ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
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『雪の鉄樹』

2017-08-23 22:10:43 | 
『雪の鉄樹』 遠田潤子 光文社文庫
 祖父と父が日々女を連れ込む、通称・たらしの家で育った庭師の雅雪は、二十歳の頃から十三年間、両親のいない少年・遼平の面倒を見続けている。遼平の祖母から屈辱的な扱いを受けつつも、その傍に居るのは、ある事件の贖罪のためだった。雅雪の隠してきた過去に気づいた遼平は、雅雪を怨むようになるが…。
 鉄樹とは、蘇鉄のこと。相楽園のお庭での蘇鉄が見事だったのを思い出しながら読む。苔の描写では、醍醐寺・三宝院の苔を思い出しながら読んだ。
 雅雪の事件とは何なのか?引き込まれるように読んでいった。雅雪のご飯を人前で食べられない理由が悲しい。人は頼られたり、感謝されたりすることで人は存在価値を感じるのかもしれない。遠田潤子さんという作家を知らなかったが、思いがけずよかった。
 
コメント
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