「ライオンキング」の福岡公演に行ってきました。
小さい子供連れの家族や、老夫婦、中高生のカップルなど
客層の統一感の無さが「ライオンキング」という作品の懐の
深さを表しています。
マントヒヒのムファサのアカペラから始まり、客席側から
動物の衣装を身にまとった人達がステージに挙がって行きます。
すなわち、王子シンバが誕生し、プライドロックの動物達への
お披露目行事の場面から始まりました。象やキリンなど大きな
動物の登場には観客の歓声が沸きあがりました。
始まって数分で一気にヒートアップし、圧倒的なスケール感に
ただただ驚きと興奮が湧き上がりました。
歌唱力、演技力、絢爛豪華な衣装、舞台装置、あらゆる効果、
生演奏のパーカッションやアンサンブルが繰り広げる迫力は
僕の期待や想像を遥かに上回るものがありました。
「ライオンキング」の原作はディズニーのアニメです。だから
子供向けのファンタジーという偏見を持っている人がいるかも
しれませんが、動物の王位継承をテーマに、深く心に響く
「親子」「家族」「友達」「仲間」「愛」「自然界の摂理」
「先祖」など、現代人が軽薄になりがちな事を動物世界に
重ね合わせ描いています。
原作が2次元のアニメゆえ、あの壮大なスケールを舞台上で
表現出来るか不安でしたが、ミュージカルが始まり数分後に
は、そんな不安も消え去り、サプライズの連続に驚愕しっぱ
なしでした。アフリカの大草原や、ジャングルが舞台にちゃんと
ありました。
僕は先週からDVDで再復習していたので、ストーリー展開は
全て知っていました。だから、アニメ版でも躍動感がアリアリ
だったヌーの大暴走・・・すなわち、国王ムファサが死に
王子シンバが「プライド・ランド」を去るシーンです。
あの数千頭のヌーの大群を、どうやったら表現出来るのか
楽しみでした。舞台装置と、ヌー役の暴走により見事に
大群を表現出来ていました。
シンバは「プライド・ランド」と「王位継承」を捨て、
砂漠で死に掛けました。そこで、救出し、後に友達に
なりジャングル生活を共にした「ティモン」と
「プンバァ」がウケます。「ティモン」と「プンバァ」は
福岡アレンジで博多弁を喋ります。それが、かなり自然で
本当に福岡の人じゃないか?と思うぐらい身についています。
「ティモン」「プンバァ」のキャラクターにピッタリはまって
いました。
アニメ映画版には無い舞台用の楽曲も数多くあったり、映画の
シーンを削ったりと、舞台用アレンジはしてありましたが、アニメ
版以上の魅了される世界がステージにありました。
光と影、優劣、などは現代社会の「勝ち組、負け組」に通じます。
簡単に言うと、王家の血筋の兄弟がいて、長男ムファサは王様になり、
次男スカーは王様への野望を持つ。長男である王様に跡継ぎの子供が
生まれ、次男スカーの王への道はほぼ絶たれました。だから、次男
スカーは王ムファサを殺し、王子シンバを追放しました。
プライド・ランドはスカーが国王になり、ハイエナが家来とし支え
荒れ果て、かつての繁栄の面影が無いほど荒廃しました。
シンバの幼馴染であるナラと偶然再会し、今のプライド・ランドの
現状を聞きます。揺れ動く心を、ラフィキが導き、奪われた王位継承
の座を取り戻すためにシンバはスカーを攻めにいきます。
壮大なスケール感で迫力満点のステージは、何度も見にいくリピーター
がいるのも納得でした。僕も時間とお金があったら8月の公演期間
中にもう1度ぐらい見たいです。