自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

超接写がたのしい夏(13)~アリのなかま~

2017-07-25 | 生物

メドハギの茎にカイガラムシのようなものが一つ。どこまでも❝ようなもの❞ であって,それがいきているかどうかはわかりません。からだ(?)からは白い毛のようなものがかなり出ています。そして白いものがたくさん付着。白いものは甘味成分かもしれません。

そこにアリが二匹いました。しきりに甘味成分を口にしている様子。触角をそれに向け,忙しく動かし続けています。

アリの体長は2mm足らず。一匹は触角の一つを失っていました。

 

 

うんと迫って撮ると,知らなかった世界が拡がってきます。見えなかった世界が見えてきます。 体表の毛も立派そう。

 

 

もう一匹も,忙しく動き回りました。

 

 

まれに,からだをきれいにするしぐさをしました。 

 

 

アリのからだのつくりがこんなふうになっているのかと,ついついびっくりしてしまいます。頭・胸・頭が明瞭に分かれ,運動器官の脚が胸部にしっかり固定されています。脚力の程が想像できます。

 

 

大顎のすごさが見えます。頭部のかなりの部分を担っています。からだに占める頭部の大きさは,アリのかしこさを伝えています。 

 

 

頭部,それも大顎をしっかり撮りたくなりました。チャンスを待ちました。 

 

世間ではヒアリ対策のことが話題になっています。こういうアリに刺されることを想像しただけで,腰を抜かしてしまいます。噛まれるのでなく,さらに刺すという武器を備えているらしいのですから。 

 

この写真を撮っている間に,足の甲を別のアリにチクリとやられました。素足はよくありません。 

 


ヤマトシジミの卵

2017-07-25 | ヤマトシジミ

7月9日(日)。草引きをしていてヤマトシジミの卵を見かけました。さっそくコンデジで超接写撮影をしてみました。下写真の横寸視野はは1.5~2.0mmといったところです。したがって,卵の直径は0.3mm。

 

トリミングしてみると……。 わずか0.3mmの卵にこんな幾何学模様がつくれるしくみのふしぎをついつい思いました。体内でどんなふうにつくられていくのでしょうか。

 

7月10日(月)。上写真の卵が不幸にして落下し,見当たりません。代わりに,近くの葉に付いていた卵を観察することに。形がよくわかります。

 

 

正面写真をトリミング。

 

さらにアップ。卵の直径の小ささを思うと,ほんとうにふしぎな世界が迫って来ます。孵化すればよいのですが。

 

 

7月11日(火)。朝見ると,卵の形跡なし。ふしぎ,ふしぎ。孵化を超接写で捕ろうと思っていたのに,残念。なければやむなし。夏はヤマトシジミの産卵期なので,この先チャンスはいくらでもあると思い,次の機会を待つほかありません。 

 


夏のキタキチョウ,孵化へ(続)

2017-07-24 | 昆虫

7月24日(月)。朝。中が薄っすら見えかけた卵あり。孵化に向かって着実に変化が進んでいます。昨夜は孵化場面を見逃しました。今度は見届けようと思います。

 

なんだか薄っすらと。

 

これも,そんな気持ちで観察すると見えそうな。

 

夕方。孵化は明日になりそう。

 

これはまちがいなく,今晩孵化するでしょう。体毛が見えます。チャンス到来! 

 

         

      (つづく)

 

 


夏のキタキチョウ,孵化へ

2017-07-24 | 昆虫

7月23日(日)。N公園にて。

キタキチョウが飛んでいるのを見かけました。それで,メドハギを見ていくと,さっそくキタキチョウの卵が見つかりました。「ほっ,ほーっ!」と納得。

さらに探していくと,卵が次々見つかりました。 

 

産付後,どれぐらい経っているのでしょうか。

 

卵を持ち帰り,時間をかけて撮影しました。卵の長さ(高さ)は0.6mm。中には,毛が見えているものがありました。孵化間近なのです。

 

30分後に見ると,もう孵化済み。殻から出てくるリアルな画像は得られず。惜しい! 口も複眼も見えます。

 

殻をどんどん食べていきました。純白のからだが輝いています。

 

すっかり殻がなくなりました。このときの体長は0.9mmほど。

 

 

残りの卵についても目が離せません。 

 


ジャコウアゲハ観察記(その373)

2017-07-23 | ジャコウアゲハ

7月17日(月)。継続観察中の卵に穴が。いよいよ孵化のときが訪れました。 

 

どんどん穴が開けられていきます。

 

そのうちに頭が。側単眼が見えます。

 

殻からすっかりからだが出ました。 

 

幼虫はからだを反転。

 

そうして,殻を食べ始めました。口の動きが手に取るように伝わってきました。 

 

幼虫は殻を食べ尽くしました。 

孵化の風景は,わたしのこころをわしづかみします。

 

 


ジャコウアゲハ観察記(その372)

2017-07-22 | ジャコウアゲハ

アゲハの庭園ではジャコウアゲハの羽化が続いています。近頃はとくべつに観察対象にしているわけではありません。あっちで羽化,こっちで羽化,そんなふうに適当に目に入るという感じです。

