小さな会社につとめ、ストレスを抱えている上、安月給。オマケに大家族。つまらない毎日を送っている男性がいました。
しかし彼は何故か楽しそう。それは夢を持っていたからだそうです。
将来、実現させたい…というあの夢ではありません。睡眠時に生じるあの夢です。
彼は自分ひとりの城を持つことを夢の中で実現しました。誰も入ることができない夢の部屋。
高級家具を揃え、流行の服も揃え、それを収めるタンスも手に入れました。
とにかく普段手に入りそうもないものはすべて夢の中で手に入れることができました。
ところが、ある日、彼は欲しがるまいとしても抑えることができず、それにどうしても部屋のドアも窓もあかず困り果てました。
それで眠るのがこわくなる始末。
眠れない日が続きました。
ある日、通勤のバスの揺れが、彼を眠りに誘いました。
その途端、彼は大きな悲鳴をあげました。それは、ちょうど、逃げ場のない場所で何かに押しつぶされるような声だった…とか。
コワイ話ですね。夢だからなおさらコワイ。
欲望が彼をこんなにも苦しめるなんて…。
足るを知ること。小さなことに喜べる幸せこそ本物なんでしょう。
青山NHKの集中講座に通われている荒井世津子さんに教えていただいた星新一氏の「ボッコちゃん」の中から抜粋しました。ブラックユーモアですね。
世津子さんとはホームヨーガの道友として、恐らく一番長いお付き合いかもしれません。
はじめてお会いした時からヨーガへのひたむきさは変わらず真っ直ぐな生き方が、私は大好きなんです。
またいろいろな情報を教えてくださいね。(荻山貴美子)