Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

ひとり

2010-01-31 | 想い・雑感
大腸がんで紹介となった50代女性
外来に来られた時にはおなかが張っており
癌による腸閉塞の状態と診断
緊急入院となった

こういう場合
次々にやるべきことを説明し決定していく必要がある
ただご本人は茫然としていることも多いので
身内の方と一緒に説明をさせていただくことにしている

ところが
最近は
独り身であり
さらに親戚や兄弟は遠方に住む
という方が少なくない

紹介されてきた方も独り身
兄弟が近くにはいるらしいが
説明をするなら
会社の人へと言われる

まああくまでご本人のことなので
ご本人にきちっと説明すればよいわけだが
最初に癌と診断された時は
多くの方にとっては青天の霹靂という状態であり
本人が意識するしないは別として
冷静で無くなっていることがほとんど

だから
やはりどなたかと一緒に説明をさせていただきたい

一人で生きることを選択している方
図らずも一人で生活をしている方は
こういう場合どなたに説明を聞いてもらうか
あるいはあくまで一人で説明を聞くか
一度考えておいたほうが良いように思う


座すこともできず

2010-01-29 | 医療・病気・いのち
癌が胸椎に転移し
僅かな触覚は残っているものの
ほぼ下半身麻痺状態の方

一時の危篤状態は脱し二ヶ月

癌により突きつけられた死

その上に 自分の意思が体に伝わらないもどかしさ

主治医ではなく
回診の時にしか接することはないのだが
落ち込んでいたり
いらいらしていたり 

笑顔を見ることは
まずない

麻痺以外の
身体的苦痛は
主治医が十分管理している

家族も交代で付き添っている

ほかに何かできることはないだろうか

この状況
私なら耐えることができるだろうか

癌は大腸のどこに?

2010-01-28 | 医療・病気・いのち
一口に大腸
といっても長いもので
右下腹の盲腸から始まり
上行結腸
横行結腸
下行結腸
S状結腸
そして直腸
とお腹をぐるっと回っている

結腸の長さ
特に横行結腸とS状結腸の長さは個人差が大きいので
内視鏡で調べるときに
肛門からどれくらいの距離に病変があるかということが
必ずしも正確な部位診断には結びつかない

部位診断のずれは
経験豊かな医師でも起こり得るようで
「横行結腸より口側で癌による狭窄あり」
と紹介されてきた方
CTを撮るとS状結腸に腫瘍があった

ちょっとずれすぎのような気もするが
外科医は紹介状を鵜呑みにしてはいけないという例
まあ手術前には診断を一つ一つ確認するので
紹介もとの診断を鵜呑みにせず見直すのは当然ではありますけれど

研ぐ

2010-01-28 | 想い・雑感
包丁を研いだ後
にんじんとたまねぎをみじん切りにしていて
気がついた

飛ばない!

そう
切れない包丁で
みじん切りをしていると
無理に押し切る力が働くため
切ったものがピュンと飛んでバラけるのだが

よく研ぐと
野菜たちは
粛々と切られていくのだ

やはり切れ物は
きちっと切れないとね

手術の際のメスと同様に
切れてこそ
使い手の微妙なコントロールが
いきる

ずっと病院

2010-01-27 | 想い・雑感
精神科を標榜している病院から
大腸癌の方が紹介されてきた

精神遅滞のある方で
両親は小さい頃に亡くなり
昭和30年頃から
ずっとその病院に入院されていたらしい

両側の乳癌の手術を受けた痕があるのだが
それもおそらく30年くらい前のことと思われ
診療録もなく詳細はわからないという

ご本人に年齢を尋ねると
6歳と答えるらしいが
そこへ入院した頃のまま
時間が止まっているのだろうか

様々な
人生がある

穿孔

2010-01-26 | 想い・雑感

独居の90歳女性
近所の方が朝訪ねると
倒れて苦しがっていた
救急車を呼んだところ
胸が苦しいとの訴えから
心筋梗塞疑いとして
総合病院の循環器内科へ運ばれた
検査の結果
消化管穿孔(消化管に穴が開いている)と診断
緊急手術依頼でこちらに転送されてきた

かなりの脱水があったから
食事や水分摂取が出来ない状態が
一日以上持続していたと思われ
近隣の方の発見が
もう半日遅れれば
孤独死となっていた可能性がある

もし自宅で亡くなった状態で発見され
明らかな事件性が無いと判断されれば
今の日本の状況では
司法解剖も去れず
何で亡くなったかわからないままになるのでしょうね

なお
手術の結果は
術前の予想とおり
十二指腸潰瘍の穿孔
手術自体の浸襲はそれほどではないが
腹膜炎自体の体への負担が大きかったと思われ
命を救えるかどうかは
残された体力にかかっている

書き言葉

2010-01-25 | 想い・雑感
書いた文章であるが故に
伝わることもあるが
書き言葉ゆえに
伝わらないこともある

メールをしていても
それを感じることがよくある

また同じ人が同じ文章に出会っても
その人の心の状態によって
受け取り方が大きく変わることもある

ある人が軽い気持ちで送った言葉を
受け手が非常に重く受け止めることだってある

メールにしろ
ツイッターなどにしろ
手軽だからといって
言葉を軽々に使用してはいけない
とあらためて思い 反省する

ツイッター経由のなじり合いから殺人か?
という話まででてくると

http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20100115-00001083-r25&vos=nr25alsaz08071701


