早朝、近所のみかん農家から電話がかかってきた。
極早生みかんの「上野」、もろてくれへん。今日が出荷最終日なんやけど、2S以下の選別が間に合わんのよ。
「ゆら早生」みたいな味ではないけど・・・と。
我が倉庫には、食べきれないほどの「ゆら早生みかん」が残っている。他の「極早生みかん」は食べたくない。
でも、ご近所さんはいつも気にかけてくれているし、行き場のないみかんも可哀そうだし、「いらん」とは言えなかった。
・・・・・・
家内は軽トラで行ったらと言ってくれたが、体を動かすために手押し車でもらいに行った。
「ゆら早生」は11/4が出荷最終日やけど、この「上野」は今日までなんや。
「ゆら早生」やったら2S以上が規格品やけど、この「上野」はS以上が規格品や。
ここにあるのは出荷規格外の2Sばかりやけど、選別すれば加工品で出荷できる。でも選別が間に合わん。選別しても、コンテナ1杯、数百円やけど。
『選別していないから、色合いが悪かったり生傷や腐敗果が入っているかもわからん。変なん入っていたら畑へ棄ててもらわなあかんけど・・・
「ゆら早生」に比べたら味も薄いし・・・食べてみて・・・』と。
味見した。
予想通り、味が薄くさっぱり味だった。
「もらっていく。おおきに」
積まれた何十ものコンテナから、手押し車に2杯を載せた。軽トラで行かなくて良かった・・・
でも、この「上野」。「ゆら早生」が生まれなかったら扱いは変わっていただろうに・・・ 可哀そうやなあ・・・
我が家には、倉庫に余るほど「ゆら早生みかん」がある。
倉庫でもらった「上野」を選別しながら、頭の中で「貰い手探し検索」が始まった。
「このさっぱり味で喜んでくれそうな人は、誰やろか・・・」
産地ならではの贅沢をさせてもらっている。