老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

790;私の関心事

2018-06-28 21:52:31 | 老い楽の詩
私の関心事

私の関心事は
「死」
何処で死を迎え
どんな「死に方」をするのか
通夜の前に
亡くなった老人の家を訪れ
お悔やみ申し上げる

寝床に臥した死顔を見て
いつも想うことは
穏やかな表情
眠っているような表情(いまにも起きそうな表情)
安らかな表情
そんな表情を残し
死んで逝けたらと想う

789;雨あがり

2018-06-28 13:06:49 | 春夏秋冬
雨あがり

雨あがりの朝
田舎の農免道路を散歩
蛙、ミミズの死骸が
あちこちに
へばりついている
志賀直哉の『城の崎にて』を連想した
蜂、イモリ、鼠の死
首に串が刺さった鼠が石を投げられ
死の恐怖に遭遇

静かに死ぬ
そう願いたいものだ

788;白い一日

2018-06-27 19:54:00 | 歌は世につれ・・・・
真っ白な陶磁器

白い一日  小椋佳作詞/井上陽水作曲

真っ白な陶磁器を眺めては飽きもせず
かといって触れもせず
そんなふうに君の周りで
僕の一日が過ぎてゆく

目の前の紙屑は古臭い手紙だし 
自分でも可笑しいし 
破り捨てて寝転がれば
僕の一日が過ぎてゆく

ある日踏み切りの向こうに君がいて 
通り過ぎる汽車を待つ
遮断機が上がり振りむいた君は 
もう大人の顔をしてるだろう

この腕を差し伸べてその肩を抱きしめて
ありふれた幸せに
落ち込めればいいのだけれど
今日も一日が過ぎてゆく


詩(うた)の意味を
深く考えるというよりも
その切ないメロデイに流され
楽しむ
一日の流れを
白い色で表現する
何もせずに一日が過ぎてゆく
出だしの真っ白な陶磁器
それは
真っ白な湯飲み茶碗(カップ)かもしれない
真っ白な色
何色にも染められていない
純粋無垢な君
白い陶磁器は
君なのかもしれない
飽きもせずに
君を眺めているだけで
今ならば
何だかストーカーと誤解されてしまう

目の前の紙屑は
書き損じた恋文なのか
今どきは
恋文より
ラインで
気持ちを
打ち明けるから
長い一日にならずに済む

遮断機が降り
通り過ぎる汽車を待つ
時間が流れ過ぎてゆき
君を
幸せにすることもできず
想いだけが通り過ぎてゆく

本当に昔のうたである

真っ白な陶磁器を手にし
ゆっくりと
眺めていたい
真っ白な花瓶に
一輪の花を挿し
眺めているのも
いいかもしれない

渡辺淳一の小説だったか
癌で亡くなった妻の遺灰の一部を
白い花瓶を陶芸家に依頼し作った
その花瓶を部屋に飾った
それは妻からの遺言でもあった





786;埋葬

2018-06-27 04:32:39 | 老いの光影 第2章

埋葬

外陰癌を患い
痛みがあっても
一つ泣き言や愚痴をこぼさず
最期まで生きた
83歳の女性
安らかな死に顔に
合掌した
何度も白髪を撫で返した

義父の従弟にあたり
身内として
担当ケアマネジャーとして
いや
人として
葬儀に参列した
九年前に
お袋の遺骨を抱いた
それ以来
彼女の遺骨を抱いた
ぬくもりが伝わった

白い陶磁器の骨壺に
白骨になった亡骸を納める
もう今は亡き
あなたを想う
弟と妹が眠る墓の隣に
土を掘り
あなたをそっと置き
土に返した
六月二十五日は
忘れられない日になった