先のこと

2010-01-25 | 想い・雑感
先日の日直で
病棟回診をしていると
末期がんの方に相談を受けた

運転免許の更新は
入院中の人間はどうすればよいか
という内容だった

しかしよく聞くと
更新期限は
まだ半年先

すこし
ぼんやりしてきた意識の中に
気になることが時折浮かび上がってくるのだろうが
半年先には
もう免許証は必要ない可能性が高い

だけど
やはり
人は死ぬまで生きている
生きている間は
様々なことを考える
ふと気になることだって出てくる
問題があれば解決しようとする
それでいいのだ

未来を語り
今を生きたい

オーロラ

2010-01-23 | 想い・雑感

オーロラの映像がテレビで流れていた
実際の規模は実感としてわからないが
その動きと色の変化は実に美しく不可思議である

そこに神秘的美しさを見るだけでも
十分なのかもしれないが

地球の外核が
鉄とニッケルを主成分とする流体であり
対流と地球の自転によりそれが流れることにより
気球の磁場が発生し
その磁場が
太陽からの電磁波(太陽風)をさえぎってくれており
だから地球上の生命が生きながらえている

太陽風の一部が地球の極地上で磁場とぶつかり
オーロラとして観測される
オーロラは地球が生命を守ってくれている一つの証である

なんてことをぐだぐだと考えるのも面白い
知ることによって
自分なんて
多くのものに生かされているだけの
ちっぽけなものであることを
これでもかというくらい
思い知らされる

でも
最近
新しいことを知る努力を
あまりしてないなぁ

飲酒過多?

2010-01-22 | 想い・雑感

進行胃癌に対して
胃全摘を行ったOさん
一年後に肝臓に再発し
それも切除
その後再発なく
無事5年が過ぎたので
あとは
近くのホーム ドクターにおまかせ

先日外来診察室にむかう途中
Oさんと会ったのでどうしたかを尋ねると
貧血が随分と進み
私の外来を受診するよう
紹介状をもってこられたとのこと

すぐにCTと内視鏡検査を行ったが
幸い明らかな再発はない

家人の話だと
わけがわからなくなるほど
お酒を飲むとの訴えがあるのだが
ご本人はビール一缶と日本酒1合くらいとおっしゃる
確かにγーGTPは正常だが
さてどちらを信用したものか
印象では若干家人に分があるような気がするが
即断はできない

ただ全摘後なので
貧血の要因として飲酒が関係している可能性は十分ある

癌は治ったけれど

2010-01-22 | 想い・雑感

80代前半で
胃癌に対し胃切除を行ったMさん
術後5年間は
夫妻で支えあうように
外来に来られていた

5年経過後は
かかりつけのお医者さんに
お願いしていた

ある日
院内の栄養ラウンドをしているとき
ラウンド対象としてMさんがあがっていた
90歳になられていた

肺炎を起こしたとのことだが
認知症が進んでいるため
精神科病棟への入院だった

顔の色艶は良いが
寝たきりになったその姿

長生きすれば
いつか行く道かもしれないが
生きることの悲哀を感じる

人の振り見て・・・

2010-01-22 | 想い・雑感
人の振り見て・・・
という格言通り
人の言動をみて批判精神が頭をもたげたとき
よくよく自分を振り返ってみると
根の部分で似たようなことを
自身も行っていることに気づくことが少なくない

舌鋒鋭く批判をする姿は
勇ましく かっこよく 見えたりもするが
鋭い刃は己自身にとっても危険である

昨日の国会では
谷垣総裁の突っ込み不足を指摘する声もあるようだが
己を知る故に
突っ込みきれないだけだと感じる

金銭にまつわる問題はそのまま自民に返っていくだろうし
予算案自体は大元は自民党が作成したものだろうし・・・

内ヘルニア

2010-01-21 | 想い・雑感
腸閉塞ということで
80代の女性が
紹介入院となった

紹介もとの病院で
2週間ほど様子を見たが
改善しなかったらしい

CTを取ると
骨盤の
坐骨孔辺りで
小腸が飛び出しているのが原因と診断できた
いわゆる内ヘルニアの状態だ

先天的 あるいは 後天的に
お腹の中に空隙ができることがある
そこに腸がはまり込み
本来の腹腔から脱出した状態を
内ヘルニアという

それが原因で腸内容が通過できなくなると
腸閉塞を引き起こすし
飛び出した腸管が締め付けられると
腸が腐ることもある

昔はこういう内ヘルニアは
手術するまで診断がつかないことがほとんどであったが
画像検査の進歩で
手術前に診断がつけられうことがふえ
術前に戦略を立てられるようになったのは
患者さんにとっても
医師にとっても
ありがたいことである

ツイッター?

2010-01-21 | 想い・雑感
最近ちょくちょく
ツイッター
という言葉を目にする

新し物好きだった
私だが
やはりすぐ動くほどの若さが失われてきたのか
調べる気にまではならず
聞き流している

ただ短い文章で綴るブログ
という認識で合っているのなら

私向きかもしれない