Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

心の準備

2008-12-27 | 想い・雑感
約10ヶ月前
腹膜播種 多発性リンパ節転移
を伴なう末期胃癌の状態で外来に来られたNさん
10年前なら1~2ヶ月の時間しか残されていない状態

直ちに抗がん剤治療を開始
ぐぐっと腫瘍マーカーが下がり体調も改善
しかし一時的なもの

治療方法を変えていき
なんとかこれまで命を保ってきたが
いよいよ最後が近づいてきた

次第にベッドから離れることはなくなり
笑顔に力がなくなり
声は小さくなってくる

それでも先日開かれた
院内クリスマスコンサートには
車椅子をご主人に押してもらい参加
約1時間
部屋に戻ることもなく楽しまれた

最初来られたとき
何かできることは無いかと
右往左往していた家族も
次第に現実を受け入れてこられたのか
ご本人同様穏やかな表情になってきた

別れには心の準備が必要なこと
それには当然ある程度の時間が必要なこと
そして抗がん剤によって獲得できたと思われる
数ヶ月の時間がとても大切なものであること
などを改めて感じた

Nさんの尿量が減ってきた・・・

細菌点滴

2008-12-25 | 想い・雑感
.注射をされるときには
アルコール綿で針を刺す場所を消毒される
皮膚にいる細菌(常在菌)をやっつけて
体内に細菌を送り込む危険性を下げるためです

刺す針や使用する注射なども当然滅菌済みを使用します

体内に送り込む
薬剤 点滴なども 雑菌が入らないよう
厳重な管理下で生産されています

だから安心して注射を受けることができるのです

ところがその点滴に
スポーツドリンクを混ぜて7~10日放置した水を混入した母親がいるらしい
当然その水の中には多種類の細菌が繁殖していたに違いありません
それを体内に送り込まれた1歳10ヶ月の女児
人為的に敗血症の状態を作り出されながら
よく助かったものです

そして病院側や警察は
よく母親の犯行を
探し当てたものです

いや~な気分になるニュースです

ピザ

2008-12-25 | 想い・雑感
以前蕎麦つくりに凝っている人がテレビに出ていた
新聞に蕎麦つくりの通信教育のような案内も出ていたりしたので
流行っていたのでしょうか
それにしても何でそば?と思っていた

最近ピザつくりにはまっている
強力粉 砂糖 塩 イースト
そこへ少しずつミルクとぬるま湯を加えては捏ねていく

さらさら
さらパラ
パラパラ
パラねと
ねっとり

忘我のひと時
うん 蕎麦つくりにはまる感覚が少しわかる

発酵後に
生地を引き伸ばす

トマトで作った自家製ピザソースをぬり
チーズをのせ
後はそのときの気分でトッピング

レンジで30分
おいしいピザの出来上がり

強い倦怠感

2008-12-22 | 想い・雑感
癌末期の方に対するケアの方法は様々考えられていて
症状を少しでも軽くする努力が払われている
疼痛に対する鎮痛剤使用方法などはかなり確立されている
世の中にはその方法を学ぼうとしない医師も存在するようだが
以前に比べると改善しているのだと信じたい

末期の症状の中で
軽減するのが難しいと感じるのが
全身倦怠感 
なんともいえぬだるさから身の置き場のないような感じに
患者さんは苦しみ 家族もつらい

そんな時にはしばしばステロイドを使用する
ただステロイドは長期連用すると副作用が問題になることがあるので
残された時間が1~2ヶ月くらいかなぁと判断した頃に
全身倦怠感があったり食欲不振があったりすると
使用を開始することが多い

人により効果は大きく異なるが
それで随分体調が良くなることがある
でもそんな場合も
いよいよその日が近づいてくると
取り除きようのない倦怠感が再び襲ってくることになる

これに対する効果的な処方 処置は確立されておらず
苦しみを取り除くには眠っていただく意外方法がなくなる

その方の状態に応じて薬の量を調節し
少し眠気がある程度から
ぐっすり眠ってしまうレベルまでコントロールする

ぐっすりレベルを目指すときは
お話ができなくなる旨を
お伝えする
気の重い説明である

器械代のお支払いはどなた?

