2021年4月14日、東北周遊車中泊旅の8日目です。前夜は雨の中を走って七戸までやってきました。もう少しでこの旅で初めての太平洋側にでます。朝には雨が上がったこの日は三陸海岸の景観を楽しみながら走ろうと考えていたのですが、どうも空模様が怪しい。
例によってリンゴとトマトとコーヒーで腹ごしらえを済ませた後、ひとまずお土産購入のために八戸の「八食センター」を目指しました。ところが、行ってみると八食センターの市場はお休み。事前の調べでは営業しているはずだったのですが何故だか臨時休業。何人ものお客さんが「あれ?」という表情で帰っていきました。仕方がないのでこれまた楽しみにしていた安くて美味しいご飯を食べることにしました。「いちば亭」というお店で、青森のお肉のすき焼き定食と海の幸たくさんの八食漁師鍋定食をいただきました。値段は忘れてしまったけど本当に安くて美味しかった。しかも、テイクアウト売り場で弁当まで買ってしまった。それくらい安くて美味しくて、満足度がかなり高いお店でした。
ただ残念なことに、ここでご飯を食べている間に雨が降り出しました。いよいよ三陸海岸と思って走り出すとさらに雨脚が強くなってきたので、海岸線の眺望はあきらめることにしました。子供のころから一度は見てみたいと思っていたリアス式海岸の代表選手、その頃は陸中海岸という名で覚えていました。
そして海岸沿いの景観をあきらめて目指したのは少し内陸部にはいったところにある「龍泉洞」という鍾乳洞です。最初は海岸沿いを走ろうと思っていたのですが、山麓沿いの高速道路「八戸久慈自動車道」が無料だと知って、少しでも時間を稼ごうと高速を走ることにしました。それでも龍泉洞までは2時間ほどかかりました。
龍泉洞は山口県の秋芳洞、高知県の龍河洞とならんで日本最大鍾乳洞のひとつでコウモリや地底湖で有名ですが、実は今回の旅の前に調べていて初めて知りました。平日でもあり天気も悪かったので、観光客はほとんどいなくて洞窟をほぼ独占することができました。ここは洞窟そのものよりも何といっても地底湖が見どころです。とくに第三地底湖は深さが98メートルもあって、沈められたライトに浮かび上がる深くて澄んだ水を眺めていると引き込まれそうなる。その美しさに感動するとともに、なんだか胸のあたりがワサワサとして恐怖心が沸き起こってきました。
いまだに全容が解明されていなくて調査が続けられているようですが、この洞窟が発見されてから観光スポットして整備されてきたこれまでの歴史を写真で紹介する展示がたいへん興味深かった。現在のような歩道がないときは小舟に乗って洞窟に入り込んだそうです。
この日は気仙沼あたりまで行こうと思っていたので、このあとも無料の高速を使うことにしました。少し標高のある山麓沿いを走る道路からは時おり海岸の様子を垣間見ることができるのですが、どこの入り江にもコンクリートの堤防が築かれているのが見えて何とも複雑な思いになりました。地震、噴火、台風など自然災害の多いこの日本で自然と共生するための手段としてやむを得ないんだろうな。
17時半ころに陸前高田市にある「高田松原津波復興祈念公園」に到着しました。ここは「道の駅高田松原」を併設しているので少しでもお金を使おうと思って閉店の18時前までお土産を探しました。そしてお店を出ると太陽はすでに西の山の向こうに沈んでいました。
この公園は東日本大震災による犠牲者への追悼と鎮魂、震災の記憶と教訓の後世への伝承の場として整備され、国営の追悼・祈念施設が設けられています。到着時間が遅かったので施設に入ることはできませんでしたが、夕暮れに浮かぶ奇跡の一本松を目の当たりにし、かつての名勝高田松原を覆うように築かれた堤防に登ってみると10年前の映像が蘇ってきて、いたたまれなくなりました。
いつの間にか雨が上がっていましたが、太陽が沈んで海からの風が吹きつけて一段と冷え込んできました。公園の駐車場で朝買っておいたお弁当を食べたあとGoogleで温泉を探してみたのですが、このあたりはあまりお風呂がないようで、あまりの寒さに深く考えずに選んだのが山の上にある「弁天開運の湯」というところ。失敗だったかな。
東京を出てからここまで、埼玉、栃木、福島と内陸部を北上したあと、山形で日本海へ出て、その後は日本海沿岸を北上して青森でターン、そしてこの日は太平洋岸を南下してきました。ここからは、中尊寺の金色堂を見ておきたかったのと、往路でいったんあきらめた田沢湖にやっぱり行ってみたかったので、もう一度内陸部に入ることにしました。それで、お風呂を出たあと西に向かって山を越え、この日の車中泊は「道の駅平泉」に決めました。
