Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

降雪

2007-02-28 | 想い・雑感
国立大学に一期校 二期校があったころ
一期校の入学試験は3月3日ころを中心にして
行われていたと記憶している

2月の下旬に一旦寒さが緩んでいても
一期校の試験日頃は
よく雪が降っており
雪のために試験開始が遅れたというようなことが
ニュースになっていた

今年の天気を見ていると
どうも これからそう寒くなることもなく
このまま 春になってしまいそうだ
なんだか同じ日本に住んでいるのが信じられない気分だ

今の若者が中年になる頃
私がいま感じる以上の
天候の変化を感じることになるのであろうか

うーん
とりあえずいらない電気を消そう…

radiation

2007-02-28 | 医療・病気・いのち

食道の上皮は扁平上皮に覆われているので
そこから発生する悪性腫瘍は多くの場合
扁平上皮癌と呼ばれるものである

これは胃癌や大腸癌にできる腺癌に比べて
放射線治療が効く場合が多い

ところが時には効き過ぎて
食道に穴が開いたり(穿孔)
大出血を起こして命に関わる自体になることもある

食道癌に対する治療として
手術を選ぶか 放射線治療を選ぶか迷ったとき
放射線治療のほうがずっと安全と思っている人がいるが
治療途中でおもわぬ経過を取る場合があることも
理解しておく必要がある


遺伝子の運びや

2007-02-27 | 医療・病気・いのち
私たちの体を構成する細胞のどれかは
毎日のように入れ替わっている

ということは
体の中で
毎日のように
死んでいく細胞があるということ

現代日本で私たちは
日常から死を引き離した生活を送っているが

実は
体は 毎日死を経験している
死の上に成り立っている

そして体を構成している
細胞集団の中で
生命維持に耐えられない部分が出てくると
その個体は 死期が迫ってきていることとなる

その個体を離れて生き残るのは
子供である

精子や卵子の生殖細胞も
有限なる個体から形成されたものだが
お互いが出会い
新たなる生を結ぶ
そして微妙に変化する
遺伝子をつなぐ
ある意味 生殖細胞は死なないのである

すべての生物は
遺伝子を運ぶためにある
という考え方は何かむなしさを感じるが
説得力がある

命脈

2007-02-26 | 医療・病気・いのち
脂質の膜に包まれ
太古の海を漂っていた
遺伝子のひも

複製を繰り返し
変異の中から進化をもたらし

奇跡的に命脈を保ち
今の私達につながる
これからも悠久の未来へとつながっていく

なんと有り難いことだろう
なんと得難き命だろう

虚構

2007-02-24 | 想い・雑感
 鹿児島で起きたとされた2003年の選挙違反事件は、警察及び検察がでっち上げたものだとの判決がでた。去年、この事件が作り上げられたものではないかとの主張をする報道番組をみた記憶があったので、やはりそうであったかと恐ろしくなった。
 火のない所に煙は立たないと言われるが、身に覚えのないことで人にあらぬ疑いをかけられた経験を持っている人は多いだろう。故意に火があるように見せるような悪意の人もいるかもしれない。しかしこれを警察や検察という強権力のある組織が行うようでは、国民は安心して生活できない。治安維持法下の国家権力が国民を締め上げた構図と重なって見える。
 ところで、今回の事件に限らず、新聞の裁判報道において、無罪を勝ち得た被告の写真が掲載されることが多い。それはそれで良いのだが、被告の無罪が認められると言うことは、原告の誤りが裁かれたとも言えるわけである。今回の事件ほどでっち上げが明らかならば、その責任の所在である警察や検察の現場指揮者を報道される前面に立たせるべきではないだろうか。罪深い組織があるということを報道するだけでなく、その組織内の個の責任も問う必要があるのではないだろうか。被告ばかりが丸裸の個として取り扱われるのは、いささか不公平の感がある。
 

メッキ

2007-02-23 | 想い・雑感
紀元前1500年頃にはメソポタミア地方では
すでにメッキが行われていたそうだ
メッキというのは電気分解を利用するものなので
そのころには既に電気を発生するものがあったと言うことだろう
実際今から2000年前に使われていたと思われる電池は見つかっているらしい

その電池はお酢や素焼きのツボなどを使ったものらしいが
物理学も何もない時代にそのようなものを作り出せたということは
よほど現象をしっかり見つめていたということであろう

電池に限らず
食品保存
建築物
運搬手段 その他
大昔の人達が どうしてこんなことができたのだろうと驚かされることは多い

実際の体験の中から積み重ねた
生きた知識を集積していった結果なのだろう

私たちは 多くの科学的知識を得ることのできる環境にいるが
頭でわかったつもりで体で納得するということが少ない
それでは役に立たないことも多いだろう
頭だけで考えるのではなく
全身でわかる という姿勢が大切なのかもしれない

そういえば
表面を飾った知識だけで 何かの拍子にぼろが出ることを
メッキが剥げると言いますね

巡る

2007-02-22 | 想い・雑感
昨年の夏過ぎに植えたチューリップの球根
2月のはじめまで
全く動く気配がなかったが
ここに来てひょっこり芽を出し始めた

庭の梅の花がほころびはじめた
今朝初めて気づいた
ほーお
と思っていたら
突然ウグイスが2羽飛んできて
その枝に止まった
これが鶯色かあ
と実に納得できた一瞬であった

