90年代後期ぐらいからトリビュート盤ブームで、ビッグアー
ティストを、複数のミュージシャンがカバーする形態のアルバムが
無数に出回りました。
猫も杓子もトリビュート盤を出し、殆どが大物のネームバリュー
に依存したものや、単なるブームに便乗したお粗末作品でした。
それゆえ、トリビュート盤ブームは一段落しましたが、
今度はカバー曲ブームです。
「中森明菜」が演歌カバーや、「松本孝弘」がナツメロカバー
で大ヒットしたのをキッカケなのか、「福山雅治」「TOKIO」
「森山良子」「夏川りみ」「中村あゆみ」「島谷ひとみ」
「つんく」「平原綾香」「布施明」「徳永英明」などなど、
続々とカバーアルバムを発売しています。
僕が最近購入した「エリック・マーティン」の「MRボーカリスト」
もそうですが、いつもの音楽性と全く違う路線のカバーは新鮮で
ファンへのサプライズに成り面白いです。ただ、「エリック・マーティン」
は原曲に何の思い入れも無く、ただ、レコード会社が提示した歌を
歌っただけです。
複数の演歌歌手によるカバー企画盤「エンカのチカラ」の良い点は、
原曲のイメージを崩さないアレンジで、演歌では無く、あくまで
JーPOPに演歌歌手が挑戦って企画であるゆえ原型に近いです。
そうでなければ原曲に思い入れが強い人には受け入れがたいです。
それゆえ「パット・ブーン」の「ノー・モア・ミスター・ナイス・ガイ」
は、何じゃありゃ?と、言いたいです。
「砂に書いたラブレター」や「四月の恋」を朗々と歌っていた、あの
「パット・ブーン」がヘヴィメタルを歌ったら・・・という企画は
面白いものの、駄作である事は買う前に容易に想像ついたので、長年
買いそびれ、つに購入しました。
思い入れが強い曲ばかりです。
「ジューダス・プリースト」「ディープ・パープル」「AC/DC」
「ヴァン・ヘイレン」「メタリカ」「アリス・クーパー」「ディオ」
「ガンズ&ローゼス」「ジミ・ヘンドリックス」「オジー・オズボーン」
「レッド・ツェッペリン」などを、「パット・ブーン」が・・・
蓋を開けてみたら、メタル色ゼロです。メロディや歌詞は一緒でも、
完全に「パット・ブーン」の音楽スタイルに成っています。
囁きボイスで、軽く歌い、フォーンセクションでお洒落さを出して
いるのが1,2曲なら楽しめますが、アルバム1枚聴くと嫌悪感が
生じます。
ヘヴィメタルに愛着も敬意も無い人が、ネタとして作る物は、この
程度でしょうね。