785;雨が降っても 雨がやんでも

2018-06-21 22:05:51 | 老いびとの聲

雨が降っても 雨がやんでも

雨が降っても
雨がやんでも

雪が降っても
雪がやんでも

風が吹いても
風がやんでも

免疫抑制剤は
服用をやめられない
かっぱえびせんのよう
止まらない
やめられない

今日は
一万歩に
十歩足りず

今日は
訪問看護師と
訪問看護ステーションの夢を
語りあった
空は
青かった

784;今日は雨

2018-06-20 05:10:33 | 春夏秋冬
今日は雨

昨日は晴れ 暑かった
今日の朝は雨


子どもの頃
小学生のときだった
貧農だった我家
雪が降り積もっている
3月頃
我家では
ひよこを育てていた
ひよこでも鶏でも
弱い者をいじめをする
それは
人間社会にもある
ひよこや鶏以上に
人間の方が
残酷かもしれない

弱いひよこや鶏が居ると
みんなして
そのひよこや鶏の尻を
嘴で突っつき合う
血が出るまでいじめ尽くす
仲間と違うところがあれば
いじめの対象になる

妻はいま思うように歩けず
ふらつき転びそうになる
数日前は
毎日必ず転んでいた
転ばぬ先の杖ということで
スヌーピーの図柄入りの白い杖を買った

先日仙台の駅ビルに行ったとき
白い杖を手にしながら歩いていると
本人の耳に聞こえる声で囁く
「杖をついても足先までお洒落をするんだ」
「若いのに杖を突いている」
などと刺さるような視線
妻と同年齢位の女性が囁く
心無い言葉

そんな言葉に臆せず
外出を楽しんだ妻と私

783;これ以上被害が拡大しないことを祈ります

2018-06-18 22:03:40 | 老いびとの聲
これ以上被害が拡大しないことを祈ります

大阪大地震
亡くなった人 被害に遭われた人
お見舞い申し上げます

これ以上被害が拡大しないことを祈ります
地震大国 日本

いつ 
どこで
大地震が起きるか
わからない日本

本当に他人事ではない

被害に遭われた人々
なかなか癒えぬ傷痕

助け合い


(福島から)


782;最期は何処で死を迎えるか

2018-06-17 21:43:48 | 老いの光影 第2章
最期は何処で死を迎えるか

「我家の畳の上で死にたい」と
病床に臥した老人は呟く

最近妻と長男夫婦に見守られ
自宅で亡くなった爺様がいた
安堵の表情
「起きて」と言葉をかけると
いまにも目を覚ましそうな感じだった

いま飲み込みができなくなった老いた父親
「胃瘻はしない」と
医師をしている息子は延命を拒んだ
病院を退院し
数日家で過ごすことを考えたが
母親は介護による疲労困憊で
身体が動かなくなった
長女は残業で帰りは21時半過ぎ
ヘルパーや訪問看護師が支援に入っても
看取りの体制は難しく
家で死を迎えることは
諦めた
入院中
外出許可により
1日だけ家に帰ることを選択し
最期は病院のベッド上で自然死を迎える

老いは病を抱え死を迎える
問題は何処で
どのような形で
誰と
死を迎えるか
死ぬ前に考えておかねばならない
家族ではなく
自分のことである




781;尻の始末

2018-06-17 05:59:57 | 老いの光影 第2章
尻の始末

今日は父の日
自分の父ではないのだが
88歳の爺様
名は平助
自分の頭では理解でき得ないことがある
平助は
トイレで
糞をした後
拭かずに
そのまま
パンツを上げ
出て来る
この上なく
臭いのだが
本人は臆することなく
椅子に座る
お尻の谷間というか
肛門の周り
べたっ着いた
嫌な感触は
しないのか
と、思ってしまう
「上手くお尻拭けている?」
と、聞くと
「拭けてる」
と、とりつくろう平助

傍でその話のやりとりを聞いていても
実の息子は
沈黙のまま



780;諸刃の言葉

2018-06-16 02:56:20 | 老いびとの聲
諸刃の言葉

「諸刃の剣」という言葉から
果たして
「諸刃の言葉」が
適切な表現かどうか
自信はないけれど
使い方が間違っていたときは
お許し下さい
(そのときは コッソリとご教示ください)