暖冬と騒がれながらも
やはり季節は巡っている
すでに休眠打破が起こっているなら
今年は桜の開花も早いかもしれませんね 

何事にも
時期が巡ってくることが
必要なのでしょうね

情報の海

2007-02-20 | 想い・雑感
インターネットでいろいろ調べている患者さんが増えた
その能動的姿勢は重要だと思う
しかし そこで手に入るのは あくまで情報

その情報を利用する際は
情報発信者はだれ(どこ)か
その情報を出す意図は何か
信憑性はあるのか
自分に役に立つ 利用できるものなのか
いつ発信されたものか(情報は変化していく!)
などということは最低意識する必要がある


そして情報をうまく利用できるかどうかは
自分なりに知識体系を構築できているかどうかだと思う
知識を身につけるには努力が必要
しかしインターネットという情報の海の中を漂っていても
そう身につくものではない
自分の知りたいことをある程度まとめてくれている本を数冊読むのがよい

健康に関する情報を鵜呑みにしたことにより
健康被害を受けることがある
売らんかなの情報発信が許せないのは当然だが
その情報に飛びつく前に少し立ち止まって考えてほしい

藁をもつかむという気持ちといわれても
藁と見せかけて錘を持たせるような情報も多いわけだから
身を守るには 勉強して知識を身につけるしかない

2007-02-19 | 想い・雑感
日の出前の川沿いの国道を
家路について車を走らせた

霧が濃く
フォグランプをつけても
普段より随分と見える範囲が狭い

霧の濃さは次々と変化し
視界も大きく変わる

人生行路でも
視界がよかったり 悪かったり

しかし運転席に座っている
今に集中するしかない

その時々の変化を
自分の経験や知識で判断しつつ
進んでいくしかない

進むのが危なければ
とまればよい

ただ 立ち止まるのには
勇気がいる

心筋梗塞

2007-02-16 | 想い・雑感
同級生と会えば
ともにすごした時間へと
一気に帰ることができる

同級生の訃報を聞くと
厳然たる時の経過を
認識せざるを得ない

同級生の女性が
心筋梗塞で急逝したとの連絡を受けた

心筋梗塞は男性に多い
そして男性は60歳代に
女性は70歳代に発症のピークがある
女性でしかも40代での心筋梗塞は少ない

まだまだこれからしたいこともあっただろうに
多くの心労を溜め込んでいたのだろうか
恐らく発作の直前まで
すぐそこに自分の死が迫っているなんて思っても見なかっただろう

やはりショックである

彼女のご冥福を祈るとともに
「残る桜も 散る桜」
という事実を改めて噛み締め
今を大切に
そして穏やかに しなやかに
生きていきたい


恒常性

2007-02-15 | 想い・雑感
私たちは
長い生命の歴史の中で
自然の変化に対応し
恒常性を維持する術を 能力を
遺伝子の中に刷り込んできた

今私たちを取り巻く環境は
いわゆる自然から大きくかけ離れ
純粋に身体への負荷が大きく掛かると言うよりも
心への負担が大きく掛かっているように思われ
遺伝子に刷り込まれたものでは
対応が難しくなっているのかもしれない

社会が押しつける価値観のもと
競争を迫られ
結果を求められる

そんな中で自分を護るためには
周りを変えようともがくよりも
自分が周りをどうとらえるか
そのとらえ方をコントロールしていくことが大切なのだろうと思う

何があっても
淡々と生き
しかも
心は柔らかく流れている

そんな風に生きたいものだ

あきらめない

2007-02-14 | 医療・病気・いのち
病気でベッド上にいる時間が長くなると
すぐに筋力の低下が起こる
それを防ぐためには
なるべく体を動かすことである

手術後なども
なるべく早く歩き始めてもらうこととなる

お年寄りなどが
骨折を契機に寝たきりになるようなことが良くあるようだが
ベッド上にじっとしていることにより
筋力が落ちるとともに
刺激のない毎日で
急に認知症が進むと言うこともある

「他院に入院していて
じっとしていて食欲はなくなり
ぼけも出てきちゃったので何とかして」
とのことでおあずかりした方がいる

こちらは手術をする方をうけいれる役回りなのだが
わざわざ私を選んでくださったので
お引き受けすることとした

入院されたときには
ほとんどこちらの問いかけに反応せず
食事は取らず
肺炎もある高齢者(80歳を超えている)
ということで見るからに風前の灯火という印象であった

しかし
肺炎の治療をし
点滴で栄養補給を行いつつ
少しずつ口から食べるリハビリをする内に
改善してきた
無理だろうと諦めずに本当に良かった
我々医療者は諦めずに治療を行うことにより
なんとかなった経験をいくつも持っている
医療費のことを言われても
なかなか途中では止められない

ある朝ベッドに行くと
ほとんどしゃべれなかったその方が
「だいぶ、良くなった」
と教えてくれた

作用 反作用

2007-02-13 | 想い・雑感
作用と反作用
この言葉を最初に習うのは
恐らく中学の理科の時間

ある物体に力を加えると
同じ力で物体から力が戻ってくる

例えば私たちが壁を押せば
壁は同じ力で私たちを押し返すというもの

人と人との関係でも同じことが言えるのかもしれない

会えるときに

2007-02-13 | 医療・病気・いのち
胃癌の再発で
肝臓や脳に多発転移巣が出現した方

病院嫌いで
なかなか入院なんてしてくれそうにない方が
体調が悪いと
ご自分から入院を希望された

普通に歩いて入院されてきたのだが
かなり急に全身状態が悪化してきた

遠方にいるお子さんがちょうど忙しい時期と
その方の奥さんは言われるのだが

時間ができてといっていては
間に合わない可能性が高い
少しでも時間を見つけて
会っておかないと
心が残るかもしれない

と申し上げた

お子さんは
何とか時間を見つけて帰省し
数時間でまた戻って行かれたが

その方はお子さんを見て
「ありがとう」
と言われたとのこと

その2日後に永眠された