ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』特集番組の告知です。

2019-06-12 23:24:19 | 日記

 
NHK BSプレミアムのドキュメンタリー番組『アナザーストーリーズ/運命の分岐点』にて、なんと他局=日テレが生んだ刑事ドラマのパイオニアにして金字塔『太陽にほえろ!』がまる1時間かけて特集されます。マカロニ刑事=萩原健一さん追悼番組の1つかと思われます。

あの番組がどのようにして立ち上がり、そしてその内容にショーケンさんがどれほど大きな影響を与えたかについては、これまで各メディアでさんざん語られて来たし、このブログでも詳細に書いて来ました。

だからこそ、我々が知り得ないエピソードがまだ隠されてるのか、それをNHKさんがどんな切り口で伝えてくれるのか、興味津々で久々にワクワクしてます。

ファンならもちろん必見、そうでない方もこのブログに関わった以上は「本当の意味での刑事ドラマ」の原点を、この番組を観て一緒に勉強しましょう!


☆6月18日(火) 21:00~22:00 NHK BSプレミアム

『太陽にほえろ!誕生/熱きドラマ、若者たちは走った』

1972年7月21日に放送開始した伝説の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』は、日本テレビが開局以来続けてきたプロレス中継が打ち切りとなり急きょ企画されたドラマだった。

伝説の刑事ドラマ「太陽にほえろ!」、その知られざる舞台裏! 1972年7月21日に始まったドラマの制作現場はスケジュールもキャスティングもすべてがギリギリ。その現場に驚くべき緊張を与えたのは、“マカロニ”というニックネームで登場する新人刑事、萩原健一だった。脚本や役柄、果てはテーマ曲にまで口を出す劇薬のような萩原。その素顔と熱すぎる現場を“ゴリさん”役の竜雷太や“殿下”役の小野寺昭ら制作陣が明かす。
 
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『太陽にほえろ!』#199

2019-06-12 12:00:04 | 刑事ドラマ'70年代







 
ジーパン(松田優作)時代の第60話『新宿に朝は来るけれど』以来となる、桃井かおりさん2度目のゲスト出演作。

主役はボン(宮内 淳)で、桃井さんは文学座で優作さんと宮内さんの先輩って事で、友情出演みたいな形です。

他にも山西道広さんや野瀬哲夫さん、清水 宏さんら文学座仲間……ていうか優作さんの芝居仲間たちが脇を固めておられます。(山西さんは今回ワンカットしか出て来ませんw)

当時の桃井さんは25歳。すでに『前略おふくろ様』や『男たちの旅路』等の人気ドラマにレギュラー出演、個性派女優として広く世間に認知されてました。

今や世界をまたにかけて活躍する大女優であり、映画監督としても一目置かれる存在。そりゃもう、当時からオーラが違ってます。

第60話もそうだったように、突出して名作ってワケじゃないストーリーでも、キャストの力量や存在感で観客を魅了させられる、それを見事に証明した作品だと思います。


☆第199話『女相続人』

(1976.5.7.OA/脚本=小川 英&中村勝行/監督=澤田幸弘)

大手建設会社の社長=南郷(松川 勉)がビルの屋上から転落死、状況からして他殺と見た藤堂チームは捜査を開始します。

南郷が転落した直後に、そのビルから走り去った女がいたとの目撃情報を得るボン。と同時に、南郷には籍に入れてない圭子(桃井かおり)という隠し子がおり、その圭子が最近になって認知を要求していたという情報も浮上。

認知請求したことも、事件当日にビルから走り去ったこともアッサリ認める圭子だけど、殺人だけは否定します。

南郷が認知を承諾する、その会話を録音したテープがいかにも偽造臭く、何より圭子の人を食ったような態度が気に食わないボンは、彼女が遺産目当てで南郷を突き落としたと決めてかかるのですが……

証拠の録音テープが偽造臭かったのは、南郷が愛人=圭子の母親を侮辱する発言をした部分を、圭子が編集して削除したから。そして圭子の態度が人を食ったように見えるのは、演じてるのが桃井かおりだから。

そう、圭子はシロで、遺産の半分が彼女に渡ることが許せなかった、南郷の息子が真犯人なのでした。

息子が逮捕された結果、遺産の全額を受け取ることになったにも関わらず、圭子は切なそうに涙を浮かべます。

「お父さんは冷たいけど、認知されれば、ステキなお兄さんが出来るから……せめて、兄弟だけでも欲しかったの。それなのに……」

圭子が認知を要求した本当の理由は、純粋に家族が欲しかったから。彼女はただ、愛情に餓えてただけ。

それを知って、またホの字になっちゃったボンにw、ボス(石原裕次郎)は帰郷する圭子を見送りに行くよう命じるのでした。
 
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『太陽にほえろ!』#194

2019-06-12 00:00:06 | 刑事ドラマ'70年代







 
殿下(小野寺 昭)の妹=島 京子として、中田喜子さん(当時22歳)がジーパン(松田優作)時代の第73話『真夜中に愛の歌を』以来となるゲスト出演。

偶然なのか意図的なのか不明ですが、その第73話で中田さんの恋人役だった堀内正美さんが今回も共演、屈折した殺人犯役で本領を発揮されてますw

なお、島京子は第33話にもチラッと登場しますが、その時は別の女優さんが演じておられました。


☆第194話『兄妹』(1976.4.2.OA/脚本=小川 英&四十物光男/監督=山本迪夫)

トラックの荷台から女性の絞殺死体が発見され、被害者は東京行きのバスツアー参加中に行方不明になっていた事が判明します。

そのツアーには、京都に住む殿下の妹=京子(中田喜子)も参加しており、被害者は京子から譲り受けたスカーフを巻いていた。

そう、犯人=武上(堀内正美)の狙いは京子であり、被害者は人違いで殺されたのでした。

藤堂チームの素早い行動により京子は保護されたものの、武上は起爆装置付きダイナマイトを盾にツアーバスをジャック、乗客全員の生命と引き換えに、京子を連れて来ることを要求します。

粗筋だけ書くと物凄い凶悪犯みたいに思われるでしょうが、なにしろ演じてるのは堀内正美さんです。線は細いし屈折してますw

武上はただ、京子と二人きりで話がしたいだけ。でも屈折してるから女性には疎まれがちで、先の殺人も被害者がひどく彼を拒絶したのが原因らしい。映画『悪人』の妻夫木聡くんを彷彿させる犯人像です。

藤堂チームは、乗客30人の命と京子の命を天秤にかける羽目になっちゃいました。誰も答えが出せない中、殿下だけが毅然として、京子に言い放ちます。

「武上はお前と話したいと言ってる。行ってくれ」

「えっ?」

京子はショックを隠せません。実の妹に、なぜそんな危険なことをさせるのか? 兄にとって、たった1人の妹よりも刑事の任務の方が大事なのか?

京子は、保護された際にボン(宮内 淳)とこんな会話を交わしてました。

「小さい頃、甘えてばかりいた反動かしら。なんだか今はサバサバしちゃってるんです」

離れて暮らし、滅多に会えない兄妹なのに、寂しい素振りを一切見せない二人の気持ちが、ボンにはよく解りません。

「だって、よくよく考えれば、兄妹なんてただ血が繋がってるってだけでしょ? そう割り切ってるんです」

「そんなもんかなぁ」

「それに、兄は刑事です。刑事っていう職業は、人間的な繋がりっていうのかな、そんなものが入り込む余地が無い職業なんでしょ?」

同じ刑事であるボンに向かって、こんな事をシレッと言っちゃう京子って、なかなかのタマですよねw さすが紅組キャプテンです。

「いや、島さんは違いますよ!」

「そうでしょうか?」

「そうですよ!」

ボンって、ほんとイイ奴ですよねw 自分はともかく殿下はそんな人じゃない!って……もしかしたら自分も刑事だってことを忘れてるのかも知れないけどw

さて、浜松で乗客全員を解放した武上は、京子をジープに乗せて逃走を謀ります。砂丘に入ればパトカーも追跡出来ないだろうってワケです。

だけど甘かった。警察にはヘリコプターという便利な乗り物がある事を、彼は知らなかった。

上空のヘリから決死のダイビングで砂丘に降り立ち、捨て身になって京子の命を救ったのは勿論、殿下に決まってます。

『太陽』名物、スローモーションによるクライマックスの大格闘シーンは、演じてるのが小野寺昭VS堀内正美なだけに迫力は全然無いんだけどw、京子の誤解を解くには充分な効果があった模様です。

「妹だから言えたのよね。行けって……危ないけど行けって」

そう、もし京子が赤の他人だったら、殿下は決して行かせなかった筈です。

「私、あのとき初めて解ったの。兄妹ってどういうものか」

「京子……」

島京子は翌年放映の第282話『婚約指輪』で再登場、婚約者として秋野太作というクセ者を連れて来て、大いに殿下を困らせますw
 
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