『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  117

2009-12-29 10:27:14 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 そのときを待っていたように、突如!石垣の上に兵が姿を現すや否や、矢が飛びきた。石垣の上の兵は10人余りである。門前の兵は20人余り、彼らもそのときを待っていたように剣を抜き連ね、10人づつの塊りになって、両サイドに分かれて肉迫してきた。敵との間隔は、14~15メートルに詰まった。
 イリオネスは、部隊に後退を指示した。飛び来る矢数が減ってきた。アレテスの叱咤で部隊は、反撃に転じた。30人余りの兵何するものぞと、アレテスも隊を二つに割り、敵の散開を阻止するように牽制して間をつめていった。彼らは、得意の投槍戦術で敵の半数を倒した。じりっ、じりっと敵を包み囲んでいく、敵の為す術を封じていく。敵を包囲した。彼らは包囲した敵、20人弱を思ったように惨殺した。戦闘は、あっという間に終わった。
 『アレテス、損害は。』
 『負傷は10人余り、戦死は2名です。』『よし!』 と答えが返ってきた。
 『軍団長!右肩の傷、血が流れています。』
 『大事はない、心配無用じゃ。部隊を引き連れて砦に踏み込め。長老も叩っ斬れ、容赦はするな砦を押さえろ。日が暮れるまでにまだ間がある。明るい間に制圧しろ!いいな。』
 アレテスは、檄を飛ばした。抗する敵を圧倒した。
 アレテスは、二人の従卒とともに長老を城壁の壁に追いつめた。
 『よく聞け!俺たちは、穏便に、この砦を押さえようと思っていたのだ。俺たちの部隊は、死傷者を出す損害を被った。許さん!』
 アレテスは吼えた。剣を一閃させたかと思うと、鮮やかに長老の首をはねていた。噴出す鮮血は、壁を真紅に染めた。