BSデジタル放送で放映された映画、『ノルウェイの森』(2010年)を見ました。
監督はベトナム出身でフランス在住、木村拓哉が出演した『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』なども手がけたトラン・アン・ユン。
主演は松山ケンイチ。その他に、菊池凛子、水原希子、高良健吾、玉山鉄二など。
劇場公開時よりも16分長い、エクステンデッド版。
原作は村上春樹のベストセラー小説です。
松山ケンイチがハタチ過ぎてるのに高校生役!!!
ま、それはしょうがないとして(苦笑)原作の小説も読んでいるだけに、最初はイメージの違いに違和感を感じました。髪型とか、顔や背丈。昭和40年代とはいえ、小説を朗読しているような言葉使いにも。
あと、登場人物が全員みんな異様に病的…
きっと私が勝手に原作を読んだ時のイメージで見てしまっているんでしょうね~
主人公「ワタナベ」を演じた松山ケンイチさん。私にとっての「ワタナベ」って、どこか冷めていて、世捨て人みたいな雰囲気があったのですが、映画版では大人=悲しみを受け止める、といった感じで、悩める青年から悩める大人へと変わっていく心情を好演してみえました。
それとヒロインを演じた菊池凛子さん。こちらはヒビのはいった器(うつわ)という感じで、水がもれ続け、ついには破綻をきたしてしまう女性を怪演。私のイメージしていたヒロインとは違いますが、映画としては面白かった。
でも、一番共感できたのは、玉山鉄二演じる愛することに臆病な男の恋人、ハツミを演じた初音映莉子さんの演技かな~
この人の気持ちが私には一番近い。
ベストセラー小説の映画化って、いろいろ難しいとは思うのですが、霧のかかった森や、雨の降る草原、望遠で撮られた風景の中を駆けていくシーンに顔が触れんばかりの会話シーンなど、どれも「ノルウェイの森」らしい映像で、思っていたほどイメージを壊す映画じゃありませんでした。
あと小道具は凝っています!
鍋なんか、私が子供の頃に家で見た鍋のデザインそのものでしたから♪
深い森の中をさまようように、人々は出会い、言葉を交わし、おずおずと触れ合う。
お互いにつかず離れず、理解したいと望むけれど、他人は永遠の謎。
そして、いつか別れが来ることもわかっている…
一瞬の出会い。一瞬の邂逅。
そのぬくもりと、悲しみを抱えて、人々は歩んで行く…
私の中の「ノルウェイの森」ってこんな感じなんですよね。
「ワタナベ」の身の回りの品がいちいち魅力的で(部屋の照明とか、背負っているリュックだとか)、生活スタイルには憧れを感じました。
松山ケンイチさん、学食で食事をしているだけなのに、これがカッコイイんだよな~