舟艇の商談も決着した。交易の商談の全てが終わった。
自分たちの守るべき領域で大満足もあれば、ちょっぴりの不満をこらえての満足もあった。だが、最後には、笑顔を交わせる満足で商いは締めくくられた。互いに有利不利を抱きながらも平和な交易であった。
浜は荷役の作業で沸いた。作業を終えたところで、ささやかではあったがカタチだけの小宴をひらいて、互いの別れを惜しんだ。季節が船を運ぶ頃まで、この浜に交易の船が訪れることはない、秋風が渡っていく浜の午後であった。
交易の船が出て行く、船上で手が振られている。浜に居並んでいる者たちも手を振って答えていた。
各舟艇には三人の水夫が乗り、船団の各船が一艇づつ曳航して去っていった。
浜では、イリオネスを中に据えて、一つの大事をなし終えた安堵感で話し合っていた。
『いやいや、皆ご苦労であった。計画した交易というひとつの大事を為し終えた。お前たち本当にご苦労であった。お前たちに対する感謝はこのようにいっぱいだ。俺の気持ちを判ってくれるな、ありがとう、ありがとう』
ありがとうを両の手を広げ感謝を体で表した。そして、だれかれかまわず手を握った。
『みんなに見せる。これがテカリオンからもらった土産だ。我々が目にしたことのない品だ。これを統領に進呈しようと思っている。お前らの気持ちもそれでいいな』
『それでいいです』
『判った!』
イリオネスは話を結んだ。
自分たちの守るべき領域で大満足もあれば、ちょっぴりの不満をこらえての満足もあった。だが、最後には、笑顔を交わせる満足で商いは締めくくられた。互いに有利不利を抱きながらも平和な交易であった。
浜は荷役の作業で沸いた。作業を終えたところで、ささやかではあったがカタチだけの小宴をひらいて、互いの別れを惜しんだ。季節が船を運ぶ頃まで、この浜に交易の船が訪れることはない、秋風が渡っていく浜の午後であった。
交易の船が出て行く、船上で手が振られている。浜に居並んでいる者たちも手を振って答えていた。
各舟艇には三人の水夫が乗り、船団の各船が一艇づつ曳航して去っていった。
浜では、イリオネスを中に据えて、一つの大事をなし終えた安堵感で話し合っていた。
『いやいや、皆ご苦労であった。計画した交易というひとつの大事を為し終えた。お前たち本当にご苦労であった。お前たちに対する感謝はこのようにいっぱいだ。俺の気持ちを判ってくれるな、ありがとう、ありがとう』
ありがとうを両の手を広げ感謝を体で表した。そして、だれかれかまわず手を握った。
『みんなに見せる。これがテカリオンからもらった土産だ。我々が目にしたことのない品だ。これを統領に進呈しようと思っている。お前らの気持ちもそれでいいな』
『それでいいです』
『判った!』
イリオネスは話を結んだ。