言葉
日常生活の中で
何気なく使われ
言葉を失うと
本当に暗闇の気持ちになってしまう
言葉は生き物であり
言葉は
自分を含めた他者を
感動させたり生きる勇気をもたらしてくれる
悲しいとき辛いときに切ないとき苦しいとき
一言(言葉)で気持ちが救われたり楽になったりする
一枚の葉が餅や饅頭をやさしく包むように
言の葉も人の気持ちをやさしく包む

言葉は反面
諸刃の剣であり
自分の発した何気ない言葉が
他者を傷つけてしまっていることに
気づかずにいる
他者を罵倒侮蔑差別する言葉は
論外であり人間として許せない言葉だけれども

心に古傷を負っている人ほど
言葉に対し
物凄く敏感であり感受性が強い
自分はまだまだ未熟
何気なく発した言葉
それは実は
安易な気持ちで
安易な言葉を発してしまう
それは相手の気持ちが
本当にわかっていないから
安易な言葉が出る
「そんなつもりで話したわけではない」と
言い訳をしても
他者はそう思わない

他者の気持ちを
わかる
わかろうとしているか
言葉ひとつで
他者の心を
暗くも明るくもさせる
自分の心が貧しいと
言葉も貧しい
本当に
共に生きてゆく人として
言葉を発することができるよう
自戒していきたい

779;終わりが見えない

2018-06-14 08:44:51 | 阿呆者
終わりが見えない

仕事が山積み
やってもやっても
まだまだある
毎月やってくる
お決まりの仕事もある

ケアマネジャーの仕事の他に
社会保険の仕事
その他諸々

前にも
犬猫の手も借りたいと
呟いたが
犬猫の手を借りることはできず
頑張るしかない
集中力と持続力が
弱くなってきただけに
あとは精神力だけ
何とかなるさ

778;立つことも歩くこともできなくなった心

2018-06-12 12:45:22 | 老いびとの聲
立つことも歩くこともできなくなった心

自分を許せない
相手を許せない
自分を受け入れない
相手を受け入れない

立つことも
歩くことも
出来なくなった
毎日躓き転ぶ
体のあちこちをぶつけ
体中が「痛い」と悲鳴をあげている
それは
体中の悲鳴は
心の悲鳴
立つことができなくなった心
歩くこともできなくなった心

許せない相手が
視界から遠ざからない限り
心の悲鳴は
なくならないのか
身代わることのできない
心の悲鳴
ただ傍にいるだけの無力さ

777;記念のblog

2018-06-12 03:32:32 | 阿呆者
記念のblog

blog回数 777
ラッキー7
「777」が好きなのは日本人だけでなく
欧米人も好き
賭け事の世界
スロット、パチンコでも
大当たり
最高の数字
興奮の数字
でもある

blog
もう一人の「自分」との対話
わたしの中の「私」を見つめることに繋がる
妄想ではなく想像の世界
まだ見ぬ人との出会いでもあり対話でもある
お互い顔が見えぬから
お互いを尊重し合い
blogのなかで語り合おう
blogの世界から
気づきや新しい発見に遭遇する
ときどき疲れ
勝手に休んだりサボったりできるのも
blogだからできる
それは読者になって頂いた方に悪いと
感じながらも「自分」に甘えてしまう
ふと
またblogの世界に行き
blogを楽しむ
そんな風に気軽に
何処かへ出かけるみたいに
blogの世界に入る
blog777の機会に
そう想った
「これからも まだ見ぬ人たち よろしくお願いします」

776;忘れたい嫌な記憶

2018-06-11 16:12:29 | 阿呆者
忘れたい嫌な記憶

齢を重ねに重ね
還暦を過ぎた現在(いま)
忘れたい嫌な記憶が幾つかある

辛い記憶や苦しい記憶、悲しい記憶は
忘れたいとは思わない

記憶が脆くなったとき
最後まで残る記憶は何であろうか
気になるところである

出来るものなら
嫌な記憶を消してしまいたい