「ミレニアム2 火と戯れる女」上下 スティーグ・ラーソン著 ヘレンハルメ美穂・山田美明訳 2009年 早川書房
ミレニアム三部作の二つ目である。先に書いた1はそのミステリアスな背景、プロットが秀逸だったが、そこに主人公のジャーナリストにからんで調査で協力する、というかなぜか調査にはいってきてしまった女(リスベット)がの出生からこれまで、そしてそれにも起因する大騒ぎのなかで、いかに状況を切り開いていくか、そして自身の動機に忠実にいかに行動するか、という物語である。
最初は事件は起こるものの前作ほど動きがなく、どちらかといえば世間によくある組織内のいやな男たちと、それに耐えながら生きていく女性たち、極論をいくサランデルといった進行。
といっても常套的なフェミニズム、ジェンダー論ではなく、あくまで人と人の間での話だから自然であり、読み応えはある。
ただ、終盤の様々な格闘シーンとその結果については、ちょっと現実にはありえない感じがするのだが。
でもここまでくれば、この映画も見て、第三作にも進んでいかなくては。