老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

元気が出る歌

2023-04-23 18:52:38 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1934 やってみよう



『やってみよう』
歌:WANIMA 作詞:篠原誠 作曲:イギリス歌謡
正しいより 楽しい / 正しいより 面白い / やりたかったこと やってみよう / 失敗も思い出 /
はじめよう やってみよう / 誰でも最初は 初心者なんだから/やったことないことも やってみよう /
苦手な相手とも 話してみよう / 知らなかったこと 見たことないもの あたらしい 楽しい

悲しいときは 笑って / 寂しいときは 声出して / 雨はいつまでも 続かない / 土砂降りも楽しもう

踏み出そう よじ登ろう / 高い山ほど 絶景が待ってるから / 遠回りの道を 選んでみよう /
険しい峠には 何かがあるさ/ ありえなかったこと 出会わなかった人 / あぶなっかしい 楽しい

振り返るより 振り向いて / 掘り返すより 掘り出して / 過ぎた話は ほどほどに /
今の話をしよう

恐れず 迷わず / 同じ今日という日は 二度とないんだから / 明日よりも今日に はじめよう /
知らなかった自分と 一緒に走ろう / 思い立った日が 思いついた日が / そこが スタートだ

青いより 青い 空もそうさ / 同じに見えて いつも違う / どんな人だって同じじゃないさ /
空気なんて読まない

やってみよう

正しいより 楽しい やってみようか / 倒れるなら 前に倒れよう /
やって後悔などすることないさ / 理由なんていらない

やってみよう やってみよう やってみよ やってみよう やってみよう


『やってみよう』
この歌を聞くと元気が出る
「誰でも最初は 初心者なんだから やったことないことも やってみよう」
本当にそう思う
自分がいま始めた 介護タクシー
最初から顧客はいない
半年が過ぎ 透析療養者の「通院等乗降介助(訪問介護)」はいま3名
そのうち1名は腰椎圧迫骨折で入院されている

通院等乗降介助(介護タクシー)を行っていて いつも思うことは
「いのち」を運ぶ仕事であるだけに 安全運転に気をつけ
交通事故や転倒事故を起こさないことだ
透析療養者のシャントもつぶさないように注意も払わなければならない

「振り返るより 振り向いて」
よかった過去のことを振り返るより 前を振り向き 歩くことだ

「雨はいつまでも 続かない 土砂降りも楽しもう」
いまは苦しくても きっと楽しいことがある

「 倒れるなら 前に倒れよう」
いい台詞だね 後ろに倒れるのは大きなケガにつながる
同じ倒れるなら「前向き」に倒れる

「同じ今日という日は 二度とないんだから 明日よりも今日に はじめよう」
この歌のなかで 本当に頷いてしまう
老いてくると 「今日という日は二度とない」だけに 
いま、この時間(とき)を大切にしていきたい

そう思いながらも怠惰な時間を徒に過ごしてしまう
そんなときは『やってみようう』を聴く







渦巻き線香

2023-04-16 10:26:03 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1933 渦巻き線香



明日17日は義父の49日。
逝かれたことが信じられず「生きている」と思ったり、ふと「いない」と気づいたりする。

普通の線香は、直線の棒状になっていて、燃焼時間はだいたい数十分程度でしかない。
火をともしてから数十分で灰になって燃え尽きてしまう。
お通夜の席など、一晩中線香の火を絶やしてはいけない時などは、
普通の線香だと頻繁に火をつけなければならず大変である。

渦巻き線香は長い間火をともすことができ、お通夜などに使われる渦巻き線香は、
12時間(なかには24時間)ほど火をともすことができるので、夜中も線香の火を絶やさずにいられる。

煙を出し燃えている渦巻き線香を眺めながら、渦巻き線香は人生のように思えてきた。
燃え始め、最初の一回りは時間が長い。
それは子どもの時間のようにも映る。
線香が燃え尽きるのはまだまだ先のことであり、「子どもの頃の時間はゆっくりと流れている。
「もういくつ寝るとお正月」の歌は、クリスマスや正月が来るのを本当に待ち遠しく待ったのも随分過去のこと。

時間の流れは知らぬ間に過ぎ往き、
気がついたら渦巻き線香は最後の一回りになり、
残された時間はあとわずかになった。

線香が燃え尽きたら、臨終となる。
時間は眼に映らない。
時間は無常に流れ往く。
老いを迎え、老いの齢を重ね往き、
渦巻き線香の如く燃え尽きる。
最期は穏かな表情(顔)で眠るように逝けたら「幸福(しあわせ)だ」。

桜は生きる

2023-04-11 08:30:40 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1932 桜と生きる






BS1 沁みる夜汽車 、という10分番組がある
「桜と生きる」が放映された
松浦鉄道浦ノ崎駅のプラットホームは桜の名所で知られている
その桜の木々は病気になり枯れてしまい花は咲かなかくなった

