はっぱと風とおひさま

風にゆれてさらさらなる。おひさまの光にきらきらひかる。だからはっぱがすき。そんな私のよかった探し

こげたコッペパンの匂い

2020-10-21 | かんがえたコト

忘れられない
思い出ってありませんか?

瑛人の「香水」の歌詞みたいに

"別に君を求めてないけど 
横にいられると思い出す
君のドルチェ&ガッバーナの 
その香水のせいだよ"

思い出の中の匂いには
現実にその時が
戻ってきたと
錯覚するくらいの
パワーがあると
おもいます



私の場合
香水ではなくて
焦げたコッペパンの匂いが
忘れられない記憶です



ずーっとずーっと前
小学生の頃

先生も友達も
何年生かも覚えてないけれど

教室で
みんなが席について
朝の会をしている時に

教頭先生?が
ドアを開けて現れて

担任の先生に
クラスメイトの1人の
おじいちゃんが亡くなったから
今日は午前で早退ですと
伝えているのが聞こえました

そのクラスメイトは
男の子で
ちょっと困ったような顔を
していたとおもうのたけれど

おじいちゃんが亡くなって
悲しいだろうな
これからおじいちゃんの家に
行くのかな?
なんて考えていたら

突然
焼けたパンの匂いが
教室にただよってきました

昨日の給食のコッペパンを
温めたら
焦げたというような
匂いだったけれど
とてもいい香りでした



それは
おじいちゃんのことで
家がバタバタしていたので
朝ごはんを食べさせないで
学校に行かせてしまった
というお母さんからの
お願いで
先生が急遽こしらえた
朝ごはんのパン
だったのです

教室で焼いたパンの香りが
すること自体なかったので
それはとても
不思議に思えて

その遠目にみても
焦げた様子の
コッペパンを
1人教室で
牛乳で流し込んでいた
クラスメイトの姿は
ぼやけても
その香りだけは
強烈な思い出になりました



それ以来
私は焼かない
ふわふわパンより
焼いた
カリカリパンのほうが
断然好きになって

コッペパンの焼ける
匂いがしてくると
この思い出とともに
たまらなく
お腹がすいてくるのです








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