生きもののいのちはいつ,どんなふうに,どんな災いに襲いかかられるかわかりません。いのちを絶つのがほとんどという世界では日常的な話です。ジャコウアゲハも例外ではありません。卵,幼虫,蛹,成虫,それぞれの時代に災難が降りかかって来ます。それを乗り越えて生き抜くことがどんなにたいへんか,観察を続けているとなんだか見えてくる感じ。

羽化直後のジャコウアゲハが,なぜかそのまま落下。直近の都合のよい脚場を探せばよいものを,落ちたままもがき続け,ついにはアリに襲われているところを見ました。アゲハはまだピクンピクンと翅を動かし,からだをひねるようにしていました。アリはそうしたことにはまったく無頓着で襲いかかっているのでした。

 

 

次々に襲いかかってくるアリ。これは堪らないとばかりになんとかしようとしても,なんともならないアゲハ。 

 

この様子を見ていて,「アリは怖い! 」と実感しました。これも自然の摂理といえば,そうなのです。

 


ヤマトシジミの産卵

2017-07-21 | ヤマトシジミ

我が家の庭にて。

ちょっと気を抜いていると,草がぼうぼう。夏は草とのたたかいです。熱中症にならないよう,できるだけ早朝とか夕刻とか,曇りの日とかにするようにしています。

カタバミは種子散布の天才です。さっさと種をつくって,ぱちーんとそれを飛ばします。引いても引いてもなくなることはありません。それを食草にしているのがヤマトシジミです。いくらでもやって来ます。というより,棲み付いているといった感じ。

「ははーん,産卵だな」。そう思っていると,「やっぱり!」という結果が度々。それで,メスが訪れたり,ペアが求愛行動を繰り返したりしているときは,注意して見ることにしています。

この日も産卵行動が見られました。2頭でしたが,それぞれにきっちり産卵しました。 

 

場所を変えて,すぐに産卵。

 

産卵すべき葉がヤマトシジミの目にどのように識別されるのか,ふしぎなほどです。

 

同じ時間帯,別固体が産卵行動をしていました。 

 

別の葉にも。

 

どんどん産み付けていきました。 

 

葉の裏に産卵するということがインプットされているのです。 

 

同じこの日,草引きをしていて,葉の表側で卵を見たのは3例。ときには,間違ってか,そんな産卵もあるのです。

 


超接写がたのしい夏(12)~ナナフシ,カベアナタカラダニ~

2017-07-20 | 生物

ナナフシがコンクリート壁にいました。久しぶりに見ました。ところが,妙なことに赤い粒状のものがからだのあちこちに付着しています。 

 

おかしなものがあるものだと思いながら,超接写で確認。それでびっくり。赤いものはダニ。それが体液を吸っているのでした。後で調べると,カベアナタカラダニと判明しました。からだの構造は,外見ではいたって単純な感じがします。

 

口吻を突き刺し,からだを完全に浮かせています。丈夫な口吻! からだには体液がたっぷり入っているのでしょう,ずいぶん膨らんでいます。

 

脚先にも,小さめのダニが付いていました。

 

頭部にも。 

 

この状況はナナフシには致命的と思われます。かわいそうですが,自然界では何が起こるやらわかりません。いのちはいつも厳しい環境を生き延びているのです。

なお,ネット情報ではこのダニはヒトには害を及ぼさないのだそうです。

日々超接写をたのしんでいると,世界が拡がって見えてきます。発見が続くといってもいい過ぎではありません。自然を友とするには頼もしい手だと感謝しています。

 


シロツメクサとセイヨウミツバチ

2017-07-19 | 昆虫と花

わずか数匹のセイヨウミツバチが,羽音をさせてシロツメクサを巡っていました。この花はチョウを歓迎しませんが,ミツバチのような口吻をもつ昆虫なら大歓迎。ミツバチは送受粉に大いに貢献しているのです。

できたらこの吻が撮れたらいいなと思いながら,後を追ってみました。盛んに動くので,静止画像を撮るのは大変。コンデジを使っているために止むを得ません。わずかに口吻が見えたと思ったら,ピントが甘くなってしまったり。

 

今度こそ吻が見えたらと思ったら,全身が入っていなかったり。とはいえ,長く伸びた,赤い口吻がお見事。

 

全身が入って撮れたと思ったら,吻が撮れていなかったり。 

 

それでも,ミツバチのひたむきな行動ぶりはお伝えできるでしょうか。

 

いずれは時間をかけて,満足のゆく画像を得たいなあと願っています。 

 


超接写がたのしい夏(11)~ジャコウアゲハ(孵化)~

2017-07-18 | 生物

ジャコウアゲハの話題はカテゴリー『ジャコウアゲハ』に入れたいのですが,超接写の目で捉えたという経緯から敢えて本シリーズに入れました。

中から幼虫が殻に穴を開けています。口の辺りがすこしだけ見えます。

 

穴がずいぶん大きくなりました。頭部がはっきり見えています。これで出て来るでしょう。

 

やっぱり! 頭をすっぽり出して,誕生した瞬間です。 

 

脚が出て,着地。

 

腹脚が着地。これで全身が出ました。

 

幼虫は体長が2mmあまり。レンズをとおして見る極小世界,小さないのちがこころを打ちます。