お仕事が早く終わったので、先日、入院したというお知らせを頂いた上司のお見舞いに行きました。
「仕事が早く終わったので、これから伺っても良いですか?」
とメールをしたところ、すぐに奥様から「お待ちしています」とお返事が来ました。
(ありがとうございます)
病室に行くと、看護師さんが
「今、おむつ交換をしているので、少しお待ち頂けますか?」
と。
部屋の外で待っていると、廊下の向こうから歩いて来た方が
「ひでんかさんですか?」
「ハイ」
奥様でした。
先日のお電話の前も、何度かお電話ではお話したことがありますが、直接最後にお会いしたのは、もう20年近く前です。
(在職時代も、しょっちゅうお目にかかっていたわけでは無いので、当然、お互いの顔も...)
待っている間に談話室で、入院したときの様子などを詳しく伺いました。
救急車の中では、自分で症状を説明したり、病院に着いてからも暫くは、家族に意思表示をしていたことなど。
それが、お医者様に
「心臓は動いていますが、呼吸が止まっています」
と言われ、それからは機械で呼吸を管理しながら、ずっと眠ったままだと。
「しばらくの間は、誰に何を言われても理解できないような状態で、病状を説明するお医者さんからは何度「ちゃんと分かっていますか?」と聞かれたことか...」
看護師さんが処置が終わったと声をかけてくださり、久しぶりに対面しました。
直接お会いするのは10年ぶりくらいでしょうか。
「久しぶりなので、おじいちゃんになっていたらどうしよう(?)」
と思ったのですけれど、眠っている顔は本当に昔のままです。
(対面前に奥様から「ものすご~く太ったんですよ」と言われたのですが、むくみのせいもあるのでしょうが、アゴのあたりは確かに太くなっていますけれど、体はお布団で隠れているのでセーフ(?)
ICUから出てしばらくは、熱が出たり、しゃっくりが止まらず、そのたびに体調を管理している機械のアラームが鳴るので、毎日ハラハラしていたそうですが、先週あたりからは落ち着いた日が続いているとのこと。
人工呼吸器が空気を送っていると分かっていても、規則正しい胸の動きは、気持ちよさそうに眠っているかのようです。
3人部屋ですが、2つのベッドは空いているので個室状態。
そんな気軽さからか、奥様と1時間以上、ベッドサイドで話しをしてしまいました。
昔の話で盛り上がっていると、時々、機械がピピピピ鳴ります。
もしかたしら「うるさいなぁ~」と怒っていたのかもしれません。
奥様のお話では、「まとめることが得意(?)」だったので、
まとめて仕事、まとめて寝る、まとめて食べる
で、今は、今までの人生の足りなかった睡眠時間分をまとめて取っているのかも...?
また、「面倒くさがり屋」さんでもあったので、自分で呼吸しなくてもいいとわかって、機械がやってくれている間は、「自分で呼吸しなくてもいいか」と思っているのかもしれません。
(なので、そのうち飽きるでしょう?!?)
帰りは玄関まで送ってくださった奥様。
「あの日、なぜ、ひでんかさんにお電話したのか、自分でもよくわからないのですが、メールを頂いたり、こうして来ていただいてお話しもできて嬉しかったです。」
お電話いただいたときの様子は、病人よりも奥様の方が心配でしたが、直接お会いして、お元気そうな様子に安心しました。
「こちらこそ、お知らせいただいて、ありがとうございました」
脳波を調べた結果、耳から聞こえる音には脳が反応しているそうなので、今度来るときは、耳元で嫌いな音(?)でも、お聞かせしてみましょうか。
(目が覚めるかも???)
「医学的想定外」は、身近でもよく耳にするので、「ある」ことを信じましょう。