自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

これはすごい! スタンディングオベーション!

2015-12-08 | 随想

わたしの家族は劇団四季のミュージカルが大のお気に入り。わたしも,それに乗せられてこれまでに何度か劇場に足を運びました。その都度,ぐっと印象に残る出会いができたように思うのですが,今回は,それらとはずいぶん違っていました。

なにが違っていたのか一言でいえば,ステージと観客席との一体感,両者の間にある見えない糸のようなつながりがとくべつ強烈であったように思うのです。そのことをすこしばかり。

観たミュージカルは『ライオンキング』。劇場は大阪四季劇場。席は前から8列目の真ん中付近。一緒に行ったのは家族・親戚4人です。


ストーリーには触れず,その他のことに限って書きます。大道具・小道具のスゴサ。第一,キングを支える動物たちの裾野の広がりが圧巻です。よくもあれだけの工夫をしたものよ,と驚き入るばかり。

演技や演出のすばらしさもいうまでもないのですが,目の前で観ることで出演者の呼吸や表情,からだからリズムを持って湧き出すエネルギーが容赦なく伝わってきたのです。眼,口,汗,……,とにかく,それらすべて。これには,終始圧倒されました。

さらには,生パーカッションの演奏がつくり出すサバンナのイメージ。


飽くなき質の追求を怠ることのない,もっといえば質への妥協がない劇団の方向性が凝縮して見えました。結果,自然には欠かせないバランス,平和といったものが強く印象づけられたのでした。

3時間が終わってみると,さらに感動的な結末が待っていました。カーテンコールがなんと10分以上も続いたのです。もうおしまいと思っていたら,また幕が上がって,今度こそもうおしまいだろうなと思っていると,またまた幕が上がって,といったふうでした。たぶんですが,キャストの皆さんはこの日演じて,なぜかとても心地よかったのだと思うのです。

観客のほんとうに多くがスタンディングオベーションで惜しみない賛辞を送りました。もちろんわたしもです。口をついて出たのは「ブラボー!」。もう感動,感動ですね。これぞ,エンターテイメントです。

終わって,わたしたち4人は「今日来て,ほんとうによかったね」と話しながら家路についたのでした。こころに栄養をもらった一日だったと,ここでも感謝。