井手一雄(69歳)さんは、 49歳のとき胃癌がわかり、胃を全摘出した
別の病気が併発し長年勤務した仕事を辞めざるを得なかった
52歳のとき、妻の実家に移り住んだ
「どう生きていけばいいか、わからなくなってきた」
「何も出来ないもどかしさ」「自分のふがいなさ」に悶々としていた。

ある日、妻は一ボソリと呟いた。
「(浦ノ崎駅の)桜が咲かないと寂しいわね」
何もしなければ枯れていくだけ。
でも、手当てをすれば、きっと花が咲く。
「共に病気をかかっているもの同士」
桜と自分が重なった



桜を見て、今年も桜に出会えた
桜を見て癒されて
長生き出来ているんじゃないかな





井手夫婦は桜のトンネルをくぐり抜ける電車を見送る

春ナノニ雪ガ降ッテイル

2023-04-09 08:31:30 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1931 春ナノニ雪ガ降ッテイル

夜中にwifeが目を覚まし「寒い」と言った
「電気シーツスイッチ入れたら」と寝ぼけ声で話した自分

5時に目を覚まし大きな窓のカーテンを少しあけたら雪景色だった
齢拾になったbeagle元気と寒い空気のなか散歩に出かける



家を出た先の縁石の脇に雪衣をまとった「白い花」(雪が積もり白い花に映った)



南陸奥に住んでいる団地の桜並木は雪化粧
水仙は雪が積もり首を垂れ、話しかけると「雪が冷たく重い」と話しているようだ



いつも通り路の阿武隈川岸辺は雪で覆われ、春だったので碧い草が見え隠れしている



一度は枯れ木になりかけた枝に桜が咲いていた
これから咲く小さな桜の花にも出会えた
元気も桜を眺めている





春ナノニ雪ガ降ル
春カラ冬ヘ季節ハ戻ルコトハナイ


昨日wifeと珈琲を飲みながらくつろいだ
ホッと紅茶を頼んだら
上から下に「落ちる」砂時計を生まれて初めてだった
子ども心に帰り楽しくなり、砂時計をひっくり返し
上に「落ちる」青い砂を楽しんだ

時間も上に「上り」過去に帰れることができたら、と思う





空蝉

2023-04-08 18:29:03 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1930 空蝉



         ほとんど人も車も通らない死んだような路の両脇に桜並木がある 

空蝉

梅雨が明けると
蝉は鳴き始める
地上に生きている時間は儚く短い
それでも蝉は生きていると
力の限り鳴き叫ぶ
蝉を見倣い
私も今日力の限り生きてみようか
蝉の抜け殻のまま
蝉は帰って来ない
私には帰る家がある

空蝉は、蝉の抜け殻を指す言葉だけれども、
自分の心も同様に抜け殻の如くあり、生きる屍の態にある。
暑い夏、木々のなかで、蝉たちは鳴いている。
いままで自分は、蝉の鳴き声は喧騒であり心苛つかせ、余計に暑さを感じていた。

寝たきり拾年と言われ、畳一畳より幾分広い介護用ベッドの上で
寝たきり老人は幾日も昼夜を過ごしてきた。
その老人は自力で寝返りすることもできず、
四肢は拘縮したまま、ジッと天井を見つめたまま、
窓の外にある四季の移ろいさえ感ずることさえなかった。
それでも老人は静かに力の限り生き続けてきた。

空蝉は、脱皮した蝉の抜け殻であり、
これから生きている時間は儚く短いけれども、
「蝉は生きている」、と力の限り泣き叫ぶ。

季節外れのブログになってしまった。
桜の花が散りゆく風景は
無常なのか、それとも来春への希望なのか

最近、人工透析治療を受けている女性に出会った
ことしの春で98の齢を重ねた
腰椎圧迫骨折で半年余り入院され要介護4の認定を受けた
負けじと介護用ベッドから自力で起き上がり、立ち上がり、立ち、歩こうとした
凄いぞ 婆さん



自分は最近左膝 半月板損傷と診断された
保存療法を選択
今日4月8日はお釈迦様の誕生日
我が家の愛犬 beagle元気も同じ4月8日 10の齢を重ねた



義父35日

2023-04-03 05:00:57 | 老いの光影 第10章 老いの旅人たち
1928 義父35日


過ぎてしまった時間(こと)は早い
今日は義父の35日
腰痛圧迫骨折が引き金となり寝たきりになった
最後は自宅で妻嬢二人に囲まれ
息を引き取る数分まで言葉を交わしていた

居た人が居なくなる
傍にいない
仏壇に置いてある遺影に話しかけることしかない

老いにある自分にとり
喪失は辛くわが身を重ねてしまう

老いの迎え方
老いの感じ方
老いの生き方
死に方
ふと、思ってしまった