南陸奥からの朝焼け
介護に休みはない
私は何故か
いま週6日稼働
週5日はケアマネジャー
週1日はデイサービスの生活相談員
〔人不足のため生活相談員を兼務している〕
本当は定年になったら
のんびりと暮らそうと思ったのだが
年金受給額の受け取り案内が届き
その額の少なさに驚愕した。
予想の半分にもなく、
その上預金も底をついていた。
あるのは妻と
beagle・genkiと100㎡の小さな平屋。
臓器移植術後も問題なく安定し
介護相談を始めた(居宅介護支援事業所を立ち上げた)。
前述したように私には週1日の休みがある。
浅山薄次郎さん(72歳)は5年前脳梗塞で倒れ
高次機能障害となり要介護4の認定を受け
いま週3回デイサービスと福祉用具貸与の介護サービスを利用されている。
妻は、厚子さん(70歳)は献身的なほど夫の介護を続けている。
在宅訪問をするたび「疲れていませんか」と気にかけている。
厚子さんは、夫の介護を始めてから
「夜は夫の(介護用)ベッドの脇で、着のみ着ままで寝ている。
お風呂は烏の行水でゆっくり入ったことがない」。
夫の傍から離れるときは、「台所へ行っているからね」「チョッと風呂に入っているからね」と
言葉をかけないと不安になり、歩きだしてしまう。
ただ歩くだけならいいのだが、足元はふらつき転倒の心配と
感情が不安定になり興奮してしまい何が何だかわからなくなってしまう。
デイサービスで(夫が)居ないときは、
買い物にもでかけず(車の免許はない)、横になり休んでいる。
近くに住む長女が週1回訪れ、一緒に出かけ息抜きの食事や買い物をしてくるだけ。
大きな脳梗塞をは発病する前、薄次郎さんは市会議員をしていたこともあり
つきあいは広く、本人曰く「夜の仕事に忙しく飲み歩いていた」。
昼夜夫は家に居なくいつも妻は「留守番役」にあった。
病気になり始めて夫が私の傍にいつも居るようになり、いまは幸せです
、と厚子さんは話してくれたことがあった。
彼女にいま何がしたいですか、と尋ねたら
「ゆっくりお風呂に入りゆっくり寝たい」と
笑ながら答える。
本当は月に数回ショートを利用できればいいのだが
この先も難しい。
妻が居ないとパニック的状態になり、妻に対し大きな声を出した殴りかかろうとする。
過去にも妻の顔が黒ずんでいたこともあった。
ショートを使うことで、夫との間において信頼関係が崩れてしまうことを危惧している。
休みのない介護が続いている・・・・。
在宅訪問やデイサービスで
薄次郎さんに会うと
どちらかともなく
お互いに右手を挙げ「おっ!」と声をかけあい、挨拶を交わす。
その仕草はかつて元気だったころを想い出す、と
横で妻は話してくれた。