2008-12-19 | 想い・雑感
手術に使う道具の中には
感染の危険を考え使い捨て というものがある
しかも高価ときている

手術時間の短縮や
安全性の確保を目的として使用するわけだが
保険がきくものとそうでない物がある
保険請求できるものでも
その器械の値段と同じレベルに設定されているので
病院の利益なんぞにはほとんどならない

よりよい器械を使用できるように払われた
病院や医師の努力なんぞは関係ないということ

一生懸命手術して
単に器械屋さんのために働いているのじゃなかろうか
とじっと手を見る
というような心境にもなる

まだ保険請求できる器械はよいが
請求できない場合は
病院の持ち出しになる

なんかおかしい

そら 病院もつぶれますわ

年年歳歳

2008-12-18 | 想い・雑感
病棟に向かう道すがら
敷地の中を歩いてみる
木々はもはや冬の佇まい
枝先を震わす風が私の頬も冷やしていく

季節はずれるが
年年歳歳花相似たり
という言葉が浮かぶなぁ と考えていると

この春閉校となった看護学校校舎の
取り壊し工事が行われていた
学校入り口近くで
先日まできれいな紅葉を見せ
きれいに散る姿を見せてくれていた樹が
根こそぎ倒されていた

人から見ると長い命を持つ樹
その樹にしてみると
年年歳歳樹相似たり という状況を
来年 再来年と 見せるはずだったろうに
はからずも最後を迎えてしまった
悲しい景色である

人を含め
見慣れた情景との別れは
悲しみを伴なう
しかしいずれ
自分自身がその風景とお別れするときが来る
それがどのような状況か知る術もないが
そのときどのように感じ 想うのだろうか



潤い

2008-12-17 | 想い・雑感
路傍に降り積もった落ち葉の上
自転車を走らせる
他の場所は乾燥しているアスファルトの道で
そこだけはまだ湿り気を帯び
タイヤを濡らす

それほど多くもない落ち葉ですら
かなりの水を蓄える力があることに
改めて驚きを感じる

森林伐採により
木が根こそぎ失われ
山の保水力低下が起きることはよく聞く

きっとそれは細かく広く延びた木の根を失うことに加えて
降り積もる落ち葉から腐葉土になっていく場も奪い
その大きな保水力も削ぎとってしまうことも大きいのだろう

現代文明によって
環境の柔らかな潤いが消えていっているような気がする
そして人の心の潤いも

お正月

2008-12-16 | 想い・雑感
時の流れは途切れることはないのだが
人にとっては
人生というときの流れの中で
区切り というものがある

様々な人生の記念日であったり
季節であったりするわけだが

日本人にとって
お正月というのも大きな区切り

末期であることを
本人 家族 ともに感じている場合
師走を迎える頃によく聞かれるのは

お正月は迎えられますかねぇ?

大丈夫だと思いますよ
とお答えできるときはいいのだが
どうしても返事に詰まるときはある

それでもお正月を家で迎えられるよう
患者さんや家族といっしょに
対策を練ることになる

点滴は?
尿を取るのはどうする?
痛み止めの量は?
急に状態が悪くなったら?

