Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

知る

2012-06-30 | 想い・雑感
大丈夫と思っていても
人は知ることで苦しむことがある
「あなたの過去など 知りたくないの♪~」
という歌があったが
やはり知ることにより
要らぬことを考え 悩み 苦しみ 迷う

癌と診断されるのは
体の中に癌細胞が生まれてから
年単位の時間が流れている
つまり診断される前から癌は存在している

だけど

と知ることにより
癌 と知ったばかりに 考え 悩み 苦しみ あせる

それまでと同じように
手は動き 歩き 話し
考え 食べることができるのに
癌の事ばかりが気になる
実は告知の前と後で
体はほとんど何も変わっていないのだけれど

そう
知ってしまったこと以外は
何も変わっていないはずなのに
大きく 気分 生活 食欲 活動性 … が変化する
それほど癌であると知ることは衝撃

でも 知は力 ともいう
聞かなければよかった
なんて思わずに
どのような癌でどのような状態なのか
をよく知ることによって
向き合い 前に進んでほしい と願う

あなたは 今 生きている

局所療法

2012-06-30 | 胃の診療
癌の治療で問題となるのは転移。発生した場所で大きくなった癌は、別の場所に分派を派遣するようになるのである。胃の近くのリンパ節くらいまでの転移なら、手術で一緒に取り除ける。しかし、肺や肝への転移は血液を通って癌細胞が流れ散ったことを表している。つまり癌がすでに局所には留まっていないということ。★癌治療の種類を局所療法と全身療法に分けて考えると、手術と放射線治療は局所療法、抗がん剤などの薬による治療は全身療法と言える。局所療法としての手術が癌の根治を狙えるのは、癌が局所にとどまっている間。だから離れた場所に胃癌が転移すれば、もうメスの及ばない状態になっている可能性が高い。★転移があって取り切れなくても、癌細胞を少しでも減らした方が良いだろうということで、数十年前は減量手術の名のもとに切除をすることもあった。しかし、それが延命につながらないとわかっている現在、無理筋と思える手術は行われない。遠隔転移があれば、第一選択は抗がん剤治療などである。

Type4

2012-06-29 | 想い・雑感
まだ40台の方が
胃癌のために紹介されてきた

お腹を触ると
みぞおちに横たわる硬さを触れ
下腹を押さえると痛みを訴え
お腹全体がすこし張っており腹水の存在を思わせる

スキルス型の胃癌(Type4)から
すでに腹膜へがん細胞が散らばっている状態

堀江しのぶさんが20代前半で
命を落として以来
スキルスという言葉を聞いたことのある人は増えた
癌年齢といわれはじめる50代より
ずっと若い年齢で発症することの多いタイプの胃癌
思い起こせばアナウンサーの逸見政孝さんも
なくなったのは40代

思えば30年近く前
副主治医として初めて受け持った胃癌の方もスキルス
幼い子供を後に残していくことになる
若い女性だった
あの頃本人に癌と告げていたのかどうかは定かでないが
病室を訪れるのがつらかった

さあ治療を開始する
最善をつくす
薬が効果を発揮してくれることを願いつつ

腹痛

2012-06-29 | 胃の診療

「癌だといわれても、痛みも何も症状はありませんが。」と言われる患者さんがしばしばおられる。でも多くの胃癌患者さんに痛みなどの症状はない。気がつかないうちに進行していく。■胃癌と診断された患者さんが腹痛を感じている場合は、①かなりの進行癌になっている、②胃潰瘍もできておりその痛みを感じている、③胆石症その他胃癌以外の疾患による痛みを感じている、などの場合と思われる。②③で早期に胃癌が発見されれば幸運である。知らぬ間に①になっていれば完治は難しい。■やはり症状がなくても、40歳を過ぎれば、胃癌検診として内視鏡検査を受けることをお勧めする。そしてピロリ菌のチェックも。■ピロリ菌に感染している人は、胃癌発症の危険性が高まるといわれている。ピロリ菌陽性と診断されれば、その除菌治療を受けるとともに、以後の胃癌検診も継続して受けたほうが良い。その場合の検診をうける間隔は、胃の状態によって医師が指示してくれるはず。

