上善如水

ホークの観察日記

村上春樹 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅』

2013-04-12 22:31:06 | 本と雑誌

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2013-04-12

 3年ぶりの新作だからって、みんなはしゃぎすぎ・・・

 書店が深夜からお店を開けて発売の瞬間をカウントダウンで演出するなんて、ハリポタみたい。


 村上春樹 『色彩を持たない多崎つくると、巡礼の旅』(文藝春秋)


を読みました。

 これ、『1Q84』より好きかも♪

「多崎つくる」というのは主人公の名前。
 
「色彩を持たない」とか「巡礼の旅」という言葉は、本文を読み始めればすぐに「なるほど」と納得します。

 あぁ、こういう意味ね!

 三十を過ぎて独身の彼は、東京で鉄道の駅をつくる仕事をしながら、掃除をしたり洗濯をしたり料理を作ったり、最近知り合った女性とデートしたり。
 かつて彼には高校時代に知り合った仲の良い4人の友人がいました。
 当時彼らはグループで行動し、笑い、ふざけあったりしていました。
 しかし大学二年生の時、彼は一方的に4人から拒絶されます。
 理由もわからないまま、それから顔も見ることもなく16年の月日が流れ・・・

 村上春樹の長編小説ではおなじみの、不安や焦燥、病的なまでの生真面目さや、漂う死の影。
 過去に開いた心の傷が今の自分に影響を与えていると感じた彼は、音信不通だった4人の友を訪ねることに。

 正直、村上春樹の長編小説はあまり好みじゃないのですが、これはそこそこ面白かった♪
 
 この3年間の世界の動きや、ニュース、村上春樹さんの発表したエッセイやインタビューなんかがこの小説を読んでいると浮かんできて、いま村上春樹が小説を書くとこうなるんだぁ、とすごく納得できました。
 全部が全部、好きというわけじゃありませんけどね。

 個人的にはミスター・グレイの位置付けがちょっと不安。
 自分の中では好きなキャラクターなのですが、夢の中のミスター・グレイはもう一人の自分でいいのかな?
 跳躍するかどうか・・・ニーチェやキルケゴールが登場するのなら、フロイト的無意識と解釈したんだけれど・・・(笑)

 ともかく、読み終わるまで止められなかったのは事実。

 次は短編でお願いします!


アニメ映画 「 ONE PIECE FILM Z 」

2013-04-11 18:43:38 | 映画

 アニメ映画「ONE PIECE FILM Z (ワンピースフィルムZ)」(2012年)を見ました。

 鈴木おさむ、大嫌い・・・

 監督は長峯達也。脚本に鈴木おさむ。総合プロデューサーとして、原作者の尾田栄一郎が参加しています。

 興行収入50億円超えということで話題にもなっていましたが、映画としては、正直面白くなかった・・・

 まず、あの変な挿入歌なに?
 ストーリーが破綻してる・・・
 サービスシーンを入れ過ぎ。
 セリフも演出も平凡。
 最後はどつきあいかよ・・・

 ま、ワンピースの映画全般にいえることなんですが、映画というよりアニメ番組のスペシャル止まり。
 ストーリーや演出に目を見張るものは何もありませんでした。
 ゲスト声優の見せ場もなく、エンドポイントとかいう安易な設定を持ち出したり、原作で修行を終えて強くなったばかりの主人公のルフィーが簡単に敗北するなど、「物語」を楽しんでいる者からしたら、「あー、また東映まんが祭だよ」といった感じ。
 こういう商売はもう「ドラゴンボール」だけでいいよ・・・

 ゼット(今回の悪役)はなぜ麦わら帽子を持っていったの?
 エンドポイントは三つあるのに、海軍基地はなぜ最初の島にしかなかったの?
 ダイナ岩(古代兵器に匹敵する力を持つ岩)一つで最初は島ひとつが無くなってしまったのに、いくつも爆発していた第二、第三の島はどうしてすぐに大爆発を起こさなかったの?
 最終決戦に海軍が到着した時、サニー号は無人だったはずなのに、なぜ海軍は破壊しなかったの?
 クザン(青雉)は二年前、エース救出を邪魔してルフィーを殺そうとしたのに、なぜルフィーは平気な顔で会話しているの?

