庭の石にアオマツムシがじっとしていました。メスです。日陰だったので,活動するにはまだ体温が上がっていないのでしょう。といっても,たとえ活動しても,今の気温ではじゅうぶんに動き回れるとは思われません。もう卵を産んでいて,死を待つばかりなのかもしれません。
体長に匹敵するほど長い触角は,あっぱれ。3.5㎝もあります。これで餌を探したり,危険を察知したりするのでしょう。
複眼の様子を見ようと,アップで撮りました。透明感のある眼をしています。それを構成するのは無数の個眼。これはミクロの驚異といい表すに値します。
後脚辺りを見ようと思い,近づいて撮影。脚にある突起,毛の様子がよくわかります。肉眼では確認できない世界です。脚はこの突起と毛で,接触物や水滴の付着などから保護されているのでしょう。翅脈も真に細かく,秩序正しく構成されています。
いのちを精一杯に生きたアオマツムシが,静かに活動を終えようとしています。先に「死を待つばかりなのかも」と書きましたが,どうもその直前の姿だったように思うのです。