古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

『狂気の戦場・ペリリュー』 を見ました。

2014年08月17日 00時45分58秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 13日放送のNHKスペシャル『狂気の戦場・ペリリュー』を見ました。
 ペリリュー島はフィリピンの東にあるパラオ諸島の中の小島です。南北9キロ・東西3キロ・面積13平方キロしかありません。
 この島に日本軍が飛行場をつくっていたので、アメリカ軍はこの島を占領しようとしました。守備していた日本軍11000名は「次の島への攻撃を遅らせるために敵の攻撃を長引かせよ」と命令されます。全員で斬り込む「玉砕突撃」は禁止されました。
 一方アメリカ軍は「こんな小さい島は占領まで3日もあれば十分だ」と、島のジャングルを吹き飛ばす猛烈な艦砲射撃・飛行機による爆撃を行ってから上陸作戦を展開します。
 日本軍はサンゴ礁の島に洞窟を掘って縦深い陣地を築き、アメリカ軍を狙い撃ちして、甚大な被害をあたえます。結局71日間の激しい戦闘の末、アメリカ軍は多数の死傷者を出し、日本軍は全滅しました。
 この戦いのことを、ぼくは『ペリリュー島玉砕戦 …… 南海の小島70日の血戦』(船坂 弘 著)という本で知りました。70日間の戦闘が日本軍の側から詳しく書いてあって、数年前に時間をかけて読みました。日本軍は果敢な攻撃でアメリカ軍を苦しめたという書き方でした。
 
 このたびのNHKスペシャルでは、日本軍の「果敢な戦い」でなく日本・アメリカ両軍の「狂気の」という言葉に焦点が当たっていました。そうです。狂気でなければできない戦争だったのです。発射のボタンを押し、パソコン画面で爆発を確認するような戦争ではありません。
 すぐ目の前で動く敵兵を、隠れて鉄砲で撃つ。大砲で吹っ飛ばす。体が千切れ、血を流し、倒れる。アメリカ軍は高性能の火炎放射器やナパーム弾も使用した。狭い島で、お互いにそんな状況に70日も置かれたら、何の関係もない人間を強く憎み、殺すようになる。耐えきれないで逃げようとする兵士は、味方であっても殺される。狂気の集団と化す。
 人間は「人間である」という尊厳を守るために、「戦争という殺し合い」をしてはいけないのです。
 まとまりませんが、難渋して書きました。
 NHKスペシャル『狂気の戦場・ペリリュー』は8月18日深夜の19日(火)0時30分 ~ 1時19分に再放送されます。
 
 ペリリュー島でアメリカ軍を手こずらせた「水際作戦でなく、敵を陸地に誘い込み、粘って粘って戦い、玉砕する覚悟で戦闘を長引かせる」やり方は、その後硫黄島でも沖縄でもとられ、多くの犠牲者を出しました。
 
 
 
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