(9日目に続く)
例によってリンゴとトマトとコーヒーで腹ごしらえを済ませた後、ひとまずお土産購入のために八戸の「八食センター」を目指しました。ところが、行ってみると八食センターの市場はお休み。事前の調べでは営業しているはずだったのですが何故だか臨時休業。何人ものお客さんが「あれ?」という表情で帰っていきました。仕方がないのでこれまた楽しみにしていた安くて美味しいご飯を食べることにしました。「いちば亭」というお店で、青森のお肉のすき焼き定食と海の幸たくさんの八食漁師鍋定食をいただきました。値段は忘れてしまったけど本当に安くて美味しかった。しかも、テイクアウト売り場で弁当まで買ってしまった。それくらい安くて美味しくて、満足度がかなり高いお店でした。
ただ残念なことに、ここでご飯を食べている間に雨が降り出しました。いよいよ三陸海岸と思って走り出すとさらに雨脚が強くなってきたので、海岸線の眺望はあきらめることにしました。子供のころから一度は見てみたいと思っていたリアス式海岸の代表選手、その頃は陸中海岸という名で覚えていました。
そして海岸沿いの景観をあきらめて目指したのは少し内陸部にはいったところにある「龍泉洞」という鍾乳洞です。最初は海岸沿いを走ろうと思っていたのですが、山麓沿いの高速道路「八戸久慈自動車道」が無料だと知って、少しでも時間を稼ごうと高速を走ることにしました。それでも龍泉洞までは2時間ほどかかりました。
龍泉洞は山口県の秋芳洞、高知県の龍河洞とならんで日本最大鍾乳洞のひとつでコウモリや地底湖で有名ですが、実は今回の旅の前に調べていて初めて知りました。平日でもあり天気も悪かったので、観光客はほとんどいなくて洞窟をほぼ独占することができました。ここは洞窟そのものよりも何といっても地底湖が見どころです。とくに第三地底湖は深さが98メートルもあって、沈められたライトに浮かび上がる深くて澄んだ水を眺めていると引き込まれそうなる。その美しさに感動するとともに、なんだか胸のあたりがワサワサとして恐怖心が沸き起こってきました。
いまだに全容が解明されていなくて調査が続けられているようですが、この洞窟が発見されてから観光スポットして整備されてきたこれまでの歴史を写真で紹介する展示がたいへん興味深かった。現在のような歩道がないときは小舟に乗って洞窟に入り込んだそうです。
この日は気仙沼あたりまで行こうと思っていたので、このあとも無料の高速を使うことにしました。少し標高のある山麓沿いを走る道路からは時おり海岸の様子を垣間見ることができるのですが、どこの入り江にもコンクリートの堤防が築かれているのが見えて何とも複雑な思いになりました。地震、噴火、台風など自然災害の多いこの日本で自然と共生するための手段としてやむを得ないんだろうな。
17時半ころに陸前高田市にある「高田松原津波復興祈念公園」に到着しました。ここは「道の駅高田松原」を併設しているので少しでもお金を使おうと思って閉店の18時前までお土産を探しました。そしてお店を出ると太陽はすでに西の山の向こうに沈んでいました。
この公園は東日本大震災による犠牲者への追悼と鎮魂、震災の記憶と教訓の後世への伝承の場として整備され、国営の追悼・祈念施設が設けられています。到着時間が遅かったので施設に入ることはできませんでしたが、夕暮れに浮かぶ奇跡の一本松を目の当たりにし、かつての名勝高田松原を覆うように築かれた堤防に登ってみると10年前の映像が蘇ってきて、いたたまれなくなりました。
いつの間にか雨が上がっていましたが、太陽が沈んで海からの風が吹きつけて一段と冷え込んできました。公園の駐車場で朝買っておいたお弁当を食べたあとGoogleで温泉を探してみたのですが、このあたりはあまりお風呂がないようで、あまりの寒さに深く考えずに選んだのが山の上にある「弁天開運の湯」というところ。失敗だったかな。
東京を出てからここまで、埼玉、栃木、福島と内陸部を北上したあと、山形で日本海へ出て、その後は日本海沿岸を北上して青森でターン、そしてこの日は太平洋岸を南下してきました。ここからは、中尊寺の金色堂を見ておきたかったのと、往路でいったんあきらめた田沢湖にやっぱり行ってみたかったので、もう一度内陸部に入ることにしました。それで、お風呂を出たあと西に向かって山を越え、この日の車中泊は「道の駅平泉」に決めました。
(9日目に続く)