Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

向き合う

2011-11-30 | 想い・雑感
胃癌の腹膜播種再発で治療を受けている方が
紹介で相談に来られた

年齢30歳前後

人生長さじゃない
とはいえ
やはり説明するほうもつらい

「そのお年で大きな病気と向き合うのも大変ですね。」

「そうですねぇ。同級生が結婚したり、子供ができたり
するのを見てると、つらく感じることもありますね。
でも他の人が経験できないことを経験させてもらっていると
思っています。
 自分を支えてくれる多くの人のためにも、もう少し
頑張りたいと思います。」

・・・

様々なことを考える日々なのだろう
死とつながる病を得るということは
ある意味人生を深めるチャンスなのかもしれない

でもずっと年上の私が
同じ立場になったとき
同じように思索を深めていくことができるだろうか

青年のように発言することができるだろうか

無常

2011-11-29 | 想い・雑感
無常

という言葉

中学の頃にはすでに習っていた言葉

でもその意味にきちっと向き合えているかと問われれば
全く自信がない

無常 ということを受け止めている人は
やはり強いのだろうと思うのだが
どうしても目を背けてしまう

決して逃れることのできない無常から
逃げ出してしまうことで
いつまでも定まらない生き方になってしまう

死を含め
変化が怖くなる

今陽子さん

2011-11-27 | 想い・雑感
ジャズのコンサートに行きました

今陽子さんがゲスト出演しました

還暦というのに
抜群のスタイルと歌唱力

驚きました

テレビで懐かしのメロディーという類の番組を見ていると
声が出なくなっている歌手が引っ張り出されることもあり
痛々しさすら感じることもあるのですが

ピンキー
立派です
不断の精進があるのでしょうね

現役の歌手です

立川談志師匠

2011-11-23 | 想い・雑感
立川談志さんが亡くなった

あくまで
声を出すことにこだわり抜いた最後だったと聞いて

そこに死に様を見る人がいるかもしれないが

これはやはり生き様である

いかに死ぬかをいろいろ考えている人がいると思うが

結局残るのは
生き様
今を 今日を 如何に生きるか
それしかない

と改めて教えられた

恩師の年齢

2011-11-21 | 想い・雑感
小学生や中学生の頃
教師を見ると
随分年上と感じ
50歳は越えているイメージだったけど

同窓会などでお会いしてお話をすると
当時30歳そこそこだったことを知り
大いに驚いたりする

そんなに若かったんだぁ・・・

張り切って
教えてくださっていたのですね

反省

2011-11-18 | 想い・雑感
日本臨床外科学会に参加中
学会に参加するたびに思うが
全国津々浦々の外科医が
それぞれ悩みながら工夫をこらす姿勢に
勇気づけられる

一つのことをとことん突き詰める
ということが若干にがてな小生

改めて背すじを伸ばし
より安全確実な手術をめざしたい

お供え

2011-11-16 | 想い・雑感
電気釜が壊れ
鍋でご飯を炊きはじめて約1ヶ月
ふっくら美味しいご飯が出来るようになりました

また 保温をしないので
チンすれば臭みのない状態となる
保温は電気釜の便利な機能だが
やはりご飯は不味くなる

あと
自分で時間を見ながらご飯を炊くと
炊きたてご飯を
何故か仏様にお供えしようという気になる
やはり手をかけるというのが
大きいのでしょうね

スピリチュアル?

2011-11-15 | 想い・雑感
「スピリチュアルな領域についての勉強をしています
異なるレベルにいくつもの自分がいて
心のありようで体を含めた自分をコントロールできて・・・」

こういうお話を外来でされだすと
こちらの言うこととどうもしっくりかみ合わない

インフォームド コンセント
なんて簡単に言ってくれるけど

本当に納得できるなんてこと
そう簡単ではない

とあらためて思った

別れるときはこれが最後と思う

2011-11-13 | 想い・雑感
末期の患者さんが
いよいよ明日までは持たないであろうとなったとき

「誰それが来るまでは何とか持たせてほしい」

という希望が家族から出されることがある
最後に間に合わなかった場合
その後の残された人生でそのことが
いつも引っ掛かりとなる可能性があるから
そういう希望が出されるのも分からぬではないが

一旦癌と分かれば
いつも別れるときには
これが最後と心を込めて会っておくしかない
特に遠方の人は
患者さんが急変すれば当然間に合わないのだから
なおさら一期一会の思いを強く持つ必要がある

