浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

恩師の歌集「愛」より

我れ食べず人に施す母の愛
幼き我に布施教えらる

「垂訓」

2024-04-26 23:54:15 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

 恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より


        第五章 心の曇りをとるための反省

    反省してはじめてわからせていただいた母親の愛

先の続き・・・

たいへんなことをしてしまったと思った私は、
田舎育ちで薬草や血止めの草の知識があったので、
傷口に血止めの草をぐっとしぼってつけました。
そして、その上から血止めの葉で押さえて
急斜面を下の道まで降りて来て、
道端に落ちていたボロ布をひろい、
それで患部を縛りました。

「えらいことをしたなあ。なんと言って
言い訳しようかなあ」と、
七歳の幼い頭で一生懸命に考えたのですが、
いい考えは浮かびません。
もし、嘘などつかずに畑にいつもどおりに出て
仕事をしていて怪我をしたなら、
「お母ちゃん、えらいことした。なんとかして」
と言えるのですが、

嘘をついて隠れてわることをしたのですから、
本当のことを言うこともできません。
そこでまず、血が出ないように応急処置をしました。
私の家と隣家との間が一メートルほど空いていて、
冬の間は田の稲を干す長い木が
使わないでかこってあるのですが、
その隙間に入って、「どうしようか。
そうしようか。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「垂訓」

2024-04-26 00:35:13 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

 恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より


         第五章 心の曇りをとるための反省

     反省してはじめてわからせていただいた母親の愛

ところが、ある日とうとうそんな思いが募ったあげくに、
嘘をついて畑に出るのをさぼってしまったのです。
「今日は友達とどうしても勉強しなくてはいけないから」
と親に嘘をついて、
竹トンボを作るために他人の竹藪に行きました。
そこは急斜面でしたが、そこをよじ登るのは
当時の幼い私には冒険でした。

手頃な竹を見付けると、
用意してあった鉈をだしました。
斜面の上のほうに左足を踏み出して、
その竹めがけて鉈を振り下ろしたのですが、
不覚にも自分の足をスパッと切ってしまったのです。
足の外くるぶしの上十センチ当たりに刃が当たり、
骨まで見えるほどパカッと
深く裂けて白い骨が見えていました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする