去年もおととしもこんな写真は撮れなかった気がします。数年ぶりの積雪です。といっても2センチほどでしょう。中央の木はサンシュウで、つぼみがふくらんできました。オレンジ色の点は野鳥用のミカンです。
冬は木の葉が落ちて野鳥たちがよく見えます。で、道子さんはミカンを半分に切って枝に刺しておきます。ウグイスやメジロやホオジロ、それに知らない野鳥たちが飛んできて、ミカンをつつきます。それを窓から見ることができます。半日もすればミカンはなくなってしまうのでまたつけます。
きのう紹介した『「自尊死」のすすめ』からいくつか引用します。
高齢者になれば、なんだかんだと身体に不具合が出てきます。
健康診断や人間ドックを受ければ、ひとつやふたつ「要精検」(=精密検査を要す)という結果も出るでしょう。でもそれは、「当たり前の話」なのです。
検査の異常値をすべて「正常値」にするために、医者の指示どおりに薬を飲み、治療をすることが、その人の晩年を必ずしも幸せにするとはかぎりません。
日本の医療現場では、患者さんが若かろうが年寄りだろうが、検査結果をとにかく「正常値」にしようとするのが大前提になっています。
とりわけ、コレステロール値、血圧、血糖値などについて、私に言わせれば「医者も患者も神経質になりすぎではないか」というくらい正常値にこだわります。 …… 高齢者の場合、検査値をむりやり正常にすることが、かえって逆効果になることは、あまり知られていません。
もし、血圧が高いと診断され、処方された降圧剤を飲んで、「検査値は正常になったけれど身体がだるい、買い物や散歩に行くのも億劫だ」なとという症状が出るようなら、その患者さんにとって「世間の正常値は私の異常値」なのです。まじめな患者さんほど「お医者さんに言われたとおりに薬を飲んで、正常値に戻せば元気になる」と強迫観念のように思い込む傾向がありますが、大事なのは「数字」よりも「本人の主観」なのです。
高齢者が「一秒でも長生きしたいから、ごはんを半分にして、甘い物を食べずにがんばって体重を落とす」のか、それとも「あと何年生きられるかわからないけど、食べられるあいだは好きなものを食べたい」と思うのか。 …… 血圧がちょっとくらい高めだからといって、味も素っ気もない減塩食を我慢して食べなくてもいい。 …… 生活に彩りを与えてくれるもの、いままで楽しんできたものを、歯を食いしばってやめたところで、寿命が劇的に延びることはありえないのです。
単純に考えても、身長170センチ、体重80キログラムのおじいさんと、身長140センチ、体重35キログラムのおばあさんに、同じ分量の薬を飲ませるのはおかしな話ですが、木を見て森を見ず、つまり検査数値だけを見て、患者を診ない医者は、平気で同じ薬を出すようなことをするのです。
引用はこれくらいにしますが、たしかに患者よりパソコン画面を見て診察されてる気になることがありますね。さて