『おう、そうだ着実な歩運びだ。小石に躓きたくはない、その思考、その決断だ。仕事の進み具合は?』
『進み具合は、確実進行、滞りなく進んでいます』
『そうか。それは重畳!』
『建造の場の足場の不具合、修理完了しました。万全です』
『おっ!そうか。ありがとう。一緒に見て廻ろう』
二人は歩き始めた。
オロンテスらのキドニアからの帰着が遅れている、身を沈めようとしている夕陽の下弦が水平線に接しようとしている、今日の業務を終えた者たちが夕陽が演出する風景に見入る、心にねぎらいを感じていた。
パリヌルスもオキテスもオロンテスのことを気にかけ始めた。ヘルメスの船影を目にとめたら、即刻、伝えてくれるようにと指示を出して待機する、浜には盛大に火を燃やせとも指示を出す、アヱネアスもイリオネスも姿を見せる、一同は、彼らの無事を念じて待った。
浜の宵のとばりが下りてくる、5か所で燃える焚火、大きく燃え上がる炎、光の届くところの明るさは真昼のごとしである。
時は来た、東のかなたに松明の火の光を目にする、待ちに待った兆しである、ヘルメスは漕走で波を割っている、深まる宵闇、見張る者たちがヘルメスの蹴立てる波がしらを見る、伝令が走る、一同に伝わる、波打ち際へと飛び出す、艇上に揺れる松明の光を目にする、近づいてくる、艇上の者たちの顔が見える、元気である、浜にいる一同が安堵した。
波打ち際から10メートル、離れた海上地点にヘルメスが停まる、オロンテス以下三人のスタッフが下りてくる、波打ち際のアヱネアス、イリオネスが駆け寄る、パリヌルス、オキテスも駆け寄る、アヱネアスがオロンテスの肩を抱く、イリオネス、パリヌルス、オキテスが三人の肩を抱く、互いに言葉がない、アヱネアスが言葉をかける。
『オロンテス!無事の帰着うれしいぞ!何か変事がとーーー』
『申し訳ありません。集散所における交渉事が長びき、出航するのが遅れて、この帰着です。心配をおかけしました』
『判った。無事であればそれでいい。無事の姿を見るまで落ち着かない、海事とはそのようなものだ。陸にいる者が気にかけて当然のことなのだ。これで安堵した』
アヱネアスの心が着衣を通してオロンテスに伝わった。
『進み具合は、確実進行、滞りなく進んでいます』
『そうか。それは重畳!』
『建造の場の足場の不具合、修理完了しました。万全です』
『おっ!そうか。ありがとう。一緒に見て廻ろう』
二人は歩き始めた。
オロンテスらのキドニアからの帰着が遅れている、身を沈めようとしている夕陽の下弦が水平線に接しようとしている、今日の業務を終えた者たちが夕陽が演出する風景に見入る、心にねぎらいを感じていた。
パリヌルスもオキテスもオロンテスのことを気にかけ始めた。ヘルメスの船影を目にとめたら、即刻、伝えてくれるようにと指示を出して待機する、浜には盛大に火を燃やせとも指示を出す、アヱネアスもイリオネスも姿を見せる、一同は、彼らの無事を念じて待った。
浜の宵のとばりが下りてくる、5か所で燃える焚火、大きく燃え上がる炎、光の届くところの明るさは真昼のごとしである。
時は来た、東のかなたに松明の火の光を目にする、待ちに待った兆しである、ヘルメスは漕走で波を割っている、深まる宵闇、見張る者たちがヘルメスの蹴立てる波がしらを見る、伝令が走る、一同に伝わる、波打ち際へと飛び出す、艇上に揺れる松明の光を目にする、近づいてくる、艇上の者たちの顔が見える、元気である、浜にいる一同が安堵した。
波打ち際から10メートル、離れた海上地点にヘルメスが停まる、オロンテス以下三人のスタッフが下りてくる、波打ち際のアヱネアス、イリオネスが駆け寄る、パリヌルス、オキテスも駆け寄る、アヱネアスがオロンテスの肩を抱く、イリオネス、パリヌルス、オキテスが三人の肩を抱く、互いに言葉がない、アヱネアスが言葉をかける。
『オロンテス!無事の帰着うれしいぞ!何か変事がとーーー』
『申し訳ありません。集散所における交渉事が長びき、出航するのが遅れて、この帰着です。心配をおかけしました』
『判った。無事であればそれでいい。無事の姿を見るまで落ち着かない、海事とはそのようなものだ。陸にいる者が気にかけて当然のことなのだ。これで安堵した』
アヱネアスの心が着衣を通してオロンテスに伝わった。