メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ラヴェル「子どもと魔法」

2022-06-04 09:50:28 | 音楽一般
ラヴェル:歌劇「子どもと魔法」( L'enfant et les Sortileges)
台本:コレット夫人
指揮:ティトゥス・エンゲル、演出:ジェームズ・ボナス、イラスト・アニメーション:グレゴワール・ポン。美術・衣装:ティボー・ヴァンクリーネンブルク、照明:クリストフ・ショパン
クレマンス・プッサン(子ども)、クレール・ガスコワン(母親、中国茶碗、トンボ)
2019年11月14、15、19日 リヨン国立歌劇場  2022年5月 NHK BSP
 
ラヴェルはオペラとしては「スペインの時」と「子どもと魔法」の二つだけしか書いていない。
「子どもと魔法」はアンセルメ指揮スイス・ロマンドのレコード(1954年録音)を聴いたことがあり、今でも持っている。おぼろげな記憶では音楽は劇的だがしゃれていて、音は美しいが、なにしろ歌詞というか台詞が早くて対訳を追いかけるのも大変だった。
 
今回こうして初めて映像で見ると、これはやはり聴くだけでは理解できないなと思った。
登場人物は子供と母親以外はほとんど動物や家具、食器などで、それらが子供に普段邪険にされていてこらしめようという流れである。
  
本来バレエが組み合わされているらしいが、今回は見せ方としては映像、影絵など、それも音楽とうまくシンクロしていて、飽きずに見ることができた。この映像技術はなかなか大したもので、番組でこの次にあった「ピーターと狼」(プロコフィエフ)もそうだけどフランスのセンスと技術は素晴らしい。
 
おそらくアニメ「王と鳥」(やぶにらみの暴君)あたりから続いているのではないだろうか。ディズニーとはまったくちがうセンスである。
もっとも食器が出てくるとこれは「美女と野獣」を思い出した。

詳細な評価は出来ないが、いずれ再度見てみようと思っている。むしろその時はラヴェルの音楽をもっとよく聴いてみよう。
 
一つ、昔聴いた時から記憶にあるのだが、台詞の中に「ハラキリ、雪洲、早川、、、」(発音はこのまま)とある。台本が書かれたのは1910年代、アメリカ、フランスと活躍していたこの人にエキゾチックな面白さを感じていたのかもしれない。
 

 


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