『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  100

2009-12-04 08:28:37 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 各自の持ち場に戻った彼らは、隊長たちに指示を終え、再び、四人はアエネアスのもとに集まった。
 『統領、相談ですが、統領の意向を伺いたい件が、ニ、三あります。お願いします。』
 『敵の生存者は、双方で30人くらいです、かなりの傷を負っている者も含めてです。もう彼らの武装は解きました。負傷者は治療待ちです。』
 『敵の将二人の遺体は、どのようにするか。俺の思いでは、ポリメストルの遺体は、ポリメストルの軍の者に、ラミドトスの遺体は、ラミドトスの軍の者に引き渡したらどうだ。俺は、そのように考えているのだが、皆はどのように思う。君らの考えを聞きたい。』 アエネアスは、四人に尋ねた。
 『それでいいのでは。』 と、アレテスの答えは短い、パリヌルスもオキテスも、それに同調した。
 『それに、この二人の将の軍装は、剥ぎ取ることを禁止したいのだが、いいかな。』
 『それは、そうすべきだと私たちも考えています。』 四人の返事は、一緒であった。
 『次は、戦利品に付いてだが、剣や槍、武器の類、鎧、兜などは戦死者の身につけているものは、剥ぎ取って我が方のものとしよう。それから、オンボロだが、軍船2隻はいただく、そして、トロイから積んで来た彼らの戦利品も我が方のものととしよう。それでいいかな。』
 『我らが軍団の兵たちの中に、武器、軍装の類をほしいと言う者がいるのですが、彼らに渡してやってもよろしいかどうかですが。』
 『それは、君たちに任せる。それから、敵の戦死者の始末だが、四人で相談の上処理してほしい。