不安に対する対応策を考えた上で
ご本人が最終的に
一時帰宅をするかどうか決断をする

肺炎

2008-12-14 | 医療・病気・いのち
日本人の死因として
癌 虚血性心臓病 脳血管障害
の三つがよくあげられるが
4番目の死因として肺炎が控えていることを知らない人は多い

特に高齢者において肺炎は大きな問題

肺炎の症状としては
咳 痰 発熱などが当然出てきそうだが
あまりそれらの症状が出ないこともあるから恐ろしい

胃がん術後で70台後半の男性
定期健診で来られた時に空咳が3週間続いているという
熱はなく痰も出ない
しかし念のために胸部レントゲン写真を撮った

なんと右肺の半分が白い(肺炎)
すぐに呼吸器内科に連絡し
入院の上治療をしていただいた

それでも3週間の入院が必要であった

肺炎なんて抗生物質ですぐにでも治ると思っている人も多いようですが
なかなか侮れません

調子が悪いなと思ったら
早めの診察を

2008-12-10 | 想い・雑感
今朝 実に珍しく
病院が濃い霧に包まれた
病室の窓から外を見ると
いきなり山間の病院に移動したかのごとき錯角に陥る

霧により見通せない状態というのは
不安感を抱くとともに
幻想的な感覚を持つ

霧の向こうに何が広がるのか
という思いを敷衍させると
死後の世界に繋がるような感覚にも行き着く

死後の世界があるやなしや
それは個々人が信じたいように信じればよいこと
ただ理性ではなしとしながらも
有り としたほうが救われるような感覚を持つのも確か

入院中の患者さんは
霧を見つめ何を思うのだろうか

薄い白衣

2008-12-08 | 想い・雑感
夏を中心に
暖かいうちはケーシー白衣を
寒くなると
カッター ネクタイ 普通の白衣
というのが例年の習慣であったが

感染防御という意味から
手洗いの励行とともに
寒くなってもケーシー白衣と普通の白衣を着るようにした

結果
重ね着ができなくなった
シャツ1枚と
薄い綿の生地を2枚着るだけ
何とか対応を考えないと

寒い

体自体の発熱量も減ってきたのかもしれないが
寒い

病棟への行き来は階段を利用して
少しでも体を動かす努力をしているのですがね

それにしても
冬でも半袖のケーシー白衣だけを着て
平気な顔をしている人間の体は
どうなっているのだ?

批判ご法度・・・社会主義国?

2008-12-07 | 想い・雑感
決断をするときには
基本的に自分が正しいと思うことを選ぶわけだが
その判断が常に正しいとは限らないのは当たり前
だから時に自分の思考を批判的な眼で見つめなおすことが大切
批判とは次のステップに繋がりうる大切な思考

普段の生活の中で
他者から批判されることは
確かに気持ちが良くはないが
そこに大切なヒントがある場合が少なくない

現麻生内閣に対して批判を述べるやつは
自民党から出て行けとは町村氏の弁らしい

議論らしい議論が見えてこず
政策は迷走している状況で
批判という意見を押しつぶそうとするその態度に
民主主義感覚の欠落を感じる

まあ確かに
自分の選挙を考えて
危ない麻生泥舟内閣から距離を置こうとする意味での
批判が見え透いている自民党議員もどうかと思いますけどね

ちなみに
医療の現場でも
批判精神は
とても大切なことが多いです

ホンダがF1撤退!!

2008-12-05 | 想い・雑感
現在私が乗っているバイクはホンダだが
これまで車はトヨタに乗り続けてきた
でも一度はホンダの車に乗ってみたいと思っていた

デザインが斬新だし
F1への参戦や
アシモの開発にかけるスピリットに
感心していたから

ところがF1からの撤退をホンダが表明した
確かにガソリンを消費しながらの車に未来はないのかもしれないが
F1からの撤退は
ホンダが示してきた挑戦する姿勢まで失うような気がして
寂しさを感じる

F1でがんばりながらも
その技術を生かして
石油以外のエネルギーを使用するクルマへの移行を見事に示してくれる
そんなホンダを見たかったなぁ

イチョウ並木

2008-12-05 | 想い・雑感
イチョウが黄色く色づいたと思ったら
並木道に沿って一気に葉を落とし始めた
誰かの号令にあわせているかのごとく
機を一にして葉が舞い始めた

ソメイヨシノがクローンであることは知られているが
並木のイチョウもそうなのでしょうか

黄色に埋められた歩道では
葉を集める人が忙しい