『お~い、パリヌルス。俺がお前に頼んでおいた、あの船足の速い舟艇は出来ておろうな』
テカリオンは、浜に着くなり、舟艇の存在を確かめていたにもかかわらず、パリヌルスに確かめの質問を投げかけた。パリヌルスは、そのことを百も承知の上で答えた。
『テカリオン、約束は守る、このパリヌルスだ。期待以上のものを造ってお前の来着遅しと待っていたのだ。遅いから、イブリジエからの希望者に譲り渡そうかと考えていたところだ。よ~く見まわしてみろ、向こうに見える帆柱がその舟艇だ』
『お~っ!そうか。パリヌルス、お前、冗談がきついぞ。ハッハッハ、俺とお前の仲だ。駆け引き無しでお前の希望値を言ってくれていいぞ。ただし、ただしだ、考えられないような高い値段は、言いっこなしだ。お互い、まじめに行こう。あとでゆっくり見せてくれ』
『テカリオン、まじめな話だ。船は聖なる乗り物だ。ヨッパラッた目で見られることを嫌がる。人智と技術と精魂の結晶の建造物だ。明朝、確かな目で見てくれ』
『そこまで言うか。そこまで言うなら、お前の言い分を了解した』
『よっしゃっ!それでいい。今日はしこたま呑んでくれ』
二人の言葉の掛け合いは和気あいあいであった。
テカリオンは、浜に着くなり、舟艇の存在を確かめていたにもかかわらず、パリヌルスに確かめの質問を投げかけた。パリヌルスは、そのことを百も承知の上で答えた。
『テカリオン、約束は守る、このパリヌルスだ。期待以上のものを造ってお前の来着遅しと待っていたのだ。遅いから、イブリジエからの希望者に譲り渡そうかと考えていたところだ。よ~く見まわしてみろ、向こうに見える帆柱がその舟艇だ』
『お~っ!そうか。パリヌルス、お前、冗談がきついぞ。ハッハッハ、俺とお前の仲だ。駆け引き無しでお前の希望値を言ってくれていいぞ。ただし、ただしだ、考えられないような高い値段は、言いっこなしだ。お互い、まじめに行こう。あとでゆっくり見せてくれ』
『テカリオン、まじめな話だ。船は聖なる乗り物だ。ヨッパラッた目で見られることを嫌がる。人智と技術と精魂の結晶の建造物だ。明朝、確かな目で見てくれ』
『そこまで言うか。そこまで言うなら、お前の言い分を了解した』
『よっしゃっ!それでいい。今日はしこたま呑んでくれ』
二人の言葉の掛け合いは和気あいあいであった。