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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『シバトラ/童顔刑事・柴田竹虎』2008

2019-06-10 12:08:13 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2008年の夏シーズン、フジテレビ系列の火曜夜9時枠で全11話が放映された、フジテレビ&共同テレビの制作によるコメディータッチの刑事ドラマ。'09年と'10年には続編となる2時間スペシャルも制作されました。

安童夕馬(原作)&朝基まさし(作画) による少年マンガの実写化で、100%少年少女向けの番組。ゆえに我々オジサンが観るにはちょっとキツい内容になってますw

横浜みなみ警察署の生活安全課少年係に配属された新米刑事・柴田竹虎(小池徹平)が、とても刑事には見えないその童顔を活かして不良グループや高校のクラスに潜入し、犯罪に巻き込まれた未成年者たちを救っていくというストーリー。

竹虎には「一度触れた相手に死の危機が迫ると死神の手が見える」という特殊能力があり、前年に登場した『SP/警視庁警備部警護課四係』と同様、刑事物や探偵物にSFファンタジーの要素を盛り込んだドラマのはしりでもあります。

私としては、そういう設定をあまり刑事物には持ち込んで欲しくないんだけど、後の『デカワンコ』(これもマンガ原作) みたいな成功例もある事だし、あくまで使い方次第。

この『シバトラ』の場合、特殊能力うんぬん以前に(主人公だけじゃなく全ての)キャラクターに実在感が無さすぎて、絵空事にしか見えないんですね。『デカワンコ』がいかに絶妙なバランスでマンガイズムとリアリズムを両立させてたか、本作と比べるとあらためてよく分かります。

笑いのセンスにしても『デカワンコ』みたいな切れ味や洗練された感じがまるで無く、ただひたすら騒々しいバラエティー番組のノリで、オジサンにはキツいですw

それでも好視聴率をキープしてましたから、若年層のニーズは的確に捉えてたのかも知れません。小池徹平くんの人気もきっと凄かったんでしょう。全盛期のマイケル・J・フォックスに似てますもんねw

ヒロインは第1話の事件で竹虎に救われ、彼のアパートに押しかけて強引に同居しちゃう、いかにも少年漫画キャラの女子高生=宝生美月。演じるのは7歳から女優活動されてる大後寿々花さん。

そして何かと竹虎の面倒をみる元ヤンキーに藤木直人、その子分に塚地武雅、生活安全課少年係の係長に真矢みき、刑事に宮川大輔、交通課婦警に南 明奈、近野成美、松田珠希、交番巡査に今田耕司が扮するほか、ブレイク前の波瑠、鈴木亮平、三浦涼介といった人たちも出演されてました。

いろいろ文句を書きましたけど、そうしてツッコめるのは番組に強い個性があるからであり、どれも似たり寄ったりで無難に作られた謎解き刑事ドラマ群よりは、ずっと見所があるとも言えます。
 
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『ゴンゾウ/伝説の刑事』2008

2019-06-10 00:00:06 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2008年の夏シーズンに全10話が放映された、テレビ朝日系列・水曜夜9時枠の刑事ドラマ。

『鈴木先生』『リーガルハイ』『デート/恋とはどんなものかしら』等の古沢良太さんが脚本を担当され、向田邦子賞やギャラクシー賞にも輝いた作品です。

1話完結ではなく10話かけて1つの事件を解決していく構成で、事件の加害者・被害者のみならず、それぞれの家族や目撃者、犯行に使われた拳銃の開発者にまでスポットライトを当て、じっくり時間をかけて背景を描くことで多面的、重層的な人間ドラマを創り出し、尋常ならざる見応えを我々に与えてくれます。

主人公はゴンゾウ(能力はあるのに働かない警察官の意)と呼ばれる井の頭警察署の黒木警部補(内野聖陽)で、追ってるヤマは女性ヴァイオリニスト(前田亜季)が射殺された事件。

第5話では、犯行に使われた拳銃がどこから出回った物で、誰が造り、誰が売って誰が買ったのか等、『太陽にほえろ!』なら3分で済むような捜査過程をw、じっくり丸1話かけて描いてました。

「イカヅチ」と呼ばれるその拳銃はかつて、日本警察制式拳銃の座をニューナンブと競い合い、不採用に終わった為ほんの数丁しか出回らなかった幻の拳銃という、ガンマニアにはたまらん設定なんですねw

で、骨董品なもんでそのままじゃ使えず、犯人の手に渡る前に町工場の施盤工(左とん平)が修復していた。

その男はかつて「イカヅチ」の開発に関わってた人物で、その拳銃への愛着があるもんだから「決して使用しないこと」を条件に修復を引き受けた。なのにそれが殺人に使われ、激しく後悔した彼は、修復を依頼した拳銃ブローカーを殺害しようとする。

……てな具合で、拳銃一挺にも様々な人間が関わってて、それぞれに歴史とドラマがある。それを丹念に描いた作品であり、古沢良太さん曰く「刑事ドラマのふりをした人間ドラマ」。

もちろん、主役であるゴンゾウ=黒木警部補にも歴史とドラマがあり、それが事件関係者たちのドラマと絶妙にリンクし、やがて真相に繋がっていくという、練りに練られたストーリー。

レギュラーキャストは、黒木の相棒となる新米刑事に本仮屋ユイカ、同僚たちに高橋一生、綿引勝彦、吉本菜穂子、そして黒木と対立する本庁捜査一課の佐久間警部に筒井道隆が扮するほか、矢島健一、菅原大吉、和田正人、大塚寧々、三輪ひとみ、池脇千鶴etc…といった顔ぶれ。

黒木と佐久間が対立する背景も丁寧に描かれ、ゆえに二人が共闘する最終回にはカタルシスもありました。

殺人事件が毎週起こって当たり前の「刑事ドラマ」というジャンルにおいて、全10話を1つの事件だけで引っ張って見せた手腕はさすがの古沢脚本。数々の受賞も納得の作品かと思います。
 
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