イリオネスは、トリタスの姿を探した。浜衆たちと話しこんでいるトリタスを見つけた。
『お~い、トリタス。トリタスもこっちへ来て、見てみろ。なかなか、珍しいものらしい。まあ~、見事なもんだ』
『あ~あ、これはこれは、私は初めて目にするものです。いいものですね』
『ところで、交易の結果はどうだった。トリタス』
『私は、取り引きの一切をパリヌルス様にお任せしての取り引きでしたが、こんなにでっかい取り引きは初めてでしたから、ここに来ている浜衆たちも含めて大満足です。アーモンド、魚の干物の事もあり、皆さんに大感謝、大感謝です』
『それはよかった、よかった。お前たちに不満のない交易であったことをともに喜ぼうではないか。しかし、麦の取り引きはあんなものなのかなあ、ちょっぴりだが不満を感じている。トリタスはどうだ』
『私は、こんな大取り引きは始めてなので、大はつけませんが満足です。あれ以上を望めば欲張りになります。お世話いただいて本当に有難うございました』
『そうか、満足してくれていたのか。それはよかった』
イリオネスは、砦の者たちのほうへ身体を向けた。
『どうだ、お前たちもご苦労であった。明日から二、三日はのんびり休もう、そのつもりで今夜は床についてくれ。皆、大変、ご苦労であった。以上だ』 と話を締めくくった。
一人、二人と場を去っていく、秋が身を包んでくる。トリタスたちは小舟に乗って、交易の場であった浜を去っていった。
短くなりつつある秋の一日が終わろうとしている。でっかい太陽が飛沫を上げて、エーゲ海のはるかに沈もうとしていた。
『お~い、トリタス。トリタスもこっちへ来て、見てみろ。なかなか、珍しいものらしい。まあ~、見事なもんだ』
『あ~あ、これはこれは、私は初めて目にするものです。いいものですね』
『ところで、交易の結果はどうだった。トリタス』
『私は、取り引きの一切をパリヌルス様にお任せしての取り引きでしたが、こんなにでっかい取り引きは初めてでしたから、ここに来ている浜衆たちも含めて大満足です。アーモンド、魚の干物の事もあり、皆さんに大感謝、大感謝です』
『それはよかった、よかった。お前たちに不満のない交易であったことをともに喜ぼうではないか。しかし、麦の取り引きはあんなものなのかなあ、ちょっぴりだが不満を感じている。トリタスはどうだ』
『私は、こんな大取り引きは始めてなので、大はつけませんが満足です。あれ以上を望めば欲張りになります。お世話いただいて本当に有難うございました』
『そうか、満足してくれていたのか。それはよかった』
イリオネスは、砦の者たちのほうへ身体を向けた。
『どうだ、お前たちもご苦労であった。明日から二、三日はのんびり休もう、そのつもりで今夜は床についてくれ。皆、大変、ご苦労であった。以上だ』 と話を締めくくった。
一人、二人と場を去っていく、秋が身を包んでくる。トリタスたちは小舟に乗って、交易の場であった浜を去っていった。
短くなりつつある秋の一日が終わろうとしている。でっかい太陽が飛沫を上げて、エーゲ海のはるかに沈もうとしていた。
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