今回が二度目の交易である、互いの気心が知れておるが、商談はチョウチョウハッシと駆け引きを戦わせての取り引きであった。互いの我慢のしどころで商談が決まった。魚の干物については、前回にならって、物々交換となった。
舟艇に関する商談交渉は、それなりの時間を費やしていた。
『パリヌルス、話はいいところまで来ている。では、舟艇に乗ってみる、いいな』
テカリオンの気持ちは最終の品定めの段階に至っていた。
『おうっ、判った。いいだろう。ところで漕ぎ手をどうする。俺のところからは5人出す。テカリオン、お前のところも5人だせ。漕ぎ手の意見も聞かなければ、艇を正しく評価できないだろう』
『おうっ、お前の言うとおりだ。こちらからも5人出す。では、走らせてみよう』
パリヌルスは、カイクスに言いつけて、5人の漕ぎ手と操舵手と展帆の要員をつれて舟艇に乗った。テカリオンも5人の漕ぎ手を含めて10人が舟艇に乗り込んだ。
海は風が凪いでいた。櫂座についた漕ぎ手たちが一斉に海面を泡立てた。
舟艇は沖に向けて、波を割ってすべった。小一時間も経った頃になって、海を渡る風が起きてきた。パリヌルスは展帆を指示した。
帆は、風をはらみ始めた。
舟艇に関する商談交渉は、それなりの時間を費やしていた。
『パリヌルス、話はいいところまで来ている。では、舟艇に乗ってみる、いいな』
テカリオンの気持ちは最終の品定めの段階に至っていた。
『おうっ、判った。いいだろう。ところで漕ぎ手をどうする。俺のところからは5人出す。テカリオン、お前のところも5人だせ。漕ぎ手の意見も聞かなければ、艇を正しく評価できないだろう』
『おうっ、お前の言うとおりだ。こちらからも5人出す。では、走らせてみよう』
パリヌルスは、カイクスに言いつけて、5人の漕ぎ手と操舵手と展帆の要員をつれて舟艇に乗った。テカリオンも5人の漕ぎ手を含めて10人が舟艇に乗り込んだ。
海は風が凪いでいた。櫂座についた漕ぎ手たちが一斉に海面を泡立てた。
舟艇は沖に向けて、波を割ってすべった。小一時間も経った頃になって、海を渡る風が起きてきた。パリヌルスは展帆を指示した。
帆は、風をはらみ始めた。
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