胃癌治療ガイドライン

2012-06-28 | 胃の診療
宝くじに当たる確立は極めて低いけど、当たったときに入る金額がとてつもない可能性があるから、買う人がいるのも頷ける。でも胃癌の治療を受けるのに、治る可能性が極めて低い上にとてつもなくいいことが待っているわけでもない治療方法に賭ける、などというのは頷けない。◆しっかりした臨床研究から、7割近くの人に効果があると分かっている治療方法を捨てて、他の治療方法との比較試験すらしていない効果の薄い治療方法を採るというのはどういう考えからなのだろうか。◆しかも怪しげとまでは言わないまでも、効果があることが検証されていない治療方法は保険適応ではないことが多い。その上ちょっとお高めのものも多い。するとすごい出費である。がん治療が高いといっても、保険で認められている治療方法なら、当然保険がきくし、癌にも効く可能性ありなのに。◆胃癌といわれたら、せめて「胃癌治療ガイドラインの解説」という本を書店に注文して読んで欲しい。この解説書は第2版までしか出ていないので、詳しく見れば少し時代遅れの部分はあるが、基本は押さえられる。慌ててネット検索をかけて、統一性の無い知識をかき集める前にぜひ。

捨て猫

2012-06-26 | 想い・雑感
生れながらのノラ猫ならば
用心深くて寄り付かない

山間の駐車場で見つけたネコ5匹
距離を保ちつつも
逃げ出さない

きっと人と暮らしたことがある
飼われたことがある

捨てられたんだね

こんな猫たちのすべてを
どうこうできるわけではないけど
こうして縁あり出会ったら
少しの餌でも提供したい

ほんの数日
命をつなぐだけの
餌に過ぎないかもしれないけど
そんな数日が
繋がっていくかもしれないしね

専門家?

2012-06-26 | 想い・雑感
「○○ がんセンター」
という名前の病院が
日本各地に存在する

そういう病院が
癌治療に重きをおいているのはもちろんだが
癌の治療を受けている患者さんは
癌以外の体の不調や病気を抱えていることが多い

だから
その病院の診療科には
癌自体とはあまり関係ないものがあったり
必ずしも癌診療に携わらない医師がいたりする

ところが世の人は
がんセンター勤務経験があれば
癌の専門家と勘違いすることがあるようだ
またそれを逆手に
どう見ても癌の素人と思われるがんセンター勤務経験医師が
代替医療について語っていたりすることがある
またそれに惑わされる人がいる