そこができれば
最後に間にあうかどうかは
大きな問題ではなくなる

そういう私も
えらそうなことは言えない
手術が長引いて病棟へ戻るのが遅くなったとき
今夜はもう消灯時間を過ぎたからいいか
と病室を訪れずに済ますことがある

そんなときに
翌日には末期の方の意識がなくなり
二度とお話ができなくなっていることがあったりする
そのとき
やはり昨夜顔を出しておけばよかった
と思う私は
それまでに一期一会の精神を実践していなかったことになる

難しいものである

順応

2011-11-12 | 想い・雑感
映画やテレビドラマの中で
何かの警告音が流れると
緊急事態だと観客は何が起こるかと身構える

でも
外科病棟は
アラーム音のオンパレード
心電図 酸素飽和度計 点滴ポンプ 注入ポンプ レスピレーター …
いろいろなものが警告を発する

その警告の中には
ちょっとした振動や患者さんの体動などが引き起こす
本来問題とならないものも多数含まれる

毎度のことになると
われわれもちょっと慣れっこになってしまう

ある朝の回診後
ナースステーションでカルテ記載をしていると
いくつもある心電図モニターの一つが
警告音を発し始めた
心拍数が60を切ったからなり始めたようだが波形自体は問題なさそう
誰か気にするかなぁと思いながら15秒ほど様子を見ていたが
皆それぞれが自分の仕事に没頭しており聞こえていない様子

私の担当患者さんではなく状況がわからずどうも気になるので
リーダーの看護師に注意を喚起したところ
癌末期の方の脈拍が落ち始めたところだということがわかり
急ぎ個室への移動となった

末期の方の中には
低空飛行の状態が比較的長く続く方がおられる
そのような方はある日突然脈拍が下がり始めると
数十分から数時間で亡くなられることが多い
その方も個室に移ったのち2時間ほどで亡くなられた

それにしても
あまりに多くの警告音に囲まれ
警告音のすべてに敏感に反応するなんてこと
人間の順応という自然な現象からすると
かなり困難なことだよなぁと改めて思う

1が12個

2011-11-11 | 想い・雑感
今日は
2011年11月11日11時11分11秒
の瞬間があったということが話題になっていた

その瞬間に生きていた
ということは
まれなる出来事なのだろう

記念切符などを買い求めた人も多いようだ

でも考えてみたら
どの瞬間も
一生涯で二度と出会わぬ一瞬なんだよね

痛み

2011-11-11 | 想い・雑感
私が体調を崩して風邪気味となると
たいてい頭が痛くなる
鎮痛剤でごまかしながら仕事をすることになるが
芯のところではずっと痛みがあるので
気分は晴れず
考え事をしたり体を動かしたりが億劫になる

頭痛に限らず
体の痛みというのは
人の活動を心身共に低下させる

入院闘病されている方も
何らかの痛みが出てくれば
気力も削がれ鬱傾向になる可能性が高いだろう

医療者が患者さんの痛みに注意し
ケアしなければならない所以である

石垣

2011-11-10 | 想い・雑感
我が家の前の道を挟んで川が流れている
その土手の一部に石垣が組んである
高さは2.5m~3m

散歩のときなどに
時にその石垣に乗り横に移動したり
道まで登ったりする

壁を登るという行為は
日常生活で使わない筋肉や平衡感覚を使うようで
新鮮な刺激を体と心に与えてくれる
ちょっとしたマイブーム

但し
飲んでかえるときには
決して上らない!
と固く心に決めている

希望?

2011-11-09 | 想い・雑感
希望が少しでも持てるような説明をしてほしい

医療の現場で
なかなか厳しい病状について説明をする際の注意として
このような指針を示す人がいる

物はいいようだから
お説ごもっとも
あまりショックを与えないように説明しましょうと考え
気をつけてお話をする

でもちょっと待って
少しでも持ちたい「希望」というのは何?

もし生がまだまだ継続しますよ
という意味の希望ならば
どこかで必ずその希望は通らなくなる
必ず死はやってくる

それでも生への希望を語れというのなら
ごまかし続けろというのと同義になってしまう

遠からず死を迎えるとわかった上で
安心が得られるならばその心のありようこそ目指すべき理想だろう
ごまかしの希望なんていらないだろう

でもその理想に導く役割を医師のみに求めるのは当然無理

どのような死生観を持つか
というのは個々が生きていく中で築き上げるものだが
そんなもの医師だってなかなか築けない