メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

高橋由一展

2012-05-30 15:59:22 | 美術

近代洋画の開拓者 高橋由一

2012年4月28日(土)~6月24日(日) 東京藝術大学大学美術館

 

高橋由一(1828-1894)を知ったのはこの十数年のこと。私の世代では美術や日本史の教科書に載っていなかったからだろうか。日本のそれも明治維新以降の洋画について興味が出てきてからは、折に触れ注意してみてきた。

この間の印象は、とにかくそういう時代にこういうことをやる情熱、この手法で写実を極めるんだという思いであった。

 

それはこうして由一の集大成を見るとより如実に感じられるし、その仕事量は、特に彼が洋画を始めたときすでに40近くであったことを考えると、驚くべきものである。東北風景図の膨大な量!

 

全体の中で見ると、多くの鮭図から選ばれた3点は、動植物、人物などの中では、思ったよりあっさりしている。以前どこかで見たときには、もう少ししつこいリアリズムだったと思うが。

 

ところでこの人、写実の徹底ということは別として、画家としての才能ということになると、それが一番生きたのは風景画ではないだろうか。

 


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