 ま、言い出したら切りがないですが、それにしても脚本も設定も甘すぎるよ。

 キャラクターにいろいろな服を着せたいだけじゃん。

 アニメーションの醍醐味、背景動画のスピード感とか、空を飛ぶ爽快感だとか、物の形が変るメタモルフォーゼの楽しさだとか、そうした技術を使って「魅せる」面白さが欠けてるよ。
 
 鈴木おさむはそうした「魅せる」アニメーションの技術をふまえた上であの脚本を書いたのかな?
 舞台の台本じゃないんだけどなぁ・・・

 売れた映画=名作 じゃないという見本みたいな作品でした。

 あ~あ、残念。


出久根達郎 『佃島ふたり書房』

2013-04-10 23:44:53 | テレビ番組

 出久根達郎の『佃島ふたり書房』読んでみたい!!

 BSフジプレミアムで放送された「名作を旅してみれば~佃島ふたり書房」を見ました。
 イッセー尾形さんが、名作に登場する舞台を、実際に旅する番組だったのですが、今回は出久根達郎の『佃島ふたり書房』

 作品の舞台である東京の佃島とか、神保町の古書店街、東京古書会館、早稲田の古書店「虹書店」などを訪れていました。

 普段は関係者しか入れない古本の振り市の様子が面白かった♪

『佃島ふたり書房』の中の文章も本好きにはたまらない☆

「本が呼吸している」とか、「客は本の身内だから、本を雑に扱う本屋には客は寄り付かない」とか。
 客がたまたま手に取った本について詳しく解説しちゃう古本屋の店主も頑固そうだけどカッコイイ!
 
 東京はいいなぁ、と思ってしまいました。

 神保町行ってみたい!!

 出久根達郎の『佃島ふたり書房』、さっそく探してみよう♪



アニメ「進撃の巨人」

2013-04-10 12:54:24 | アニメ・コミック・ゲーム

 アニメ「進撃の巨人」第一話を見ました。

 巨人とその捕食対象である人類の戦いを描いた作品。

 やっぱり人間が食べられちゃうので残酷シーン目白押しなんだけれど、巨人と人類の関係が、人間と家畜の関係みたいで、コミュニケーションが断絶しているのがホラー。

 普段人間がプチプチつぶしている蚊やゴキブリにも家族や友人がいて、恋愛したり親子愛があったりしたらきっとこんな感じなんだろうな、とつい考えてしまう(苦笑)

 昔ラジオドラマで、大学の実験室で実験用に飼育されているゴキブリの一家を主人公にしたダークなドラマがあったけれど、あくまで人間を信じているお父さんが悲劇だったな。

 
娘のゴキブリが手足を切断されて、頭部を切断された他のゴキブリと結合させられて、神経系の実験台にされちゃうんだけど、それまで「人間は私達の世話をしてくれている。きっといい人たちなんだ」と信じていたお父さんが、人間に向かって「あんた達は何がしたいんだ!」と叫ぶ。

 もちろんゴキブリの声は人間には理解できないのだけれど、精神を病んだ奥さんを抱える大学教授の悩みが、ゴキブリ一家の悲劇と対照的で、すごく印象に残っている。

「進撃の巨人」のシリーズ構成は、特撮などでも評価の高い小林靖子さん。

 原作のイメージはそのままに、どこまで独自の熱いドラマを展開させてくれるのか、期待しています。

 


百田尚樹 『海賊と呼ばれた男』

2013-04-09 22:06:14 | インポート

全国の書店員さんが一番売りたい本を選ぶ「本屋大賞」

2013年は百田尚樹さんの『海賊と呼ばれた男』(講談社)が大賞に選ばれました!

うわぁ、ちゃんと読んどけばよかった!

百田尚樹さんは、零戦パイロットを取上げた『永遠の0』(講談社文庫)を読んで、すごく良かったんですが、この『海賊と呼ばれた男』は、ガソリンスタンドでおなじみ、出光興産の創業者を主人公にしていたため、よくある戦後復興時に活躍した破天荒な企業家の一代記かと思って、パラパラとしか読まなかったんです。

基本的にブルジョワ嫌いなもので(苦笑)

タイトルもなんだか『女盗賊プーラン』(草思社)みたいだったし(笑)

本屋大賞に選ばれたからって今さら読み返すのは何だかくやしいしなぁ・・・

私が一押ししていた、原田マハさんの『楽園のカンヴァス』(新潮社)は残念ながら3位だったみたいです。

う~ん、残念。

ま、わざわざ宣伝しなくてもそこそこ売れているからいいか♪

『海賊と呼ばれた男』は明日から本屋さんでも図書館でも一気に品切れになったりするんですかね?

できたら、売れていないけれど書店員だから知っている、そんな隠れた「いい本」を「本屋大賞」に選んで欲しいところですが。

海賊とよばれた男 上 海賊とよばれた男 上
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2012-07-12

海賊とよばれた男 下 海賊とよばれた男 下
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2012-07-12