとよいのかもしれないけれど
どうも面倒
そこまでやるくらいなら
蜂さんにもおすそ分け