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上手な介護サービスの活用処方 第56話「要介護認定調査の項目」 〔53〕
5-5 買い物(介助の方法)
ここでいう「買い物」とは、食材、消耗品等の日用品を選び(必要な場合は陳列棚から商品を取り)、代金を支払うことである。
1.介助されていない
・「買い物」の介助が行われていない場合をいう
・食材等の日用品を選び、代金を支払うことを介助なしで行っている場合をいう
・店舗などに自分で電話をして注文をして、自宅へ届けてもらう場合も含む
2.見守り等
・買い物に必要な行為への「確認」「指示」「声かけ」のことである
3.一部介助
・陳列棚から取る、代金を支払う等、「買い物」の行為の一部に介助が行われている場合をいう
4.全介助
・「買い物」の全てに介助が行われて場合をいう
・店舗などまでの移動、及び店舗内での移動については含まない
・店舗等に自分でインターネットや電話をして注文をして、自宅へ届けてもらうことは、「買い物」をしていることに含む。
・家族やヘルパー等に買い物を依頼する場合は、買い物の依頼」「買い物を頼んだ人への支払い」も含めた一連の行為に
対して介助が行われているかどうかで選択する。
・本人が自分で購入したものを、介護者が清算、返品等の介助を行っている場合は、「一部介助」になる
・寝たきりでベッド上から買ってきて欲しいものを指示し、物品の手配のみをヘルパーが行っている場合は、「一部介助」になる
・近くのスーパーへ一人で買い物に行くが、不必要な物を買ってきてしまうため、家族が週1回返品に行く。「一部介助」になる
※「買い物」と次回掲載する「簡単な調理」の認定調査項目は、「全介助」の選択がほとんどである。
まだインターネットや電話により注文して購入する世代ではないが、団塊の世代が要介護を認定調査を受けるようになると、「介助されていない」人が
増えてくるであろう。
老人の場合、レジの前に並び支払いをするとき支払い動作に時間を要したり(小銭の計算や出し入れなど)、後ろの客からせかされと余計に慌ててしまう。
そんなことから買い物に行くことを億劫になる老人もいる。
その一方で特に男性老人の場合、90歳を超えても怪しげな運転操作で買い物に行かれている(地方では軽トラックが多い)。交通事故が一番心配であり、
免許の返納も早急に考えねばならない。認知症状と個人差もあり悩むところ。大切なのは免許を返納した後、出来なくなった「買い物」や用足しなどの「外出手段」を
どうカバー(支援)していくのか。誰が買い物などに連れ出していけるのか、現実は悩むところである。過疎地域ほど悩む。
「買い物」と「通院」のためだけに車の運転は必要、と在宅訪問時、老人(介護者)は話される。免許返納は、一方では認知症発症の引き金にもなるだけに、悩ましい。