治療効果があるかないかわからない
占いのような治療に引き寄せられる人が
少なからずいる
それはそれで
人生の選択なのだろうが
悲しいことである

例えば
整形外科医が乳癌の専門家であることは無いし
皮膚科医が消化器癌の専門家であることは無いのである
そこらへんだけでも間違わないで欲しいものだ

傾斜

2012-06-25 | 想い・雑感
スキー場などで人が滑らないように支えることは
ごく僅かの傾斜ならば
可能である

でも傾斜がきつくなってくると
支えることも難しくなってくる

勢いがついていたりすれば
もはや止めることもできなくなってくる

癌の末期という状態で紹介されてくる方の中には
我慢に我慢を重ねた上で
医療機関を受診された方がおられる

そのような方は
もはやきつい傾斜を
勢いを付けて転がりおち始めた状態
なにをしても
その勢いを止めることは難しいことが多い

偏り

2012-06-25 | 想い・雑感
抗がん剤治療の様子が
メディアで紹介される場合は
ずいぶんつらい状況の例が紹介されることが多い

映像で出すからには
辛そうでなければ
よくないと思っているのだろうか

外来通院しながら
まったくそれまでと同じ日常を過ごしながら
抗がん剤治療を受けている人だって
たくさんおられるのに
そういう方が紹介されることなどほとんど無い

そのせいだろうか
抗がん剤治療が必要と判断した方に
必要性や治療の仕方などを説明する際に
多くの方は治療に対する恐怖をまず持ってしまう

これって
メディアによる
洗脳ではないだろうか
偏らない報道!
などというテレビ局が
あまりに偏っているのではないだろうか

MIB

2012-06-16 | 想い・雑感
初めて3D映画を見た
体験するにはMIB3が適当だろうということで
行ってきました

でも3Dを意識するのは初めの方だけで
すぐその感覚に慣れてしまい
あまりありがたみはなかった

それに2000円が高すぎる
メガネのかけ心地が悪すぎる
とくにメガネをかけている人間にとってはつらい
現実の3次元世界とは何かが異なり違和感がある

などから
私はもう2Dでよいかなと思いました
年齢的について行けないのかもしれません

ただ数年ぶりに行った映画館で
暗闇の中
ポップコーンを頬張る感覚は
よかったなぁ
意味合いは違うが  a man in black なんてね

Facebook

2012-06-15 | 想い・雑感
facebookを使い出して一年くらい経つ
普段の連絡に利用したり
集まりの計画に利用したり
なかなか面白いツールである

これが無ければ
恐らく残る人生で
再び連絡がつくことも無かったであろう友と連絡がついたり
同じ学び舎で過ごしていたはずなのに
知らない同級生がいたり

縁の不可思議にも
あらためて思い至る

数十年ぶりに会う友との再会で
あまり久しぶりという感慨がわかないのは欠点かもしれないが
face book上での関わり方も
自分でコントロールできるので
今のところ快適に利用させてもらっている

伸び代

2012-06-13 | 想い・雑感
自転車通勤を再開して4週間ほど

傾斜に合わせ
足への負荷とスピードのバランスを感じて
変速機をかちゃかちゃ小まめに動かす

これ
わりと得意

でも
だんだん
あまり動かさなくなってきた

僅かな傾斜が
あまり堪えなくなってきているのだ

なまくら運転でも
多少筋肉が鍛えられている模様

まだ
伸び代があった…

悪いお知らせ

2012-06-12 | 想い・雑感

必ずしも死病というイメージではなくなった
特に早期がんであれば
治癒する確率も高い

だから
早期がんで紹介されてくる方の場合
すでに診断名を聞いている場合が少なくない

でも
進行がん
それも手術できないだろう
という状態の方だと
何の説明も受けないまま
紹介されてくることが多い

紹介状と
本人の話から
それとなくどの程度まで理解しているかを
探ることから始まる

そして
少しずつ説明をしていく

何度やっても
気分が滅入る

まあ
平気になってしまっては
かえってまずいでしょうね
悪いお知らせ
をすることになるわけですからね

できれば説明したくないと思うわけだが
そこをすっ飛ばしては
ご本人も次のステップには進めないと思うから
言葉とタイミングを選びながら
お話しさせていただく

やわらかさ

2012-06-11 | 想い・雑感

表情が硬くなってしまった
がんの治療をしている人に
ある日ふっと僅かな微笑がさす
顔の筋肉がゆるみ
顔つきに柔らかさがやどる

不思議と痛みが去り
体調がよくなる

微笑が先なのか
体調の回復が先なのか
はたまた同時なのか

その辺は
はっきりしないことが多い

でも できれば穏やかな表情を見ることができるよう
治療も
会話も
続けていきたい

お互いが
穏やかな 表情で

奇跡

2012-06-10 | 想い・雑感
頚椎損傷などで
四肢の自由が効かない方から見ると

手が動き
自由に歩ける

それが奇跡

レスピレーターの助けがなければ
呼吸もままならない方から見れば
無意識に息ができている

それも奇跡

私たちは奇跡を生きている
 生かされている