南陸奥 冬の朝焼け
金子みすゞ 「 大漁(たいりょう)」
朝やけ小やけだ
大漁だ
大ばいわしの
大漁だ。
浜はまつりの
ようだけど
海のなかでは
何万の
いわしのとむらい
するだろう。
金子みすゞに出会った最初の詩は「大漁」だった
衝撃を受けた
人間たちが
浜で大漁と喜んでいる蔭で
海のなかでは
鰯は数多の仲間の死を悲しみ弔いが為されている
漁師は魚を獲ることで生計を為しているけれど
私たち人間は
鰯の悲しみに思いやり
鰯の生命(いのち)を食べることで
生命が支えられている
そのことに感謝しながら
食を頂く
鰯の悲しみと同時に
漁師の労苦があって
食することができることも
忘れてはならない
喜びの蔭に悲しみがある
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